出向者の時間外手当の給与計算について
出向元「甲」から出向先「乙」への出向に関して、給与規定に関して甲の規定に従うと規定しています。
36協定に関しては、乙で結ぶものだと考えているのですが、この場合に実際の残業代の計算にについては、甲の給与規定に基づいて計算を行っても問題はないでしょうか?
投稿日:2010/11/26 10:51 ID:QA-0023999
- *****さん
- 大阪府/医薬品(企業規模 1001~3000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
時間外手当
出向はテンポラルなものと認識されており、固定的な移籍を転籍と認識します。これは英語圏ではそうです。
さて、出向は通常1年単位程度なのでしょうが、時間の管理は乙でやらざるを得ないですが、報酬体系は甲の体系で処遇されているのですから、その時間外手当も、甲の基準で支払うべきだと考えます。
ポイントになるのは、甲が当該従業員の時間外勤務状況を適切に把握できないこと、また許可制が基本の時間外勤務を認識しにくい点です。この点は運用上の問題でしょう。
投稿日:2010/11/26 11:16 ID:QA-0024000
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
出向者につきましては、ご認識の通り原則としまして出向先(乙)での36協定適用となります。
その際の賃金計算ですが、36協定上に法定基準を上回る独自の割増賃金率が明記されているような場合ですと、そうした割増率に従って計算する事が求められます。
そうでない場合には、出向元(甲)の基準に従って計算することで差し支えございません。
投稿日:2010/11/26 11:45 ID:QA-0024001
相談者より
投稿日:2010/11/26 11:45 ID:QA-0041720参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
出向元規定に基づいて計算した金額の支給が必要
.
■ 「 出向 」 とは出向元と出向先の両方で二重の労働関係が成立するものであるとされています。労働者にとっては、「 出向元との間の労働契約 」 と 「 出向先との間の労働契約 」 の二重の労働契約が成立することになります。もちろん、三者関係ですから、出向元と出向先の間に何らかの出向協定 ( 出向契約 ) が結ばれることが前提になります。この出向協定、出向元・出向先との労働契約に基づいて、出向労働者の労働条件や業務内容などの大枠が決まることになります。「 出向先 」 が労働者を指揮命令して労働させる使用者であると同時に、労働契約上の当事者として雇用関係が存在することになります。
■ つまり、出向では従来の直接雇用と同様に、「 雇用関係 」 と 「 使用関係 」 は分離されていません。出向とは出向元における従業員としての地位を保ちつつ、出向先との間において新たな労働契約関係を成立させ、出向先の従業員として勤務するという 「 二重の労働契約関係 」 に立つものであり、このため出向先は単なる指揮命令権のみでなく人事権も有することになります。ただし、出向先の出向労働者に対する人事権は、就業規則の適用、日常的就業上の労働条件の変更などに限られ、解雇・退職・賃金等の労働契約の根幹に係るような事項の人事権は出向元に留保されているもの考えられます。
■ 少し長くなりましたが、以上の三者関係を理解すれば、正解は、「 甲が乙に支払う残業代は、甲・乙間の出向契約に基づくが、《 甲が出向者に支払う残業代は、甲の給与規定に基づいて計算を行わなければならない 》 」 ということになります。通常は、甲が乙に支払う残業代も、甲の規定に基づく取り決めが多いと思いますが,出向元の負担力によっては、異なる場合もあり得ることになる訳です。
投稿日:2010/11/26 12:02 ID:QA-0024002
相談者より
投稿日:2010/11/26 12:02 ID:QA-0041721参考になった
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