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キーパーソンが語る“人と組織”

日本企業の課題を解決する特効薬
多様な人材が活躍する時代に欠かせない
「組織開発」の学び方と実践方法

立教大学 経営学部 教授

中原 淳さん

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中原 淳さん 立教大学 経営学部 教授

ここ数年、人事分野において「組織開発」が注目を集めています。一般的には、組織のコミュニケーションを活性化させる取り組みとして語られることの多いキーワードですが、どこかつかみどころのない概念だと感じている方も多いかもしれません。なぜ今、組織開発がブームなのでしょうか。また、企業やチームは、いかにして組織開発を学び、実践していけばいいのでしょうか。組織開発100年の歴史をさかのぼり、その思想的源流から手法の変遷までを解説した書籍『組織開発の探究 理論に学び、実践に活かす』(「HRアワード2019」 書籍部門 最優秀賞受賞)の共著者である、立教大学教授の中原淳先生にお話をうかがいました。

Profile
中原 淳さん
立教大学 経営学部 教授

なかはら・じゅん/立教大学大学院 経営学研究科 リーダーシップ開発コース主査、立教大学経営学部リーダーシップ研究所 副所長などを兼任。博士(人間科学)。北海道旭川市生まれ。東京大学教育学部卒業、大阪大学大学院 人間科学研究科、メディア教育開発センター(現・放送大学)、米国・マサチューセッツ工科大学客員研究員、東京大学講師・准教授等をへて、2018年より現職。「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発・組織開発について研究している。単著(専門書)に『職場学習論』(東京大学出版会)、『経営学習論』(東京大学出版会)。一般書に『研修開発入門』『駆け出しマネジャーの成長論』『アルバイトパート採用育成入門』『サーベイ・フィードバック入門:これからの組織開発の教科書』など、他共編著多数。

書籍のコンセプトは「組織開発と人材開発の統合」

『組織開発の探究 理論に学び、実践に活かす』が、「HRアワード2019」書籍部門 最優秀賞に輝きました。おめでとうございます。受賞されたご感想をお聞かせください。

私は年間1~2冊の本を出版していて、ここ数年は毎回、書籍部門にノミネートされていたので、「いつか最優秀賞を受賞できたら」と思っていました。今回、賞をいただいて非常にうれしいです。ありがとうございます。

本書は組織開発の初学者に向けて、あえて専門用語を用いることなく、組織開発とは何なのかをイメージしてもらうことを目的に書かれた第1部から始まります。続く第2部・第3部では、主に組織開発や人材開発の専門家に向けて「組織開発の思想や歴史」をひもとき、最後に実践編として「組織開発のケーススタディ」を紹介する構成になっています。とりわけ第2部や第3部は、ミステリーを読んだかのような読後感を目的にして、組織開発と人材開発の歴史が交差する瞬間を描き出そうとしました。それが成功したかどうかは、読者の方に委ねたいと思います。

一貫して伝えているメッセージは、組織開発や人材開発、リーダーシップ開発といわれるものは、時代の雰囲気や社会の流れにあわせて、それぞれ独自の発展を遂げているけれど、各理論のルーツをたどれば実は「一本の糸」でつながっている、ということです。優秀な人材を育てたいと思えば組織開発が必要になり、より良い組織をつくろうと思えば適切な人材開発を行う必要がある。両方が大事であることを伝えたかったんです。

語られている内容は決して平易ではないと思うのですが、「組織開発と人材開発の統合」というコンセプトが認められ、人事の皆さんに興味や関心を持っていただいたのであれば、とてもうれしいですね。

組織開発の初学者から専門家、組織開発を行いたいと考えている実務家など、幅広い層を対象に書かれている点が特徴的だと感じました。

組織開発や人材開発の専門家だけを対象にしないことは大変重視した部分であり、私の哲学でもあります。私は実務に貢献できる研究者になりたい。第1部では、組織開発の専門用語をほぼ使わずに「組織開発とは何たるものか」をビジネスパーソンの皆さんに感じてもらうことに力を注ぎましたが、とてもチャレンジングな取り組みだったと思います。

組織開発について、ひと昔前は「組織図をリデザインすることでしょ?」と言われることさえありました。現在でも「組織開発とは何か」が理解されず、言葉だけが独り歩きしている印象があります。専門家のあいだで専門用語を使って話しているだけでは、これ以上広がっていきませんし、正しく理解されることもない。私の研究の目的は“社会が変わること”なので、組織開発について詳しく知らなくても組織を変える必要がある人たちに、きちんと届く本にしたいと考えました。


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