解雇する社員の退職金について
いつもお世話になります。
近々、当社就業規則の懲戒解雇事由に抵触した社員を解雇する予定です。情状を酌量し懲戒解雇ではなく普通解雇に留める方針ですが、その際の退職金区分は、『会社都合による退職』、『自己の都合による退職』のどちらにすべきなのでしょうか。
社員の非に基づく解雇の場合は、『自己都合による退職』と看做してよい旨のご意見を見受けますが、どうも根拠がはっきりしません。
『自己の都合』の中には、『自分に非があって解雇される』という意味も含まれているのでしょうか。
『会社都合による退職』にしてしまうと支給率も高くなり、特別加算もあるため、かなり退職金が増えます。社員に非があるのに退職金が増えることには違和感を感じます。
このような場合、どう解釈したらよいのでしょうか。お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願いいたします。
投稿日:2010/07/28 15:37 ID:QA-0021973
- 悩み多き社員さん
- 栃木県/運輸・倉庫・輸送(企業規模 301~500人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
退職金は普通解雇が適切
ご相談を拝見し、ご連絡差し上げます。
懲戒解雇相当のところ情状酌量して普通解雇とした社員への退職金が、「会社都合」ということで通常よりも割増支給されるのは、マネジメント上明らかに不適切です。なぜなら、退職金制度規程における「会社都合」は、通常定年退職や整理解雇等を想定しているものだからです。
「自己都合」の支給水準で運用されるべきでしょう。
ところで、今回退職金支給上の「根拠があいまい」になっているのは、「情状を酌量し」特例措置を取ったためです。ですから、そのために退職金規程の取り決めと明らかな矛盾が生じるようであれば、当該社員から自己都合での退職願を提出させ、手続き上問題の少ないようにされるのも一法と思われます。
そうすれば職安等への届け内容との平仄も確保できるでしょう。
ご参考まで。
投稿日:2010/07/28 15:50 ID:QA-0021974
相談者より
投稿日:2010/07/28 15:50 ID:QA-0040767大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
退職金と懲戒
懲戒解雇は自己都合ですが、普通解雇は会社都合です。
この場合、情状酌量した場合、一旦支給した退職金の全額または一部を返還させるという方法がありえます。
ご検討ください。
その場合、一部なのか全額なのかは話し合いになるでしょう。
投稿日:2010/07/28 16:01 ID:QA-0021975
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
文面のケースですが、懲戒解雇相当であっても情状を酌量し普通解雇にするとなりますと、当然ながら普通解雇の場合の退職金支給を行なう義務が発生します。
従いまして、普通解雇の場合に退職金規程上どのような取り扱いをすることになっているかで判断することになります。
特に規定が無く会社都合・自己都合等と書かれている場合には、形式上は会社都合となってしまいますし、またそういった取り扱いも含めて情状酌量したはずではないでしょうか‥ 当人もそのように考えているならば案外厄介な問題になるかもしれません。
仮に退職金支給といった重要な問題を考慮せずに普通解雇と決定してしまったのであれば、ある意味会社側の落ち度ともいえますので、本人と相談し特別加算等しないことについて同意を得て文書を取り付けておくといった手段が考えられます。
投稿日:2010/07/28 21:28 ID:QA-0021993
相談者より
投稿日:2010/07/28 21:28 ID:QA-0040774大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
端的に言えば
事情は分かりませんが、会社も本人も懲戒解雇が至当と判断しているなら、退職金のない解雇とすればいいのです。
そして、その退職事由は、懲戒解雇であると職安に申し出ればいいことです。
情状酌量はわかりませんが、次の転職に影響するので、職安でつける番号・記号を当人の都合で一歩二歩譲れば済むことです。
自己都合退職とは、本人の希望や家庭などの事情もありますが、懲戒という自己都合も含まれるのです。
投稿日:2010/07/28 22:32 ID:QA-0021998
プロフェッショナルからの回答
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退職金規定と交渉
情状酌量で自己都合退職、という結論は小職の顧問先でも珍しくないケースです。ただし、退職金規定で無条件に支給となっていると、当然不始末の場合であっても逃げ道がなくなります。
そこで重要となるのは当人との話し合いです。退職金を辞退する等、本人が納得の上で、懲戒と引き換えに話し合うことが今出来る一番の手ではないでしょうか。
退職交渉の段階からこうしたことも念頭に置き、一気にまとめるのが望ましいのですが、今からでも出来る交渉は行う価値はあると思いました。
投稿日:2010/07/29 00:08 ID:QA-0022001
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