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ダリオ流「ダイバーシティ」を実現する
コミュニケーションの方法

オペラ演出家、マルチ・アーティスト

ダリオ・ポニッスィさん

ダリオ・ポニッスィさんは、1987年に来日し、まずはイタリア語会話の教師からスタート。特異なキャラクターと専門性を活かし、数多くの仕事に関わってきましたが、常に周囲の人たちとうまくコミュニケーションをとり、プロジェクトを成功させてきました。現在ではオペラ演出家として、専門性の高い、またプライドをもった多様な人たちに、演出家としての意図を伝え、理解してもらい、指導し作品をまとめ上げていく、という非常に難易度の高い仕事に携わっています。ビジネスパーソンにとって、このような仕事のやり方・指導方法は、人材の多様化や組織のフラット化が進む日本企業のマネジメント面で、学ぶ点が非常に多いように思います。何より、「ダイバーシティ」の観点から見ても、人事部として参考となる点は多いはずです。今回は演出家、マルチ・アーティストとしての経験を踏まえた、ダリオさんならではの「ダイバーシティを実現するコミュニケーションの方法」について、お話をうかがいました。

Profile

ダリオ・ポニッスィ●北イタリア、トリノ出身。トリノ大学で英文学を学びNYに留学。リー・ストラスバーグ演劇学院で演劇・声楽を学び、マース・カニングハム・ダンス・ファンデーションでは奨学金を受けコンテンポラリーダンスを学ぶ。1987年末来日。94年から11年間NHKTVイタリア語会話に出演し、日本の教育テレビに旋風を巻き起こす。現在、オペラ演出家、演技指導コーチ、俳優、歌手、脚本家、作詞&作曲家、振付家、インタビュアー、エッセイスト等としても活躍するマルチ・アーティスト。

母国が生んだ総合芸術=オペラを日本でさらに発展させることを目標に、2004年から若手オペラ歌手の育成のためオペラ・アルテシェニカ・マスタークラスを開始。2009年から“ダリオ・オペラ・カンパニー・ギルド&アッカデミア”(D.O.C.G.&A.)を立ち上げ、才能ある若手オペラ歌手の育成とオペラ公演の企画・演出を行う。旗揚げ公演として10月15日にイタリア文化会館アニエッリホールにてヴェルディ作曲『リゴレット』を行い大絶賛される。
2004年4月サントリーホールオペラ、「トスカ」でオペラ演出家デビュー。その後、「フィガロの結婚」、「魔笛」、「セビーリャの理髪師」、「チエネレントラ」、「カルメン」、「カバレリア・ルスティカーナ」、「道化師」、「椿姫」、「リゴレット」、「ラ・ボエーム」、「ジャンニ・スキッキ」、「蝶々夫人」(NHK/オペラ&ドラマ演出)、「エドガール」(アジア初演)、等を演出し好評を博す。08年マダムバタフライ国際コンクールin長崎審査員。

現在、新国立劇場オペラ研修所オペラ演技講師、藤原歌劇団オペラ歌手育成部オペラ演技講師、東邦音楽大学(オペラ研究科)特任教授、東京芸術大学大学院(オペラ研究)非常勤講師。日本ヴェルディ協会理事。日伊協会評議員。NHK国際放送番組『アウト&アバウト』のナビゲーターを努め、日本の美しい自然や文化を世界136ヵ国に紹介中。日伊文化の架け橋的役割を使命としての文化的な活躍も行っている。2009年イタリア政府よりカバリエレ(騎士)称号を授与。近著に普及版『ドクトル・ダリウスの事件簿~イタリア語で楽しむミステリー~』(NHK出版)などがある。
公式HP:http://www.darioponissi.net/

