人事異動にともなう処遇変更
物流倉庫内作業の部署から飲食店厨房内軽作業の部署への人事異動にともない、職種別に賃金体系、水準が異なるため、給与の変更を通達いたしました。本人は了承し、異動に応じたのですが、1ヶ月後、やはり給与(固定給部分)の賃下げは不当と異動の撤回を求めてきました。
前職場では残業はほとんど無く、月額27万円(基本給24万円、他手当3万円)でしたが、新職場は恒常的に残業が発生するため、基本給の設定を低くして残業手当を支給しています。具体的には基本給21万円、残業手当8万円程度(他手当無し)となり、支給総額は前職場より多くなります。
労働時間は異動前後で比較しますと、数十時間増加していますが、異動先の他の従業員も同条件で勤務しており、適用体系の変更、支給額の見直しはやむを得ないと考えています。
異動(職種の違う異動)にともなう賃金の変更は認められないのでしょうか。
投稿日:2005/07/09 17:17 ID:QA-0001210
- jinjinさん
- 神奈川県/紙・パルプ(企業規模 3001~5000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答

- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
人事異動にともなう処遇変更
■職種別に異なった賃金体系・賃金水準を設定すること自体は違法ではありません。業務の必要性に基き、行った職種間異動の結果、異動先職種の賃率が適用されることも違法ではありません。
■しかし、実際の適用(殊に、今回のケースのように実質的に賃金が下がる場合)に際しては、このようなきれい事で、スムーズにいくことは稀です。即ち、
① 現在の職種別賃金体系・水準は労使間で合意され、且つ賃金規程などの形で文書化され、従業員に周知させているか?(これらの要件が整っていれば、個人的に反対であっても規程内容に拘束される)
② 職種間の賃金格差は妥当な範囲内に収まっているか?(日本では職種別賃金の情報が少なく、異動前後の職種間・賃金格差の妥当性についての議論を誘発しやすい)
③ 職種間異動で大幅な賃下げが発生する場合、ショック緩衝のための過渡的措置が決められているか?(制裁による減給でさえ、その「総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない」(労基法第91条)とされていることを考えれば、次元が違っても、何らかの措置が必要ではないか? 数十時間の残業代込みと比較するのは、建前上の議論としては通用しない)
■結論としては、① ② はなんとかクリアーできるものとして、③ の問題は、今後も見据えると、何らかの妥当な措置は考えられませんか?(例:基本給の減額分を3年に亘って1/3宛減らしていく。2年でも構わない)
投稿日:2005/07/10 14:56 ID:QA-0001211
相談者より
ご回答ありがとうございました。
過渡的措置について、検討していみたいと存じます。
投稿日:2005/07/11 10:50 ID:QA-0030480大変参考になった
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