定年再雇用者の処遇設定基準について
いつも参考にさせていただいております。
当社は大手IT企業に技術者を派遣や準委任してのシステム開発(開発期間は平均2~3年)を主な生業にしているIT企業なのですが、定年再雇用(65歳まで契約者社員として雇用)時の処遇について、現状では60歳時点の処遇を基準に再雇用1年目70%、2年目60%、3年目50%、4年目45%、5年目40%と担当する業務に関係なく一律に定めています。
ただ、これではお客様からの評価が高くお客様との契約額が高い(業績貢献している)再雇用者でも大幅に処遇がダウンする。逆に、能力が低くアサインできる仕事が無くて社内で待機している再雇用者(人件費のみが発生し業績貢献できていない)がそれなりの処遇を得ている。など、会社貢献度合いと処遇が矛盾することが発生する可能性があり、定年再雇用時の処遇設定基準の見直しを検討しています。
その検討において、定年再雇用制度は「生涯現役」を前提に会社が仕事をあてがうのではなく自ら仕事を取ってくる(任される)ものとの考え方を改めて打ち出し、定年再雇用はジョブ型雇用との定義を行い、担当するジョブ(業務・役割)の価値をお客様との契約額と定めて、その契約額を基準に再雇用者の処遇を設定する案(ex.処遇=契約額×70%、契約額0円の場合は最低賃金を保証)を考えています。
このような処遇設定の仕方について、法的な問題がありますでしょうか?ご教示いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2020/12/21 14:45 ID:QA-0099324
- okaba3さん
- 大阪府/情報処理・ソフトウェア(企業規模 51~100人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
特に法的な問題はない
▼定年再雇用者に対する評価・処遇制度も、それなりの手順を踏んで導入すれば、特に、法的な問題はありません。
▼「自ら受注」を核とするジョブ型雇用の適用事例は、目にしたことはありませんが、再雇用者に多くは求めず、高齢化社会への企業義務から、積極的戦力化への転換は好ましいことです。
▼ともすれば、昨日迄の部下の下で働くといった局面から離れて、自力でジョブを遂行、処遇に反映させ得る制度として試みる価値は十分あると思います。
投稿日:2020/12/22 10:04 ID:QA-0099339
相談者より
ご回答ありがとうございます。
定年を過ぎても仕事にやりがいを持って第一線で頑張ってもらいたいとの想いがありこのような施策を考えました。法的には問題ないとのことなので関連事項や詳細の検討を進めていきます。
ありがとうございました。
投稿日:2020/12/22 11:40 ID:QA-0099341大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
同一業務
現状の「担当する業務に関係なく一律に減額」という措置は著しく合理性を欠いていると思いますが、それが当人の成果によって報じられるようになるのは改善であり、好ましいと思います。その際に現状の、年齢だけで評価、業務変更無し部分が完全排除されていれば問題ないと思います。
投稿日:2020/12/22 15:15 ID:QA-0099344
相談者より
ご回答ありがとうございます。
年齢とは関係なく市場価値(=顧客評価)で処遇を設定したいと思っています。高い評価を得るためには当然、ご本人の努力が必要ですし、ご自身の能力が発揮できる業務を担当することを支援するつもりです。
ありがとうございました。
投稿日:2020/12/22 16:08 ID:QA-0099346大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、新たな処遇設定基準の考え方が通常の定年前の正社員と同様であれば、そのような変更にも合理性があるものといえます。
しかしながら、全く新しい処遇設定基準であれば、いささか定年再雇用者に取りましては違和感を覚える内容とも考えられます。もし再雇用になっていきなり「自ら仕事を取ってくる」という概念を持ち出されるとすれば、定年前より多少なりともパフォーマンスは低下している方が多いですし、再雇用に消極的なのではといった疑念を生じかねません。
少なくとも65歳までの定年再雇用につきましては法的に義務化されているものですので、そうした観点からも見直しはされるとしましても業務事情を考慮された上での設定基準見直しを検討されるべきといえるでしょう
投稿日:2020/12/22 18:09 ID:QA-0099357
相談者より
ご回答ありがとうございます。
文章の表現不足で申し訳ございません。施策検討の想いとして、定年再雇用者に対して、過去の経験のみで仕事をするという受け身ではなく、「自ら仕事を取ってくる」の気概を持って自己研磨に励み、いつまでも第一線で仕事をすることを期待しています。ですので実際に再雇用者は勝手に自らの仕事を探して取ってこいということではありません。また、「自ら仕事を取ってくる」の気概についてはシニア層(55歳up)に対して伝えているメッセージでもあり、「生涯現役」を実現する企業風土にしたいと考えています。
ご回答内容も考慮した上で検討を進めていきます。
ありがとうございました。
投稿日:2020/12/23 08:58 ID:QA-0099365大変参考になった
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