天災・悪天候下での勤怠に関する判断基準
お世話になります。
従業員からタイムリーな問い合わせが来たので
あくまで参考として先生方のご見解をお聞かせ頂ければ助かります。
【昨日の台風直撃が祝日でなく平日だった場合の判断基準】です。
電車が全線全面運行停止となれば、人事部長から社長に連絡をし決裁を取るまでも
ないかも知れませんが、昨日のような場合、例えば、午前中待機を許可するのであれば、
社長から決裁を取り付け、人事部から会社通達として緊急連絡網を利用し、一斉連絡
を出すのが理想的な処理と理解しています。
昨日は、混乱はあれど頑張れば、特に都内在住の社員は、出社できる場合でした。
いつもなら直行・直帰を許されている営業も、あの状態では客先訪問を
しているわけがありません。
であれば、、、
前述のように会社通達が出ていない限り、自己判断で自宅待機とした者、
混乱を予想して早めに家を出ず遅れて来た者は、遅刻扱いとしたいのですが、
厳しすぎるでしょうか。(当方自身はノーワーク・ノーペイが原則であるべきで
全く厳しいと思ってはいないのですが、当方の上長の人事部長はそこまで
しなくてもとの見解のようでした。ならば・・と、どこまでとするのかと質問した
のですが、明確な答えは貰えませんでした。就業規則にも該当箇所はありませんでした。)
杓子定規には出来ないことは分かっているのですが、いつも遅刻しない数少ない従業員
(総務担当)から「昨日の台風の場合、どこまで真面目に規則遵守をしたら良いのか
教えて欲しい」との問い合わせがありました。
彼の真のメッセージは、この不公平さの改善要求と当方は感じています。
これを機に、各々が各々の職種を盾に勝手な理由づけ(実例:営業職は時間的な
ことは多少の采配が許されている、人事部長は週2日は自宅勤務が許されている)をし、
拡大解釈に基づく悪しき環境を制限?改善?を末端の当方からでも遅々としかけて
いければと思っています。
その為に、まずは中立で、冷静で、プロジェッショナリズムに則った先生方からの
ご助言をまず最初に頂戴出来ればと思った次第です。
宜しくお願い申し上げます。
投稿日:2013/09/17 11:42 ID:QA-0056136
- 非公開さん
- 東京都/情報処理・ソフトウェア(企業規模 31~50人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
・まず、労働契約において、労働者が自己判断で自宅待機等決めるものでは、ありません。
少なくとも、会社に確認すべきです。自己判断で欠勤、遅刻したものは、欠勤、遅刻扱いとしておかしくありません。
・会社としても、今後については、事前アナウンス、自宅待機と判断する場合の連絡方法等は検討しておくべきでしょう。
・今回のケースで、会社が自宅待機を命じた場合には、自然災害ではありますが、通勤や労務不可能といった事態まではいってませんので、東日本大震災での厚生労働省の通達に準じれば、会社に休業手当の支払い義務が生じます。
・参考までに、小学生のミニバスの公式選ですら、中止とはなりませんでした。
(関東地方ですが)
投稿日:2013/09/17 12:21 ID:QA-0056137
相談者より
小高先生、早々のご回答、有難うございます。
特に小学生のミニバスの実例は痛いほど(!)
参考になりました。
会社の義務やら従業員の権利と称して
こうした度の超えた振る舞いが蔓延している
社内状況が炙り出された台風の一日でした。
投稿日:2013/09/17 15:35 ID:QA-0056145大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御相談の件ですが、台風のような自然災害による遅延と仕事上の勝手な理由付けによる遅延は全く別の事柄といえます。後者の問題は今回のテーマとは切り離して考えるべきです。
その上で、自然災害の影響による勤務の可否につきましては、従業員の自己判断ではなくやはり会社が最新情報に基き判断して決めるべきものといえます。
文面の場合ですと、台風によって特に安全面で問題がある言うわけではなかったものと考えられますので、基本的には原則通り自己の判断による欠勤や遅れた時間は賃金控除されても差し支えないといえるでしょう。少なくとも会社に連絡して指示を受けるぐらいは出来たはずです。
但し、就業規則に規定がなければ今後も同様な事態が発生する可能性がございます。勿論、災害状況によっては臨機応変な行動も必要な場合が生じるとはいえますが、休業等の場合に会社が判断して連絡する旨の定めは置いておかれるべきというのが私共の見解になります。
投稿日:2013/09/17 13:09 ID:QA-0056139
相談者より
服部先生、早速のご指南、大変参考になりました。
「休業等の場合に会社が判断して連絡する旨の
定め」が少しでも固まるよう動いてみます。
文中の【会社】=社長(日本代表)・人事部長辺りの
マネージャー群を指しているものと理解しました。
投稿日:2013/09/17 16:23 ID:QA-0056146大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
法的には、事由の如何に関わらず、ノーワーク・ノーペイが原則
先ず、 雇用契約は、 一般法である民法に定められた契約の一つです。 民法では、 債務弁済の場所を、 別段の意思表示がない限り、 「 債権者の現在の住所 」 と定めています。 また、 債務弁済の費用を、 債務者の負担としています。 雇用契約では、 労働者には 「 労務提供の債務 」 があり、 通勤費を自己負担し、 使用者が指定する勤務地で弁済を行うのが原則です。 労基法には、 民法に対する特別法として優先効力 ( 例えば、 有給休暇の消滅時効を民法の1年から2年に拡大 ) がありますが、 労働者に帰すことのできない事由 ( 天災など ) による債務免除や、 通勤費支給義務を課している訳ではありません。 依って、 不可抗力の定義、 適用範囲、 ノーワーク・ノーペイの緩和措置は、 法の問題ではなく、 企業の就業規則のレベルで決められるべき事項ということになります。 当然、 業毎の対応は違ってくると思いますが、 ポイントは、 勝手解釈のできる余地を残さないこと、 決めたら、 必ず遵守させる ( 労使とも ) ことが重要になります。 因みに、 通勤手当に対する非課税限度措置は、 税法の問題で、 勤務地での労務提供義務とは、 直接の関係のないものです。
投稿日:2013/09/17 14:30 ID:QA-0056144
相談者より
川勝先生、大変有意義なご助言、痛み入ります。
◆企業の就業規則のレベルで決められるべき事項
◆勝手解釈のできる余地を残さないこと
◆決めたら、労使とも必ず遵守
上記はまさに当方が目指しているゴールです。
ぬるま湯のような社長と人事部長なので
これを提案すると正直どうなるか分かりませんが、
自分自身の考えが間違っていないことが
分かっただけで、もう十分に勇気を貰えました。
本当に有難うございました。
投稿日:2013/09/17 16:28 ID:QA-0056147大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
人事のアンコンシャスバイアスチェックシート
人事のアンコンシャスバイアスチェックシートです。