日本とイタリアとのコミュニケーションのとり方の違い

ダリオ・ポニッスィさん  オペラ演出家、マルチ・アーティスト

ダリオさんの出身であるイタリアと日本を比べた場合、コミュニケーションのとり方には、どのような違いがあるとお感じですか。

イタリアでも日本と同じように、オフィシャルな打ち合わせの場があります。いろいろとアイデアを出し合いながら話をして、その中から一番いいものを選んでいきます。ビジネスの世界では、どこにでもある風景です。しかしイタリアでは、それとは別にインフォーマルな話し合いがとても活発なのです。職場の人たちと食事をしながら気軽な雰囲気の中で、自由に意見を言い合う習慣があります。

ランチタイムはあるけれど、日本の会社では朝の9時から夕方の5時まで、さらに夜遅くまで分刻みでずっと仕事をしていく感じ。これでは息が詰まって、なかなかいいアイデアは出てきません。そもそも、皆がリラックスして話し合う雰囲気が少ない。一方、イタリア人は仕事中によくブレークをとります。好きな飲み物を口にしながら、くつろいだ状態でいると、とても気分がよく、話す内容も弾んできます。その中でお互いの意見の違いが分かり、共通の接点を見いだそうという気持ちになってきます。

仕事中、意識的にブレークをとるとのことですが、これは日本ではなかなか難しいように思います。

経営者からすれば、「そんな暇があったら仕事をしろ」ということでしょうからね。でも、重要なのは時間の使い方。その点で、日本人はあまりうまくありません。イタリア人は1日8時間仕事をする中で、5~6回ブレークをとります。その分、仕事をしている時の集中度がとても高い。それは、一人ひとりが自分の仕事に対する責任を強く感じているからです。

一方、日本では数人のボスが責任を持つだけで、それ以外の人はただ言われたことをするだけ、というケースが多い。当事者意識が低いように感じます。イタリアでは仕事をしている皆が、全員ボスであるという感覚。問題が起きたときも、直属のボスに相談するのではなく、まずは自分から率先して行動し、問題を解決するようにします。

イタリア人は、自分で責任を持って仕事をするからこそ、ブレークをとる。日本人は自分で責任をとることを避けるから、そもそもブレークをとるようなことはしない、という図式ですね。

日本人は、自分が責任をとることを怖がりますね。イタリア人は自分がボスだと思っているから、何かを決めるときにはとことん戦います。でも、終わった後はさっぱりしています。

なるほど。ところで、日本人とは話し方にも違いはありますか。

ダリオ・ポニッスィさん Photo

意外に思うかもしれませんが、イタリア人は最初に相手の話をよく聞いてから、自分の意見を言います。そうした流れで議論するのは当然のことで、相手を攻撃したり、人格を否定したりすることに目的があるのではありません。あくまで、より良いアイデアを出すためなのです。そもそも、開かれた場で自由に話し合う習慣が、欧州では古くから根付いています。古代ギリシャの時代からある、当たり前の風景です。

ですから、何かを話し合う際にも、「場」の雰囲気をよくしたほうがいいと考えます。それは別に、オフィスでなくても構いません。なるべく暖かい感じのする雰囲気の中で、かつ相手のことを考えられる場所を選ぶことを優先します。そうすれば、自然とリラックスした関係ができて、お互いの話を聞こうとする空気がでてきます。

「場」が大切だ、ということですね。

そうです。そして、コミュニケーションをとりたいと思うときには、自分の意見を言うよりも、相手の言葉を聞き、理解することを第一に置くことです。納得できないと思う内容であっても、まずはそうした態度と行動を示すことが、円滑なコミュニケーションやお互いの信頼関係を構築することにつながっていきます。

もっとも、アメリカはちょっと違うかもしれません。より、クリティカルなコミュニケーションが重要視されますが、イタリアではこうしたアットホームなコミュニケーションのとり方をします。日本でも、ゴルフをしながらビジネスの話をすることがあると思いますが、例えるとそんなイメージでしょうか。

日本で学んだ「郷に入れば、郷に従え」という教え

ダリオさんが来日されてから20年あまりが過ぎましたが、日本人のコミュニケーションのとり方をどのように評価されますか。

話すときに、非常に多くの言葉を使いますね。イタリア人なら10か20の言葉で済むことを、1000、2000もの言葉をかけて説明します。丁寧かもしれませんが、もっと少ない言葉で言った方が分かりやすいと思うのです。間接的な表現や言い回しが多くて、結局、何を言いたいのか分からない――最初の頃は、話をしていて疲れてしまうことがよくありました(笑)

