有給休暇の入社時分割付与について
有給休暇の分割付与についてのご質問です。
弊社では、
従来、入社6ヶ月経過で10日、1年6ヶ月経過後11日... であったものを
入社時2日前倒し付与、入社6ヶ月経過時追加8日、1年6ヶ月経過時11日... にしようと検討しています。
このように入社時に前倒し分割分割付与を行った場合、
「年次有給休暇の斉一的取扱いに関する通達(平成6年1月4日基発1号)」によれば
① 入社1年経過時にも2日前倒し付与、1年6ヶ月経過時9日...としなくてならない
あるいは、
② 入社時前倒し付与した2日の有効期限を2年半とし、入社6ヶ月経過時以降付与する有給休暇の有効期限を2年とすればよいのか
ご教示ください。
②について、そもそも有給休暇の有効期限を2年半とすることは可能でしょうか。併せてご教示いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2010/10/21 17:51 ID:QA-0023461
- *****さん
- 兵庫県/販売・小売(企業規模 31~50人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御相談の件ですが、文面の行政通達「年次有給休暇の斉一的取扱いに関する通達(平成6年1月4日基発1号)」上におきまして、「分割付与として、四月一日入社した者に入社時に五日、法定の基準日である六箇月後の十月一日に五日付与し、次年度の基準日は本来翌年十月一日であるが、初年度に十日のうち五日分について六箇月繰り上げたことから同様に六箇月繰り上げ、四月一日に十一日付与する」ものと示されています。
つまり、分割付与として前倒しで一部の年休を与える場合には、次年度以後は全て前倒しされた方の日を基準日とみなさなければならないということです。
御社の場合も分割日数の割合が異なるだけで上記例と同じ分割付与の措置になりますので、①②のような取り扱いでの対応は出来ず、入社日から1年後に11日全てを付与する事が必要になります。
また、会社任意の措置で初年度の5日分の有効期限を2年半とする事自体は労働者にとって有利な取り扱いになりますので差し支えございませんが、その場合でも上記の通り次年度以後の年休付与に関しては全て前倒しで行なわなければなりません。
投稿日:2010/10/21 22:56 ID:QA-0023462
相談者より
早速の詳細なご回答ありがとうございました。
別の先生にご回答いただいた回答No.003と、
回答内容に相違があるように読めたのですが、
同じことなのでしょうか?
ご教示ください。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2010/10/22 13:55 ID:QA-0041476大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
「分割付与」は、後々、厄介。有給の「特別休暇」をお勧め
.
■ 初年度に、「 分割付与 」 すると、次年度以降の年次有給休暇の付与日についても、初年度の付与日を法定の基準日から繰上げた期間と同じ ( 本事例では、6カ月間 ) か、又は、それ以上の期間、法定の基準日より繰上げることが要求されています(引用通達)。
■ 繰上げなければならないのは、分割して先行付与した日数 ( 本事例では、2日 ) だけですが、これに伴う、2元管理を延々と続けることは、管理実務的に極めて不効率です。従って、どうしても入社時に分割付与するならば、次年度以降は、残りの分割付与も6カ月間繰り上げ、付与する方式を採らざるを得ないでしょう。
■ 更に、新卒以外の入社者 ( つまり、入社がバラバラの途中採用 ) にもこの方式を適用することになれば、管理実務はますます増えることも明らかです。こうなると、入社時2日前倒し付与に、それに見合う価値があるかどうか疑問です。立法、行政などは、基本的に、企業の管理効率などに構ってはくれません。
■ 一人の入社者に就いて、たった ( と言うと異論が出るかも知れませんが )、一回限りの2日付与が、「 どうしても不可欠 」 というご判断なら、全社統一の付与方式とは別に、有給の「特別休暇」を、付与目的に応じた取得時期を指定の上、エキストラとして、与える方が、後々、厄介な管理を引きずらず、余程、スッキリするのではないでしょうか。
■ 因みに、有給休暇の行使が2年というのは、民法に対する特別法として、労基法115条により賃金(退職手当を除く)請求権2年間の消滅時効の特則が設けられたもので、その時効期間の延長には、一定の法律行為が必要で、企業が自由に変更できるものではありません。
投稿日:2010/10/22 09:18 ID:QA-0023463
相談者より
早速、詳細なご回答誠にありがとうございました。
弊社の場合、新たに定める規則を新卒採用も中途採用も関係なく適用する方向です。
確認になりますが、
(2段落目)のご指摘によれば、入社時2日、半年経過後8日、1年経過時11日、2年経過時12日としたらよいということでしょうか?
