企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

『ビジネスガイド』提携

生活型、付合い型、独りよがり型、抱え込み型…etc
“タイプ別”残業時間削減のテクニックとその進め方 (1/5ページ)

日本能率協会総合研究所 広田 薫

2013/11/18
ビジネスガイド表紙
『ビジネスガイド』は、昭和40年5月創刊の労働・社会保険の官庁手続、人事労務の法律実務を中心とした月刊誌(毎月10日発売)です。企業の総務・人事・労務担当者や社会保険労務士等を読者対象とし、労基法・労災保険・雇用保険・健康保険・公的年金にまつわる手続実務、助成金の改正内容と申請手続、法改正に対応した就業規則の見直し方、労働関係裁判例の実務への影響、人事・賃金制度の構築等について、最新かつ正確な情報をもとに解説しています。ここでは、同誌のご協力により、2013年11月号の記事「“タイプ別”残業時間削減のテクニックとその進め方」を掲載します。『ビジネスガイド』の詳細は、日本法令ホームページへ。

ひろた・かおる ● 日本能率協会総合研究所 組織・人材戦略研究部 主幹研究員。城西国際大学講師。厚生労働省などから労働時間管理に関するプロジェクトを多数受託・研究。民間企業に対する残業削減、ワーク・ライフ・バランス推進といった研修・コンサルティング・ソリューション提案を行う。主な著書として『経営環境の変化に応じた労働時間管理の進め方』(厚生労働省「労働時間制度改善セミナー」テキスト、全国労働基準関係団体連合会)、『希望者全員の継続雇用義務化!改正高年齢者雇用安定法の解説と企業実務』(日本法令)ほか。

1. なぜ残業は減らないのか

残業削減に向けて様々な施策、例えば「ノー残業デー」やイントラネットを活用した残業時間管理システムの導入、会議の見直し等、ハード・ソフト両面からの対策を講じている企業は少なくありません。しかし、狙い通りの成果を上げている企業は必ずしも多くないのが現実です。

いくら会社が残業時間を削減しようと労働時間管理を強化したり、業務を効率化しようと働きかけたりしても、「残業は当たり前」という意識が社員にある限り、残念ながら形だけで終わってしまいます。

photo

遅くまで残業をしている社員に理由を聞けば、「仕事が多すぎて定時までに終わらないから」と答えるに違いありません。確かに仕事量そのものが多すぎることもあるでしょう。しかし、本当にそれだけでしょうか。

長時間にわたる残業が発生するには、三つの理由があります。一つ目は、業務の性格上、ある時期に極端な業務負荷がかかってしまうことから発生する残業(季節偏重型残業)、二つ目は、新しいプロジェクトの立上げ等時限的に発生する残業(期間限定型残業)、そして三つ目は上記以外の恒常的な長時間残業(恒常型残業)です。

社員ないし部下の長時間残業を許している管理職に聞くと、多くの人は、このうち、季節偏重型残業や期間限定型残業のいずれかに該当するので仕方がないと答えます。本当でしょうか。長時間残業をしている本人の仕事の仕方に問題はないのでしょうか。自身の仕事の仕方そのものにムダが隠れていないでしょうか。特にすることもないのに遅くまで残っていないでしょうか。仕事のゴールに到達する前に回り道をし、道に迷い、休まなくてもよいところで休んではいないでしょうか。だからこそ、恒常的に長時間残業をしなければならないのではないでしょうか。

残業を削減するには、まずは、社員の働き方を検証、見直し、恒常型残業を削減することから始めなければなりません。

■図表1 長時間残業が発生する三つの理由
1.季節偏重型 業務の性格上、ある時期に極端な業務負荷がかかってしまうことから発生する残業
2.期間限定型 新しいプロジェクトの立上げ等時限的に発生する残業
3.恒常型 上記以外の恒常的な長時間残業

2.残業削減に向けた基本的な考え方

photo

ただし、そうは言っても「毎日、一生懸命働いているのになかなか定時には帰れない」と嘆いている社員も少なからず存在します。こうした社員がまずやらなければならないのは、ムダな働き方を見つけ、それを排除することです。ムダな働き方は残業という形で表に出てきます。だからこそ、一人ひとりがムダな残業をやめるという強い意思を持ち、残業削減に取り組まなければならないのです。

