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平成は非正規雇用拡大時代~パート賃金クロニクル~

アイデム人と仕事研究所

関 夏海(せき なつみ)

2010~(平成22年~)

少子高齢化社会

リーマン・ショックの影響による労働市場の不振は、2011年3月に発生した東日本大震災の影響も加わり、2014年頃まで続きました。有効求人数が有効求職者数を上回るようになったのは2014年、パートタイムに絞ってみると2012年です。反面、パートタイムの有効求職者数はこれまで恒常的に増加していましたが、2012年以降減少に転じ、これまでにない動きを見せています。一方で有効求人件数は全体もパートタイムに絞っても、いままで以上の勢いで増加していきます。

募集時時給に最低賃金が追いついた

平均時給も、今までとは違った流れが出てきました。2012年の東京・副都心エリアにおけるコンビニスタッフの平均時給は871円ですが、2012年度の改定で東京都の最低賃金は850円になっています。その差はわずか20円ほど。最低賃金が募集時の時給に追いついてきたのです。

2007年の最低賃金法改正以降、最低賃金の引き上げ額が増加しています。下図(アイデム集計平均時給と最低賃金の推移)をみると、平均時給のグラフがどれも「最低賃金に追いつかれないように」増えているように見えます。2000年初頭に多かった「人が来ないから時給を上げる」という理由よりも、近年は「最低賃金を下回ってしまうことがないよう時給を上げる」という理由が、募集時の時給の見直し要因として増えています。

正規雇用者は減り非正規雇用者は増えた

総務省統計局の労働力調査によると、2018年1~3月平均の正規・非正規の職員・従業員数は合わせて5,540万人、賃金データの蓄積を始めた1994年と比べると764万人の増加です。要因は非正規の職員・従業員数の増加です。正規雇用者と非正規雇用者の比率は1994年当時4:1でしたが、現在は3:2となりました。企業で働く人の約4割が非正規雇用です。

2018年の平均時給は、副都心エリアの一般事務は1,060円、清掃作業員は1,117円、コンビニスタッフは1,066円でした。1994年と比べると146~280円増ですが、この間に最低賃金は351円上昇しています。今後も最低賃金が3%ずつ上がっていくとしたら、東京はすぐに1,000円を超え、「追いつかれないように」平均時給も上昇するでしょう。パート・アルバイトを「安く雇える」時代は終わったのではないでしょうか。

2010~2018有効求人数と有効求職者数の推移

★M字カーブがゆるやかに★

2014年、労働力率のM字カーブが解消傾向にあることが見られました。M字カーブとは、女性の年齢階級別の労働力率をグラフで表したときに描かれる曲線です。出産・育児期にあたる20~30歳代で就業率が落ち込み、子育てが一段落した後に再就業する人が多いことを反映しています。解消要因として、結婚・出産後の再就職や、休職後に職場復帰する例が増えてきたことがあげられます。2000年以降、育児介護休業法、パートタイム労働法、男女雇用機会均等法の改正が相次いだことで、仕事と育児・介護の両立支援制度が広まっていったとも考えられます。「子供ができても、ずっと働き続けるほうがよい」という意識に社会全体が変わってきていることも影響しています。

図:女性の年齢階級別労働力率の推移

女性の年齢階級別労働力率の推移

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