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出向元が発注する請負業務に従事させるための出向は可能か

当社の請負取引先A社が、A社から発注を受けて年間を通して請負作業を行っている当社作業チームのメンバーの一員として、A社社員を出向させたいという依頼がありました。

詳しい説明はないのですが、A社の思惑としては
余剰人員及び人件費の削減・当社の請負作業の技術的ノウハウの習得(いずれ内製化する際の)
を狙っているものと思われますが、

当社としては、A社で正社員としてバリバリ働いていた人を現場のチームで働かせるには、給与額が釣り合わないのと、技術の流出が心配で、単に負担でしかありません。
(100歩譲って、現在のチームメンバーと同額の給与だけを負担すればよいというならまだしも)

このような出向は大丈夫なのでしょうか。

投稿日:2014/08/28 12:03 ID:QA-0060008

みゅらーさん
千葉県/その他業種(企業規模 101~300人)

この相談に関連するQ&A

プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答4

プロフェッショナルからの回答

小高 東
小高 東
東 社会保険労務士事務所 代表(特定社会保険労務士) 

出向について

出向を業として行い利益をだすわけではないので、出向自体は可能です。
ただし、請負元から一方的に人をおしつけられ、メリットを感じられないようであれば、
出向をお断りすればよろしいと思います。

出向条件については、出向元・先の出向契約によりますので、
双方の話し合いにより、給与負担割合等決定します。

投稿日:2014/08/29 09:15 ID:QA-0060020

相談者より

話を持ちかけられた段階で、まだ詳しい内容は明らかになっていないのですが、次の商談の際に内容によっては断る方向で社長にも進言いたしました。
回答ありがとうございました。

投稿日:2014/09/01 09:56 ID:QA-0060065大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

出向依頼の動機、目的に、きな臭さが・・・・。

「 請負業務をこなす為に、 発注元の社員を受入出向し、 当該業務に従事させる 」 という構図と理解しますが、 その意図は理解できません。 一見、 手続き上、 法的には問題がないようでも、 出向の目的が、 「 業務上の必要性 」 に明確に基づいていることが必要です。 業務上の必要性に就いては、 就業規則に記載する形で、 明らかにしておくべきです。 出向目的は、 次のように分類例示することができるでしょう。
▼自社が加入している業界団体や研究機関に出向する場合など
▼自社にない技術などを習得するため、他社や親会社に出向する場合など
▼上記とは反対に、自社が持っている技術などを伝えるため、子会社などに出向する場合など。
▼グループ会社内の人材交流のため
▼余剰人員の削減のため
▼人員の一時的な融通のため
兎に角、 この出向依頼の動機、 目的には、 きな臭さが付いて回ります。 更に、 事実関係を精査しないと如何とも申し上げられませんが、 上記の目的例示から逸脱していることは明らかなので、 お断りになるスタンスで対応されるのが、 正しい選択だと思います。

投稿日:2014/08/29 10:21 ID:QA-0060023

相談者より

話を持ちかけられた段階で、まだ詳しい内容は明らかになっていないのですが、次の商談の際に内容によっては断る方向で社長にも進言いたしました。
回答ありがとうございました。

投稿日:2014/09/01 09:57 ID:QA-0060066大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

藤田 敏克
藤田 敏克
社会保険労務士法人SRグループ 代表

A社との関係や事業の市場競争力にもよるが、受け入れざるを得ない場合は、流出防止策を

まず、出向を受け入れるにあたって、負担する給与を御社の同等の職位・職務の従業員と同水準に留めるということについては、両社の給与に格差があること、出向元となる取引先から持ちかけられた案件等の事情もあり、両社が協議し、合意した結果とあれば、税務上問題とされる可能性は低いと考えられます。また、別の目的を持っているかも知れない取引先にとっても、出向先が負担する人件費の多寡は大きな支障にはならないと言えます。

ここでは今回取引先から持ちかけられた出向の背景に御社の懸念通りの事情があると仮定して、御社としてはできれば出向を受け入れたくない、受け入れざるを得ない場合は作業ノウハウの流出を防ぐという視点で段階的に次のような方策を考えてはいかがでしょうか。

①出向で受け入れる人の資格やスキル、経験年数に条件を付ける
→特定の作業に携わるのですから、条件が伴うことは不自然ではありません。条件を設けることで受け入れの話が実現しなければ望ましいのですが、一方で指定した条件を揃えた方がいた場合、その方のスキル等をベースにノウハウを吸収されてしまうリスクは却って高まります。
②作業を分けて、部分的に従事させる、流出リスクの低い作業につける
→そもそも作業工程の分断が可能か、出向期間との兼ね合いで重要度の低い作業のみに従事させ続けられるかということが課題になります
③秘密保持の誓約書を提出してもらう
→本人からは秘密保持の誓約書を提出してもらい、出向に関する会社間の覚書でもA社は出向者に秘密保持を守らせる義務を負わせる等制約を設け、書面に残すことは必要です。
④不正競争防止法による保護を検討する
→同法が定める不正競争の一つに「営業秘密を保有する事業者からその営業秘密を示された場合において、不正の利益を得る目的で、又はその保有者に損害を加える目的で、その営業秘密を使用し、又は開示する行為」というものがあります
(不正競争防止法第2条第1項の7)
ただし、営業秘密に該当するのは、「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」(第2条第6項)で、会社が「営業秘密」を自由に決められるものではありません。
しかしながら、同法の定めでは、差止めや損害賠償を請求できる他、条件が揃えば刑事罰も課されるので、抑止力が期待できます。

なお、対応のアプローチは、取引先としてのA社の重要性、対象になっている作業ノウハウの市場における優位性や競争力で変わってきます。
すなわち、受入れに伴う流出のリスクも高く、市場競争力があるのでA社以外の他の顧客層が厚ければ、A社と疎遠になる損失と比較して今回の依頼を受けないことに重きをおくという選択がある一方、取引先としてのA社との関係が非常に重要で、競合他社に流れる可能性が認められる場合は、上述のような対策を講じて出向を受け入れるということも検討せざるを得ません。
なお、御社の事業にとって重要なノウハウであれば、特に③は今回の件に限らず、現在の従業員にも適用することも併せてご検討下さい。

投稿日:2014/08/29 13:41 ID:QA-0060027

相談者より

どうしても取引先との関係上、断れない場合の参考にさせて頂きます。
ありがとうございました。

投稿日:2014/09/01 09:58 ID:QA-0060067大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

お答えいたします

ご利用頂き有難うございます。

ご相談の件ですが、一般的な出向の目的としましては、グループ会社間等における雇用確保や人事交流といったものが挙げられます。

文面を拝見する限りですと、A社の目的は上記とは大きく異なっており、少なくとも合理性のある出向とは考え難いものといえます。労働契約法第14条でも、「出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。 」と定められていますので、場合によってはこうした法令に違反すると判断される可能性もございます。

まして、給与の負担増や技術流出が懸念されるという事であれば出向契約を結ばれる事に何ら意義はございませんので、当然にお断りされるべきというのが私共の見解になります。

投稿日:2014/08/29 22:16 ID:QA-0060047

相談者より

社長にも、今回相談させて頂いた内容を伝え、断る方向で話を進めて頂くようお願いするつもりです。
ありがとうございました。

投稿日:2014/09/01 10:00 ID:QA-0060068大変参考になった

回答が参考になった 0

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