副業の制度化における「単発アルバイト」の取り扱い
当社では副業の制度化を検討中です。近年「単発アルバイト」をあっせんするスマホアプリも流行しており、そうした仕事も副業先として想定されるところですが、以下のようなケースがもし発生した場合どうなるかが気になっています。
・月~金:当社で勤務(8時間/日、40時間/週)
・土曜日:単発バイトA社で8時間副業勤務(←日雇労働契約締結)
・日曜日:単発バイトB社で8時間副業勤務(←日雇労働契約締結)
→これを1か月まるまる繰り返す
この場合、
・週40時間を超える割増や、休日労働の割増は発生するでしょうか。発生する場合、どの会社がどのように負担することになるでしょうか。
・社会保険の点で留意すべき点はありますでしょうか。
・かりに当社が「当社の非就業日をどう使うかはみなさんの自由ですから、土・日の副業は自己責任の範囲内で好きにしてください(ムリはしないでくださいね)」といった裁量の高めな制度を設けていたとして、この社員が過労で倒れてしまったとします。当社の安全配慮義務違反はどの程度問われそうでしょうか。
(厚生労働省のガイドラインに沿って申告義務を設ければ済む話かもしれませんが、「申告を必須にすると社員が嫌がってせっかくの制度が形骸化すること必至」「申告を受けたところで当社に手の打ちようがないではないか(無理やり休ませる訳にもいくまい)」といった対抗意見も社内にあり、難渋しています。)
なにとぞよろしくお願いいたします。
投稿日:2020/09/09 18:49 ID:QA-0096574
- NT2525さん
- 東京都/その他業種(企業規模 10001人以上)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、労働時間は通算されますので、週40時間を超える場合ですと時間外労働が発生します。そして、支払う会社については厚生労働省によりますと「まず労働契約の締結の先後の順に所定労働時間を通算し、次に所定外労働の発生順に所定外労働時間を通算することによって、それぞれの事業場での所定労働時間・所定外労働時間を通算した労働時間を把握し、その労働時間について、自らの事業場の労働時間制度における法定労働時間を超える部分のうち、自ら労働させた時間について、時間外労働の割増賃金(労基法第 37 条第1項)を支払う必要がある。」と示されています。また休日労働につきましては、各会社における法定休日におきまして休日労働を行わせた会社で支払義務が発生する事になるものといえます。
社会保険に関しましては、御社でしか加入要件を満たしておりませんので引き続き御社での適用となります。
また、安全配慮義務につきましては、状況にもよりますので個別具体的な事案に応じて判断される事になります。勿論、会社側で明らかに過重労働になっていると知りながら放置されていた場合には責任を問われる事になるものといえます。そして、自己責任といえども無理をすれば当人の健康のみならず御社業務にも影響が生じる事になってしまいますので、少なくとも定期的に状況確認をされる事が重要といえます。
投稿日:2020/09/10 10:03 ID:QA-0096593
相談者より
早速のご回答ありがとうございました。
「安全配慮義務につきましては、状況にもよりますので個別具体的な事案に応じて判断される事になります」
ご指摘のこの箇所がまさしくボトルネックでして、「何か起きたら本業の会社で責任を取れ」とリスクを押し付けられてしまう可能性が拭えない以上は、躊躇せざるを得ないか…、というのが現時点での感触です。
大変参考になりました。重ねて御礼申し上げます。
投稿日:2020/09/11 10:03 ID:QA-0096642大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
ガチンコ・ガイドライン
▼柔軟な雰囲気が欲しい処へ、やれ、副業内容を会社に報告しろだの、時間外労働負担は降順(後掴損方式)にしろだの、一読するだけで、副業意欲を削ぐガチンコ話ばかりでウンザリします。
▼会社へは、お互いに義務・権利のない報告事項と位置づけとする、フリーランス方式( QA-0096484・雇用契約ではない勤務とのダブルワーク dd 20/09/07)を検討されてはいかがですか・・。
投稿日:2020/09/10 16:11 ID:QA-0096620
相談者より
早速のご回答ありがとうございます。
まさしく仰る通りでして、厚労省のガイドラインや他社事例を見ても余りの規制ぶりに辟易し、自営・業務委託に限定する方向で実際には検討を進めております。
とはいえ、雇用型の単発バイトに裾野が広がれば就業機会も桁違いであろうから何とかならないものか(流行のバイトアプリも以前は業務委託扱いが大半でしたが流石に具合が悪かったか直雇用にシフト中のようで…)と考えたのですが、やはりムリそうです…。本来の法の理念は契約形態でなく実質に即して対応することなのでしょうが、労務管理実務の立場としては致し方ありません。
ご回答内容をふまえて社内で再度議論します。ありがとうございました。
投稿日:2020/09/11 10:16 ID:QA-0096643大変参考になった
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回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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