派遣社員の直接雇用について
自由化業務にて、派遣社員を利用しています。
①1年間(最大3年)受け入れて
②派遣社員が直接雇用を希望する場合
直接雇用するべきだと認識しています。
お伺いしたいのは、派遣社員から、直接雇用の希望がでない場合です。
希望がでない場合には、そのまま派遣社員として継続勤務してもらうことはできますか。
それとも、以後は勤務してもらえず、辞めてもらうしかないのでしょうか。
よろしくお願いします。
投稿日:2006/06/27 13:47 ID:QA-0005181
- *****さん
- 神奈川県/化粧品(企業規模 1~5人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 瀬崎 芳久
- 瀬崎社会保険労務士事務所 所長
派遣社員の直接雇用について
派遣先事業所の派遣社員への雇用義務についてのご質問ですが、少々認識が間違っておられるようです。
雇用義務を簡単に言いますと「1年以上継続して同じ業務に携わっている派遣社員がおり、その派遣社員と同じ業務を自社でおこなうため、従業員を雇入れる予定がある場合、まずその派遣社員に確認し、雇入れを希望するようであれば、雇入れを申込みなさい。」ということになります。
よって、自社で従業員を雇入れる予定がない場合は、派遣社員の雇用義務はありません。
また、自由化業務の派遣可能最長期間3年間を超えて、その派遣社員に働いてもらいたい場合は、自社の従業員として雇入れるしかありません。
本人がそれを望まない場合は、3年の期限が来た時点で契約期間が満了となり、それ以上働いてもらうことはできません。
派遣可能期間を超えて引き続き派遣社員を働かせることは当然に労働者派遣法違反となり、処罰の対象となります。
投稿日:2006/06/27 15:20 ID:QA-0005186
相談者より
お忙しいなかご回答いただき、ありがとうございました。
結局、自由化業務においては、派遣社員の方が直接雇用を希望しないかぎり、通算3年以上勤務していただくことはできないのですね。
ところで、派遣可能期間(3年)経過後、社員に登用し、その方が退職なさった後に再び他の派遣社員に勤務してもらう場合があると思うのですが、
どのくらいのインターバルがあれば、再び派遣社員に勤務してもらうことができるのでしょうか。
たとえば、社員登用した方が1,2月程の短期間で退職した場合でも、後任として派遣社員に勤務してもらうことができるのでしょうか。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご回答いただければと思います。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2006/06/27 17:03 ID:QA-0032165大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
派遣社員の直接雇用について
■派遣社員が紹介予定派遣に同意しない限り直接雇用は不可能です。また、同一業務に関する労働者派遣を3年以上継続することは原則として認められません。しかし、派遣法ではクーリング期間という規定を設けています。同一就業場所の同一業務であても、派遣労働者の受け入れを一時的に中止した後、中止期間が3ヶ月を超過した場合には、派遣の継続性を断絶するとしているのです。そこで「3年派遣受入 ⇒ 3ヶ月中止 ⇒ 更に3年派遣受入 ⇒ 3ヶ月中止 ⇒ また更に3年派遣受入が可能」という扱いが認められることとなります。
■しかし、派遣労働者を何年にもわたって受け入れるのであれば正社員を雇用するべきという派遣法の基本思想から見ると、この行為は問題なしとは考えにくいところです。このこのクーリング期間を脱法的に用いた場合に有効な労働者派遣を実施できるのかについては問題が残ります。そのことは別にしても、再び労働者派遣を受け入れる段階で、派遣先が前に派遣された派遣労働者を指名し特定する行為は法違反となります。
■このように、条件的には厳しい状況ですが、まず、紹介予定派遣への切り替えが可能かどうかを派遣元と協議されてはいかがでしょうか。尤も、同じ派遣社員であることを特定的に指名することは違法ですが、これまでの貴重な経験、ノウハウの活用は、派遣社員、派遣元、派遣先などの当事者全員にとって望ましく自然発生的に合意ができるのは勿論違法ではありません。もし、当該派遣社員の正社員化または継続派遣を希望されているのであれば、このやり方を試みて下さい。
投稿日:2006/06/28 10:13 ID:QA-0005193
相談者より
投稿日:2006/06/28 10:13 ID:QA-0032166大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 瀬崎 芳久
- 瀬崎社会保険労務士事務所 所長
派遣社員の直接雇用について
労働者派遣法にはクーリングオフ期間(3ヶ月)があります。
派遣可能期間経過後、引き続き派遣労働者を受け入れることはできませんが、さらに3ヶ月経過した後には派遣労働者の受け入れが可能になります。