また、(4段落目)のご指導によれば、入社後半年間に病気等の理由で欠勤せざるを得なくなった場合などに使える特別有給休暇を設け、通常の有給休暇は労基法どおりにすればよいということでしょうか?
ご教示ください。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2010/10/22 14:10 ID:QA-0041477大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
初年度年次有給休暇分割について
1.この通達では、初年度に有給を繰り上げて分割した場合に、次年度に基準日を繰り上げえることもできるということを言っています。
例えば、4月1日が入社日の場合、次年度は10月1日ではなく
4月1日を基準日とすることもできるということです。
▼逆にいえば、初年度のみ、例外的に入社日に2日付与したが、次年度以降は労基法どおりに付与できるということです。
▲なぜこのような言い回しになるかというと、前倒しに有休を与える場合、入社後半年間8割以上出勤したものとみなしてもいいという例外的扱いだからです。
以上
投稿日:2010/10/22 12:50 ID:QA-0023474
相談者より
ご回答、ありがとうございました。
ご確認になりますが、
初年度は、入社日に2日の有給休暇(有効期間2年)、
6ヶ月後に8日、
2年度以降は、労基法どおり
で問題ないということでしょうか。
他のご回答と違うように思うのですが、
詳細をご教示いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2010/10/25 14:52 ID:QA-0041482参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
こちらこそご返事頂き有難うございます。
私共の回答の件ですが、上記行政通達内容には先の文面内容の前に以下の説明がなされています。
「次年度以降の年次有給休暇の付与日についても、初年度の付与日を法定の基準日から繰り上げた期間と同じ又はそれ以上の期間、法定の基準日より繰り上げること。」
つまり、少なくとも「初年度の付与日を法定の基準日から繰り上げた期間と同じ期間」は繰り上げなければいけないものと解釈されます。次年度以後も分割措置を行うのであれば、基準日の繰上げをしない年休部分(8日分)が生じることで、こうした通達内容に反する事になってしまいます。
従いまして、次年度以後の取り扱いは繰上げ措置に伴い入社日を新たな基準日として取り扱い、入社1年後の日に11日を付与しなければならないというのが私共の見解になります。
尚、通達で明記されていない部分における解釈には様々な見解があるものといえます。他社様の回答内容・根拠等につきましては私共では判断しかねますので、直接他社様宛にお問い合わせ頂ければ幸いです。
投稿日:2010/10/22 14:48 ID:QA-0023479
相談者より
詳細なご説明ありがとうございました。
通達、労基法に抵触しない形で検討します。
投稿日:2010/10/27 13:23 ID:QA-0041483大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
「分割付与」は、後々、厄介。有給の「特別休暇 」をお勧め P2
.
■ 再ご質問 ①
⇒ その通りです。次年度の付与日を、最初、繰上げて付与した日 ( つまり、2日付与した入社日 ) の1年後とすることになります。結果的には、毎年の付与日が、法定よりも、6カ月先行し続けることになるという意味です。
■ 再ご質問 ②
⇒ もともと、「 前倒しとは言え、入社時に2日付与する 」 とされるのは、御社ご自身ですから、示唆致しました、《 法定外 》 の 「 特別休暇 」 に、どのような制限を付けるかは、御社のご自由です。勿論、病気等の理由で欠勤に使用することも含め、法定 ( 労基法どおり ) 有給休暇と同じ効力を与えることも可能であり、御社次第ということになります。
投稿日:2010/10/22 14:51 ID:QA-0023480
相談者より
詳細なご説明ありがとうございました。
特別有給休暇も含めて、検討します。
投稿日:2010/10/27 13:25 ID:QA-0041484大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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