定年再雇用時の健保・年金について
この度、60歳の定年を迎える社員がおりますが、再雇用して引き続き勤務していただく予定でおります。
給与の額は多少下がりますが、有給や雇用保険は継続しますし、勤務時間等に変更はありませんので、定年後も社員であることには変わりはありません。
そこで再雇用をする場合、原則、社会保険に加入することは承知していますが、国民健康保険(国民年金)に変更して働いてもらうことは、法的になど何か問題はありますでしょうか。
といいますのも、弊社の社長が
『年金の受け取り額は微々たるものなのだから掛け続けたってムダ、国保であれば年金はもう支払わなくて良いのだから、本人にとっても支払う額が減って得だろう、会社も折半しなくて良いし』
との考えでおりまして、、、言いたいことは分かるのですが、心配になりましたのでご相談させていただきました。
投稿日:2025/05/13 14:55 ID:QA-0152236
- *****さん
- 岐阜県/繊維製品・アパレル・服飾(企業規模 11~30人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
社会保険は強制加入ですので、
そのような事は出来ません。
加入要件を満たす限りは、加入させる必要が
あります。
投稿日:2025/05/13 15:28 ID:QA-0152243
相談者より
早々にご回答いただきありがとうございました。
やはりそうですよね…そのように社長にも話したいと思います。
投稿日:2025/05/13 19:37 ID:QA-0152259大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問についてですが、貴社社長のご意見も一定理解できます。
しかしながら、社会保険加入要件となっている労働条件で雇用契約を
締結している以上は、社会保険は強制加入となります。
社会保険への加入を避けたいということでしたら、
社会保険加入要件に満たない、労働条件(勤務日数・勤務時間の短縮)にて、
雇用契約を締結するしかございません。
投稿日:2025/05/13 15:36 ID:QA-0152248
相談者より
早々にご回答いただきありがとうございました。
雇用条件の見直しを検討したいと思います。
投稿日:2025/05/13 19:39 ID:QA-0152260大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、社会保険の加入要件を満たしている限り継続加入させる義務がございます。
つまり、社会保険制度に関しましては法令上強制適用されるものですので、当人の希望や会社の意向等で加入有無を決めてよいものではございません。仮に加入しなければ、当然ながら会社が違法行為を問われる事になりますので注意が必要です。
投稿日:2025/05/13 15:46 ID:QA-0152250
相談者より
早々にご回答いただきありがとうございました。
やはりそうですよね…。社会保険への加入が法令上定められたことであることを伝え、契約の見直し等、検討したいと思います。
投稿日:2025/05/13 19:44 ID:QA-0152261大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
60歳以降の再雇用者に国保・国民年金で働かせること→原則として 違法または脱法的。推奨されません。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.結論
結論から申し上げますと、再雇用で引き続き労働者として雇用される60歳以上の方について、意図的に社会保険を外して国民健康保険・国民年金に加入させることは、原則として法的に問題があります。会社にもリスクがありますので、慎重に対応する必要があります。
2.ポイント
(1)ポイント1社会保険の加入義務について
厚生年金保険法および健康保険法において、以下の条件を満たす場合、年齢にかかわらず社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が義務付けられています。
一般的な適用要件(常用的使用関係)
正社員、またはこれに準ずる者
週の所定労働時間および所定労働日数が、一般社員の3/4以上
60歳以上であっても該当すれば加入対象
再雇用であっても、これらの条件を満たしているならば、社会保険に加入させる必要があり、「国保・国民年金にしておこう」とすることはできません。
(2)ポイント2「国保にした方が得」説の問題点
社長のお考えも一理あるように聞こえますが、以下の点でリスクや誤解があります。
1.違法・脱法的な扱いになりかねない
意図的に加入逃れをしていると見なされれば、「社会保険適用逃れ」とされ、**事業主が過去にさかのぼって保険料の支払いを命じられる可能性(遡及徴収)**があります。
2.本人の将来の年金・保障に不利益
・厚生年金は国民年金よりも支給額が多い傾向にあります(加入期間などによる)
・傷病手当金、障害年金、遺族年金など、厚生年金・健康保険独自の給付が受けられなくなります
3.法令違反による会社への影響
・厚生労働省の調査や年金事務所から指導を受ける可能性あり
・悪質と判断された場合、行政指導や企業名の公表対象となることも
(3)ポイント3どうしても社会保険を外したい場合(例外)
再雇用後の働き方を以下のように変更すれば、「社会保険加入対象外」とすることは可能です。
短時間労働に変更(週20時間未満)
・週の労働時間を20時間未満にする
・雇用期間を2か月未満の契約とする(見込みも含め)
ただし、実態がフルタイムと同様ならば「形式だけの変更」として指摘される恐れがあります。
3.まとめ
内容→結論
60歳以降の再雇用者に国保・国民年金で働かせること→原則として 違法または脱法的。推奨されません。
正当な社会保険回避が可能なケース→週20時間未満の勤務等、実態として加入対象外となる場合のみ
社会保険加入を怠った場合→会社が遡って保険料徴収、または行政指導の対象になる可能性
4.ご提案(対社長への説明用)
「年金の額は少ないから加入しても意味がない」といった個人的な感覚ではなく、法的な基準に基づいて対応が求められます。再雇用とはいえ、通常の勤務を継続するなら社会保険加入は義務です。意図的に国保へ切り替えさせることは、企業にもリスクがあるため、慎重に考える必要があります。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/05/13 15:53 ID:QA-0152251
相談者より
大変詳しくご回答いただきありがとうございました。
確かに、社員の損得を会社がはかれるはずもなく、短絡的な考えを恥ずかしく思いました。
社会保険への加入が法令上定められたことであることを伝え、契約の見直し等、検討したいと思います。
投稿日:2025/05/13 19:56 ID:QA-0152262大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
コンプライアンス
社保加入要件を満たす雇用では社保加入が必須です。コンプライアンスに反する国保加入は認められません。
投稿日:2025/05/13 17:04 ID:QA-0152253
相談者より
ご回答いただきありがとうございます。
やはりそうですよね…。
非常に短絡的な考えで、それが法令違反だという認識が社長には無いのかもしれません。慎重に検討したいと思います。
投稿日:2025/05/13 20:00 ID:QA-0152263大変参考になった
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