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裁量労働制を適用している部署の出勤時間その他について

メーカー開発です。
現在の職場はもともと裁量労働制(みなし7.5時間)でしたが、
勤務実態として平均して皆それ以上は勤務しているということで、
この4月からみなし9時間に変更になりました。
(実態としては、平均11時間くらいは働く職場です)


その際、一般社員は、
1.5時間分の残業手当をつけたうえで現状と同等の年収とするため、
基本給を全員下げられ、ちょうど1.5時間分の残業がついた分=今の給与となるように
調整されました。


また、出社時間は厳密な規定ではなく「だいたい11時くらい」だったのですが、
11時から昼休みをはさんで9時間ですと22時をすぐ超えてしまい、
深夜割増が発生してしまうということで、出社時間を10時半と早められたうえで、
「遅刻早退1回につき、休日出勤の手当てを1日分支給しない」と決められました。


ほぼ同様に働く一部の上長に対し「管理監督者」と銘打たれ、
②が発生しない代わりに休日出勤などは一切つかないと決められました。
給与は現状維持のまま「役職手当」をつけるため、基本給が下げられました。


①~③は裁量労働制の運用として、法的に正しいのでしょうか?
現場の空気としては、所要で5分遅刻しても休日出勤がつかないなんて、
ペナルティも同様で、勤務時間を指示できないはずの裁量労働制に
反するのではないかとの声が大きく上がっています。

一応、②については「上長の指示があればその限りでない」と但し書きはありますが、
全てを上長の指示であるとすることで、問題が起こる可能性は?
開発の上長の指示に対し、人事部が法的な根拠を以って何らかの指導を行う事は出来ますでしょうか?

投稿日:2014/05/01 14:51 ID:QA-0058726

kkkさん
東京都/ゲーム・アミューズメント・スポーツ施設(企業規模 101~300人)

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プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答3

プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

お答えいたします

ご利用頂き有難うございます。

ご相談の件ですが、結論から申し上げますと全て法令違反になるものといえます。

具体的には、

①:労働契約法でも示されています通り、労働条件の不利益変更に該当しますので、原則労働者の個別同意を得なければ変更は認められません。

②:始業時刻の目安等を定める事は問題ないですが、時間に遅れる事で遅刻扱いするというのでは裁量労働制とはいえません。上長の指示があればよい等という条件も全く不要で、無条件で大幅な自己裁量が認められなければなりません。また、理由が何であれ、休日出勤手当(割増賃金)を支給しないというのは明らかな労働基準法違反です。

③:時間外や休日手当支給のない労働基準法上の管理監督者としての扱いをする場合は、経営者と一体となって業務を遂行する等、実態が伴っていなければなりません。就労実態が変わらないにもかかわらず突然管理監督者とする等というのは当然ながら認められません。

従いまして、人事担当としましては、いずれも明白な法律違反である事を告げた上で、このような変更案を直ちに却下されることがコンプライアンス上必要です。

投稿日:2014/05/01 19:40 ID:QA-0058730

相談者より

ルール制定側の言い分としては、遅く出社して遅く帰宅すると不当に深夜残業が発生する、また、平日のんびり勤務し、休日出勤すると不当に割増賃金が発生するとのことから、平日のデイタイムでの勤務時間を延ばして時間外勤務を認めないということらしいのですが、それとこれとは別の問題であるという認識でよろしいでしょうか。

投稿日:2014/05/01 20:16 ID:QA-0058732大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

再度お答えいたします

ご返事下さいまして誠に感謝しております。

「ルール制定側の言い分としては、遅く出社して遅く帰宅すると不当に深夜残業が発生する、また、平日のんびり勤務し、休日出勤すると不当に割増賃金が発生するとのことから、平日のデイタイムでの勤務時間を延ばして時間外勤務を認めないということらしいのですが、それとこれとは別の問題であるという認識でよろしいでしょうか。」
― ご認識の通りです。そもそも休日労働と深夜労働に関しましては裁量労働制の適用がなされません。言い換えれば、休日や深夜に勤務する自己裁量までは労働者にはございません。従いまして、休日や深夜割増発生を避けるのであれば、休日労働や深夜労働について許可無で認めなければよいものといえます。逆に、許可であれ黙認であれ、一旦休日労働や深夜労働を認めてしまいますと割増賃金支払義務を免れることは出来ませんので、その辺の対応を明確にされる事が管理する側としましては重要です。

投稿日:2014/05/01 20:38 ID:QA-0058733

相談者より

ありがとうございます。なるほど。一応文書には「休日および深夜労働については上長の許可を得ること」と記載されております。
平日の勤務状態がどうあれ、ある期日までに一定の業務量を確保しなければいけない関係上、「時間外労働の許可を出さないわけにはいかない」場合がございますが、その場合に別日程の「遅刻」をもって手当を削られることが違法なのは理解しました。

ルール制定側からすると、平日長く働き、休日は働くなというのは理解できます。世の中の裁量労働制採用企業様では、こういった裁量労働制と休日・深夜割増のいわゆる法的な矛盾・瑕疵についてどのような運用をされているものなのでしょうか…。

投稿日:2014/05/01 20:49 ID:QA-0058734大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

再度お答えいたします

ご返事頂きまして有難うございます。

「ルール制定側からすると、平日長く働き、休日は働くなというのは理解できます。世の中の裁量労働制採用企業様では、こういった裁量労働制と休日・深夜割増のいわゆる法的な矛盾・瑕疵についてどのような運用をされているものなのでしょうか…。」
― 裁量労働制であるか否かを問わず、労働者の健康面から休日や深夜勤務を避けるべきというのは当然の考え方といえます。さらにいえば、裁量労働制でも、平日に長く働く必要性は本来無いものといえます。もし現実に勤務時間が多くなっているとすれば、それは法的な矛盾等ではなく業務量または業務運営・分担上の問題といえるでしょう。考え方は会社によって様々ですし、個々の会社の業務事情によっても運用は大きく左右されます。従いまして、他社の事例に関わらず、、まずは御社自身の業務事情を精査された上で労働時間に対する運用ポリシーを明確にし最適な制度内容をしっかりと検討されることが重要といえるでしょう。

投稿日:2014/05/01 21:09 ID:QA-0058735

相談者より

全くその通りですね。1日の業務量の改善からはじめなければいけない大前提を忘れていましたが、裁量労働制が適用される職種ということで、なかなか難しい側面もございます。
大変丁寧にご回答ありがとうございました。ひとまず、「遅刻早退からの休日労働分のカット」のみは具体的ですので明瞭にしていきたいと存じます。

投稿日:2014/05/01 21:21 ID:QA-0058736大変参考になった

回答が参考になった 0

回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。



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