ご質問の件ですが、仮に社員登用後2ヶ月で退職された場合、あと1ヶ月経過した後ならば派遣労働者の受け入れが可能になるということです。
投稿日:2006/06/28 10:35 ID:QA-0005194
相談者より
投稿日:2006/06/28 10:35 ID:QA-0032167大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
派遣社員の直接雇用について
少しこみいっていますが、この際に「クーリング期間」なる<俗語>の正体を見ておきましょう。
■クーリング期間という明確な制度がある訳ではありません。その根拠となる法律上の規定はありません。法律上の要件なども明確ではありません。労働者派遣法には、「クーリング期間」という用語はもちろん、それに当たる文言はどこを探してもありません。あくまでも「1年ルール」が使いにくいという派遣先からの圧力に対して、労働省が「譲歩」して、そうした「クーリング期間」を設ければ違反だと取締りをしないという「裏約束」とも言えるものを指針として決めたに過ぎません。
■労働省の「派遣先が講ずべき措置に関する指針」の以下の項目が「クーリング期間」の根拠と言えるものに過ぎません。「労働者派遣の役務の提供を受ける期間の制限の適切な運用」として、「労働者派遣の役務の提供を受けていた派遣先が、新たに労働者派遣の役務の提供を受ける場合には、当該新たな労働者派遣の開始と当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣の終了との間の期間が三月を超えない場合には、当該派遣先は、当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣から継続して労働者派遣の役務の提供を受けているものとみなすこと」
■要するに、「3カ月を超えない期間」しかあいていなければ、同じ派遣労働者を受入れることはできませんよ、ということを示しているだけです。その裏解釈が、3ヶ月を超過した場合には、派遣の継続性を断絶するものと見做して、受入れることは「違法とは言えない」という構成になっているわけです。この指針は、派遣期間が1年であった1999年のものですが、現行の「3年ルール」には適用を禁止するという明記はないので、適用しても違法ではないという解釈が成り立っています。
■上記の指針内容から明らかなように、この「3カ月」というのは、同一就業場所の同一業務について、派遣終了から次の派遣までの期間であって、社員登用が行われ、正社員による当該業務が開始された時点で、この問題はリセットされることになります。その正社員がすぐに退社されるという状況は想定しにくいのですが、考え方としてはリセットされた時点で、インタバル拘束はなく、新規の派遣依頼が可能だと思います。
投稿日:2006/06/28 14:23 ID:QA-0005199
相談者より
丁寧にご回答いただき、ありがとうございます。
不勉強のため、「クーリング期間」については全く知りませんでしたので、大変参考になりました。
教えていただいた知識をもとに、再度、社員の雇用について、紹介予定派遣等も含めて検討したいと思います。
お忙しい中ご教授いただき、どうもありがとうございました。
投稿日:2006/06/28 15:40 ID:QA-0032170大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
派遣者正規雇用について 派遣者正規雇用に必要な派遣元と派... [2017/05/17]
-
常用型派遣について いつも利用させていただいておりま... [2013/12/26]
-
定年再雇用の勤務時間について [2015/02/02]
-
派遣会社との業務委託 派遣会社が業務委託した人(個人事... [2024/11/13]
-
特定派遣について 特定派遣について判らない点があり... [2008/06/03]
-
派遣社員を雇用後に派遣先で働くことについて 派遣社員と同じ現場で派遣先に業務... [2014/11/18]
-
出向社員と二重派遣 派遣法で二重派遣を禁止しています... [2008/12/15]
-
間接雇用の雇用形態について 間接雇用と呼ばれる雇用形態には、... [2016/01/27]
-
自社社員の派遣について 現時点で派遣法の改定が滞っていま... [2015/06/12]
-
有期雇用の労働者を派遣に出す場合 非常に初歩的な質問で恐縮なのです... [2017/03/06]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
労働者派遣個別契約書
労働者派遣の契約を締結するときに、個別に事項を定めるための契約書です。
シフト制における注意文
シフト制で雇用する従業員がいる事業所に対して、シフト制の運用に関する注意点を周知するための文例です。
勤務間インターバルの社内周知文
勤務間インターバルを導入する際に、社内に対象者や運用ルールを周知するための文例です。
勤務シフト表
シフトの時間調整をするための表です。