基本的には、ストレートにモノを言う方がいいと思いますが、そこはやはり両国の文化の違いを感じます。日本では、ストレートにモノを言うと、相手に対して失礼になるという独自の文化があります。尊敬語や謙譲語があったりして、とにかくモノを言う際には、微妙な言い回しがあることを知りました。私も時間をかけて日本語や日本文化を勉強して、失礼な態度にならないよう意識して話すようにしています。特に、相手の名誉やプライドを傷つけないよう、いつも気を付けています。

最初は、かなり苦労されたわけですね。

ダリオ・ポニッスィさん Photo

でも日本からは、とても大事なことを学びました。それは、「When in Roma, do as the Romans do(郷に入れば、郷に従え)」ということです。新しい土地で何かをしようと思ったら、まず相手をよく知ることです。私も日本に来て、日本のやり方を勉強しました。それを自分なりにアレンジして、表現していきました。これは、異文化に適応するために必要な条件ではないでしょうか。例えば、外交官がそう。相互理解が進み、外国人や自分と立場・考え方の違う人とも、コミュニケーションをとれるようになります。

そう思うようになったきっかけがあったのですか。

以前、日本人の知り合いからオペラについて批評を聞かれたので、私なりに感じたことを正直に話しました。すると、相手はそこまで聞きたくないというような反応だったのです。それで、関係が悪くなってしまったことがありました。私としては友達だからこそ、はっきりと言ったわけですが、必ずしもそうは受け止めてもらえませんでした。

イタリアではかなりきついことを言っても、最後は「ありがとう」と言ってもらえますが、日本では違いました。特に、立場のある人やプライドの高い人はそういう傾向が強い。ですから最近はしばらく間を置いて、それこそコーヒーを飲みながら話をするようにしています。あるいは、メールで言葉を選んだりとかね(笑)

この20年間で、日本人も変わってきた

いろいろと大変でしたね。でも最近、日本人も変わってきたような気がしませんか。

ええ。よく話をするようになりました。それから、人と話すときに目を合わせるようになったのも、変わってきた点ですね。コミュニケーションの量と質が上がってきたように思います。

ただ、外国人に対しては言葉の問題があるのでしょうか、自分から積極的に話そうとする人はまだ少ないように感じます。実際、仕事で地方に行くと、最初は怖がられることも少なくありません。でも、私が日本語でフランクな感じで近づいていくと、とても興味・関心を持ってくれますよ。ですから私も、初めての相手とはできるだけリラックスした雰囲気を作り、喋るよう心がけています。

円高が進んでから、日本人も外国に行く経験が多くなりました。以前に比べて、外国人を珍しがることは少なくなってきたのではないでしょうか。

ダリオ・ポニッスィさん Photo

同時に、海外の情報がどんどん入ってきて、文化やスポーツ、食べ物などの面では、欧米と遜色ないものを享受できるようになってきましたね。

それこそ20年前の日本では、オペラが終わっても「ブラボー」という声はほとんどありませんでした。しかし、今は違います。反応がビビッドです。考えてみれば、歌舞伎で観客が入れる「合いの手」などはブラボーと同じ。もともと日本には、自分の意見をストレートに言う文化があるのです。近年では若い人たちを中心に、コミュニケーションのあり方もずいぶんと変わってきたのではないでしょうか。

その点から言うと、イタリアと日本は似ている部分があるように感じます。特に、浅草などの下町がそう。お客を大切にもてなしてくれ、とてもフレンドリーな人が多い。日本人にはドイツのまじめさ、アメリカの合理的な部分もありますが、家庭や地域での人間関係を大事にするなど、その本質はむしろラテン的であるように思います。親しい間柄ではとても濃厚なコミュニケーションをとる国民性ではないでしょうか。それをもっと外に対して出す工夫をしていけばいいと思います。

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