裁量労働制においての「みなし労働時間」について
裁量労働制における「みなし労働時間」の設定に関して、割増賃金の取扱いについてご教示いただきたく、ご質問させていただきます。
■1日のみなし労働時間を9時間と設定した場合について
・実際の業務が1日5時間で終了した場合でも、9時間労働したものとみなすことになると理解しております。
・一方で、実際の業務が1日12時間に及んだ場合の割増賃金の計算方法について、以下のいずれの考え方が正しいのか、ご確認いただけますでしょうか。
① みなし労働時間を超えた3時間分(12時間-9時間)を割増賃金の対象とする。
② 法定労働時間(8時間)を超えた4時間分(12時間-8時間)を割増賃金の対象とする。
以上、何卒ご教示のほどよろしくお願い申し上げます。
投稿日:2025/05/10 11:51 ID:QA-0152070
- emiさん
- 東京都/情報処理・ソフトウェア(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答させていただきます。
まず、裁量労働制において、1日の勤務時間を9時間労働したものとみなす場合、
法定労働時間8時間を超えている1時間分については、1時間相当分の手当である、
裁量労働手当(仮称)を毎月の給与にて支払う必要がございます。
基本給とは別に、時間外手当相当分の支払いは必須となります。
その上で、仮に1日の労働時間が9時間を超えた場合においては、
追加の割増賃金を支払うことは制度上、不要となります。
勿論、追加で支払うことは法令以上の社員有利な対応となりますので、
可能です。
但し、以下の点については改めて精査が必要であり、実態との乖離が著しい
場合、そもそも裁量労働制としての制度適用の見直しが必要です。
・対象社員に裁量労働制に該当するような職務・職責等、裁量労働制適用の
要件に該当していない。
・みなし時間の設定を9時間としているが、設定時間と現実のGAPが著しく
乖離されており、9時間の設定が適切でない。
その場合、みなし時間の再考が必要となります。
投稿日:2025/05/12 11:28 ID:QA-0152104
プロフェッショナルからの回答
割増賃金の対象となる時間→法定労働時間(8時間)超過分
ご質問の選択肢で正しいもの→(2)12時間-8時間=4時間
裁量労働制での実労働時間が短い場合→原則として、みなし時間分働いたとみなされる
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.裁量労働制とみなし労働時間
裁量労働制(専門業務型・企画業務型)では、実際の労働時間にかかわらず、あらかじめ定めた「みなし労働時間」だけ労働したものとみなす制度です。
例えば、みなし労働時間を「1日9時間」と設定している場合、実際の労働が5時間でも12時間でも、原則として9時間働いたと扱います。
2.ご質問の要点:「割増賃金」の計算基準はどこか?
実労働が12時間の場合、どこから割増賃金が発生するか?
→(2)「法定労働時間(8時間)を超えた4時間分(12時間-8時間)を割増賃金の対象とする。」が正解です。
3.理由の詳細:法定労働時間(8時間)を基準とする
裁量労働制においても、労働基準法の時間外労働に関する規定(第37条)は適用されます。つまり、法定労働時間(1日8時間)を超えた時間には割増賃金が必要です。
したがって、次のように考えます:
(1)1日の法定労働時間:8時間
(2)実際の労働時間:12時間
(3)超過分:4時間(=12-8)
→この4時間分に対して、時間外労働割増賃金(通常1.25倍)を支払う必要があります。
なお、「みなし労働時間」は割増賃金計算の上限ではない
「みなし労働時間(例:9時間)」は、労働時間の「把握や管理の基準」ですが、割増賃金の起算点とはならない点にご留意ください。
4.まとめ
項目→結論
割増賃金の対象となる時間→法定労働時間(8時間)超過分
ご質問の選択肢で正しいもの→(2)12時間-8時間=4時間
裁量労働制での実労働時間が短い場合→原則として、みなし時間分働いたとみなされる
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/05/12 12:33 ID:QA-0152108
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
裁量労働制を採用する場合の時間外労働の考え方としましては、具体的な労働時間を問題とせず、所定労働時間労働したとみなす制度ですから、現実に8時間を超えた部分といった考え方ではなく、労使協定で定めた所定労働時間により定められることになります。
労使協定で定めた所定労働時間が9時間であれば、法定労働時間である8時間を超えた部分が時間外労働となりますので、この部分については36協定を締結すると供に、割増賃金の支払いが必要になります。
みなし労働時間とは、実際に労働した時間数にかかわらず、協定で定めた時間労働したものとみなす制度ですから、9時間と定めた場合、実際には5時間で終わった場合も、12時間働いた場合も、9時間働いたものとして取り扱います。
したがって、実際の業務が1日12時間に及んだ場合であっても、1時間分の割増賃金を支払えば足りるということになります。
投稿日:2025/05/12 13:25 ID:QA-0152121
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
1日9時間のみなしということですので、
法定労働時間の8h超える1hについては、1.25割増の賃金の支払いが、
毎月必要です。
そのうえで、
1日の実労働時間がたまたま9時間を超えて、12時間になったとしても、
割増賃金の対象とはならず、時間外労働の支払いは不要です。
それが、みなし労働時間制です。
ただし、9時間を超える日が続く場合には、
労使協定の見直しが必要ということになります。
投稿日:2025/05/12 15:11 ID:QA-0152137
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、みなし労働時間は実労働時間に変わる労働時間として扱われるものです。
従いまして、仮に実労働時間がたまたまみなし労働時間を超えましても、原則としまして超えた時間分の賃金支払をされる義務は生じません。
但し、裁量労働制の雇用契約上で決められている通常の業務以外での仕事に従事された結果みなし労働時間を超えた場合ですと、みなし時間を超えた時間についてのみ時間外労働割増賃金の支払義務が生じる扱いとなります。
投稿日:2025/05/12 18:52 ID:QA-0152172
プロフェッショナルからの回答
みなし労働時間
以下、回答させていただきます。
(1)実際の労働時間の多寡にかかわらず、その日の労働時間は「9時間」(みなし労働時間)となります。
(2)そのうち、「8時間」(法定労働時間)を超えた「1時間」は時間外労働となり、割増賃金を支払う必要があります。
(3)なお、実態等を踏まえ、みなし労働時間を「12時間」に変更した場合、割増賃金の対象は「法定労働時間(8時間)を超えた4時間分(12時間-8時間)」となります。
投稿日:2025/05/13 06:11 ID:QA-0152189
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