一般社団法人 人材サービス産業協議会 理事長、副理事長に聞く
業界4団体が連携して取り組む三つのプロジェクトの方針とは

業界としてのレベルアップを図り、プロジェクトを形にしていく

三つ目のテーマでは、どのようなことを行う予定ですか。

高橋:人材サービス業界として経営者、そして従業員のレベルを上げるためにはどうすればいいのかを考えていきます。初年度はまず、経営者向けのセミナーからスタートします。

中村:また、定期的に協議会の理事会を行います。向こう3年間くらいのスパンの中で、協議会として取り組むべきアジェンダ(行動計画)のプランを考えていますが、それを次回の理事会で議論したいと思っています。そうなると、プロジェクトとはまた別に、委員会という形で活動が始まることになるでしょう。

今後の展開についてお教えください。

中村:会員の多くは地方にいますが、地方には雇用促進が大きな課題として存在しています。この問題を解決するためには、地方公共団体と組む必要があるでしょう。我々だけでできることには限界があります。雇用調整を行うことはできますが、新たな雇用を創出することはできませんから。また、地方では、農業や水産業など、一次産業が主産業である地域が少なくありません。都市部とは異なる雇用形態が中心になるでしょう。

高橋:誰かに雇用されるというよりも家業とか自営、インディペンデント・コントラクターといった形態が中心となるように思います。地域にネットワークがあって、皆で助け合って共生していく。そういうスタイルになっていくのではないでしょうか。

中村:我々が扱うのはモノではなく人です。コンプライアンスを順守して、自ら自主規制を行っていくことがとても大切だと思っています。そして、プロジェクトでも行いますが、この産業に携わる人のレベルアップ・人材育成が大きな課題です。これを行わないと、実践が伴いません。この二つを強く意識しながら、業界全体を活性化していきたいと考えています。

高橋:スタートしたばかりなので、まだ成果はありません。最初の1年が大事だと思っています。既に、いくつかのプロジェクトが進んでいますが、まずはそれらをしっかりと進めていくことが大事だと考えています。そして、なるべく早い段階でプロジェクトの成果を形にしたい。人材サービス産業としてやるべきことをきちんとやっていると、世の中から評価されるよう、頑張っていきたいと思っています。

(取材は2012年10月11日、東京・千代田区の株式会社リクルートホールディングスにて)

企画・編集:『日本の人事部』編集部

Webサイト『日本の人事部』の「インタビューコラム」「人事辞典「HRペディア」」「調査レポート」などの記事の企画・編集を手がけるほか、「HRカンファレンス」「HRアカデミー」「HRコンソーシアム」などの講演の企画を担当し、HRのオピニオンリーダーとのネットワークを構築している。

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