定年の変更について
当社は10名以下の企業であるため就業規則を今まで作成しておりませんでした。
このたび就業規則を作成することになり、定年についてご質問させていただきます。
今までは各人との雇用契約書に・定年なしと表記しておりました。
就業規則には定年を設けようと思っております。
当社は毎月の給料も借金して払っているような状態で赤字状態です。非常に苦しいです。
当社には67歳の従業員がおります。そのため
・定年を68歳としても問題がないか?
・または定年を世間一般の65歳とし、特別に67歳のものに関しては1年間の延長期間を設ける
などの方法で行おうと思っているのですがいかがでしょうか?
さらにもし65歳とした場合、当社には退職金はありませんが
特別退職金として10万円程度を支払うことも考えております。(これが精いっぱいです。)
この特別退職金は必要でしょうか?
就業規則が不利益などと判断されないため、よく考えて作りたいと思っております。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2018/06/10 13:00 ID:QA-0077115
- こまめさん
- 福岡県/医療・福祉関連(企業規模 1~5人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
厳しい経営環境で、余力はないが、現状でのベスト案は・・
▼ 従業員規模、これまでの経緯、就業規則の作成意向、67歳の現社員の存在、更に、極度に苦しい経営状況など総合的に勘案すれば、プロセスの説明は別として、結論的には、次の措置が消去的ベスト案ではないかと思います。
▼ プロセスのポイントは次の通りです。
① 定年は、65歳とする。
② 退職金制度は現行通り「なし」とする。
③ 定年後も引続き雇用を希望する社員は、本人の健康、意欲に応じ、1年単位の有期雇用契約を締結することができる。但し、給与は定年時の○○%とする。
④ 本制度施行時に、既に、定年に達している社員には、次回誕生日の翌日を以って、新たに設ける有期雇用制度を適用する。
▼ 尚、ご思案中の、特別退職金の支給は、任意の措置です。経営者の気持ち次第となりますが、出来れば、10万円程度という金額、新制度の下で、今暫く、気持ちよく働いて貰いたいとの願望も込めて、払って差上げては如何がでしょうか・・。制度が無くても、恐らく、非課税適用になると思います。
投稿日:2018/06/11 11:13 ID:QA-0077123
相談者より
早速のご回答ありがとうございました。
有期雇用契約についてですが、それは契約社員としてもよろしいのでしょうか?(現在は正社員です。)例えば3ヵ月として、雇用期間の延長なしとしても、問題ありませんでしょうか?
投稿日:2018/06/11 11:39 ID:QA-0077124大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
・・現状でのベスト案は・・P2
▼ 満65歳までは、基本的に雇用機会を保証しなければなりませんが、その際も含め、有期雇用契約(自働的に契約社員となる)で構いません。
投稿日:2018/06/11 12:31 ID:QA-0077126
相談者より
早速のご回答感謝いたします。
重ねてのご質問で申し訳ございませんが
契約社員は大丈夫ということは理解いたしました。
その場合に契約期間の定めありで
契約しても大丈夫でしょうか?
投稿日:2018/06/11 13:16 ID:QA-0077128大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
定年なしから定年を設けるわけですから、いずれにしても不利益変更となります。その場合には、合理的な理由が必要となりますが、経営状況をよく従業員に説明し、できれば個別合意を取るよう努めてください。
定年は世間一般は60歳が多く、65歳までは再雇用などの雇用確保措置を取っています。
御社での定年を65か68にするかは、業務内容、他の社員の年齢、経営状況を総合的に考えて判断する必要があります。
特別退職金も払うにこしたことはありませんが、67歳の方だけに支払うのか、今後も払うのかにより、就業規則の記載も異なります。
投稿日:2018/06/11 14:18 ID:QA-0077134
相談者より
ご回答ありがとうございました。
参考になりました。
投稿日:2018/06/12 09:46 ID:QA-0077151大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、厳しい経営状態であれば、無理に就業規則を定められる必要性はございませんし、仮に定められるとしましても、その内容は極力法律の最低基準(但し、現行の労働条件を下回る事は出来ません)とされるべきといえます。
定年につきましても、一旦定めてしまいますと無期雇用契約の方につきましてはその年齢まで原則雇用を保証しなければなりませんので、安易に高い年齢の定年を定めることは避けるべきといえます。
但し、現行定年無の無期雇用である内容に定年を設けることは一種の不利益変更になりますので、低い年齢の定年を設けようとすれば、労働者の個別同意を得る事が求められます。従いまして、まずは労働者側と会社事情を説明されよくご相談の上、双方が納得出来る定年年齢を定める事が重要といえます。
一方、退職金については定年を設けられても設定する義務はございませんし、金額も多額になる(少額であれば退職金としての意味を成しえませんし、かえって不満の原因となってしまいます)ことから、この度の設定は見送られる事をお勧めいたします。
投稿日:2018/06/12 09:46 ID:QA-0077150
相談者より
ご回答ありがとうございました。
参考にさせていただきます。
投稿日:2018/06/12 19:53 ID:QA-0077167大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
経営が厳しい環境ということで、制度の問題ではなく個別対応もあり得ます。まずは定年を1年後にして当人への説明と理解を得られるよう説得を行います。
その上で、制度化はせず、謝礼(社長からの心付け)の意味で10万円を渡すという流れです。当然「退職金制度は無し」となります。本人にも他社員への口外は止める必要があります。
本来の人事制度上、付け焼刃な対応は望ましくありません。しかし今は危機的状況ということであれば、そのようなことに大きく力を注ぐことも難しいでしょうから、個別対応で進むことも選択肢と感じた次第です。
投稿日:2018/06/12 11:25 ID:QA-0077159
相談者より
ご回答に感謝いたします。
参考にさせていただきます。
投稿日:2018/06/12 19:55 ID:QA-0077168大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
定年について 労基法には定年に触れてないと思い... [2007/02/13]
-
定年後継続雇用の件 弊社では、就業規則で定年60歳と... [2009/08/06]
-
契約社員の定年について 標記の件、質問させてください。当... [2009/01/07]
-
定年退職について 社員が定年で退職した場合は、一般... [2008/06/12]
-
定年の定めの廃止について 今回、定年の定めを廃止しようと考... [2024/07/06]
-
高齢者の定年引上げについて 来年4/1より、段階的に定年を引... [2005/10/19]
-
就業規則と服務規程 お尋ねします。就業規則と服務規程... [2018/06/22]
-
定年延長と退職金 出向先の話で恐縮です。定年を60... [2016/04/05]
-
定年再雇用制度の就業規則への記載 正社員が定年後、嘱託社員として再... [2006/02/16]
-
定年退職時の退職金 定年退職時の退職金支給について... [2008/02/14]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
就業規則届
労働基準監督署に届出するための就業規則届です。是非ご利用ください。
定年再雇用辞令
定年となった従業員に再雇用を通知する辞令のテンプレートです。
フレックスタイム制就業規則
フレックスタイム制における就業規則の例です。コアタイムあり・なしの二例をそろえています。
再雇用制度の就業規則
就業規則に定年後の再雇用制度の規定を追加するための例です。自社に合わせて編集しご利用ください。