それでは、ムダな残業とは一体どういうものなのでしょうか。ムダな残業には、一見してムダだとわかる残業と、一見問題のない、むしろ一生懸命頑張っているように見えてしまう残業の2種類があります。この二つを細かくみていくと、残業は九つに分類することができます。それぞれの残業のタイプ・傾向に応じて対策を講じないと、的外れなものとなってしまいます。

なお、唯一ムダではない残業があります。それは、若い時にとことん仕事にのめり込んだ結果として発生する残業です。こうした残業まで一概に否定すべきではありません。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事にコメントする

この記事に対するご意見・ご感想のコメントをご投稿ください。
※コメントの投稿をするにはログインが必要です。

  • 1

2件中 12件を表示

1. つほさん 建築・土木・設計 鳥取県
以前日経新聞に残業の分類は出ていましたが、より詳細で
大変参考になりました。
2. たかっさんさん 運輸・倉庫・輸送 大阪府
当社で労務関係の仕事に従事していまして、残業削減は命題です。36協定の関係もあり苦慮しています。『意識改革』の一環として活用させていただきます。

※コメントのほか、ニックネーム、業種、所在地(都道府県まで)がサイト上に公開されます。

※投稿をしたコメントは、『日本の人事部』事務局で確認後、掲載されます。投稿後すぐには掲載されませんので予めご了承ください。

人事・労務関連コラムのバックナンバー

外国人労働者が関係する労組トラブル対応最前線
相次ぐ外国人技能実習生の失踪などから、長時間労働や過重労働をめぐって紛争につながるケースが多発しています。外国人労働者が関係する労使トラブルの最新事例と、具体的...
2019/09/05掲載
従業員が協力したくなる!「リファラル採用」のための制度設計&規定
従業員が協力したくなる!人材難の時代、急速に広がる「リファラル採用」のための制度設計&規定
2019/07/05掲載
受入拡大迫る!外国人雇用よくあるトラブルと対応
減少する日本人労働者を補うためにも不可避となった外国人採用。 今回は、外国人を雇用するにあたって押さえておきたい注意点等について、トラブル事例をもとにお伝えいた...
2019/05/20掲載

関連する記事

「休み方」をどう考える?――年次有給休暇を中心に
働き方改革関連法によって年5日の有給休暇取得が義務付けられたことで、「休むこと」に大きな注目が集まっています。 休み方に関しては、「企業が用意する制度」と「従...
2019/11/06掲載編集部注目レポート
人材採用“ウラ”“オモテ”
ハードワーク体験がトラウマに 年収が下がっても日系企業を希望する理由とは
世界的な外資系企業への内定が決まったにもかかわらず、あえて日系企業への転職を希望する求職者。そこにはあるトラウマが影を落としていた。
2019/10/02掲載人材採用“ウラ”“オモテ”
定着と労働条件の微妙な関係
パート・アルバイトとして働く1,600人への最新の調査によると、約4割が転職意向を持っているということがわかりました。空前の採用難時代。従業員の勤続意向を高め定...
2018/11/12掲載新卒・パート/アルバイト調査
「残業ゼロ」と「売上アップ」を同時に実現
社員7人の町工場が本気で取り組んだ「働き方改革」とは
ここ数年、企業にとって働き方改革が大きな課題になっていますが、残業ゼロと売上アップを同時に果たし、全社員に年収600万円以上の高待遇を実現していることで注目を集...
2018/05/24掲載編集部注目レポート
労働時間短縮施策として「行った結果、効果があった」割合が最も高かったのは「経営層によるコミットメント・メッセージの発信」
労働時間を短縮するために行った施策が「ある」企業に、各施策実施の有無とその効果について聞いたところ、「行った結果、効果があった」の割合が最も高かったのは、「経営...
2017/07/12掲載人事白書 調査レポート
次世代リーダー育成特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

研修費ゼロの人材育成 3,650社が活用!業界唯一の統合型eラーニング

注目コンテンツ


次世代リーダー育成特集

さまざまな取り組み方がある「リーダーシップ育成」について手法や外部ソリューションをご紹介します。
コンテンツトップバナー


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


顔と名前の一致”が組織を強くする<br />
 シンプルな仕掛けで人事・組織の課題を解決する「カオナビ」とは

顔と名前の一致”が組織を強くする
シンプルな仕掛けで人事・組織の課題を解決する「カオナビ」とは

企業は成長を目指すのが常ですが、成長するほど見えなくなってしまうものが...