人事制度の改定に伴う、減給等について
等級制度および、賃金制度の改定に伴い、2つご相談があります。
【減給について】
人事制度の改定に伴い、一部社員の給与が昇給または、減給になる予定があります。
昇給については、問題ないと思いますが、新しい制度だと一部社員の給与が最大で10万円ほど減給になってしまう可能性があります。
理由としては、これまできちんとした評価制度がなく、等級に関係なく給与が昇給していました。
そのため、長年勤めていた従業員の等級および、賃金が、新しく改定する人事制度とつりあいません。
年に2回ある給与改定時に、人事制度に準じて、月給の10分の1ずつ減給していいのでしょうか。
それとも、何かいい方法はありますでしょうか。
もちろん、本人にも等級に見あった成果を出してもらえるように、お伝えする予定です。
【役職手当について】
これまで役職手当がなかったため、これを機に役職手当も導入したいと考えております。
役職手当は、管理職および、専門職の両方で導入したいと考えております。
その場合、これまで「基本給」だけだった給与を「基本給+役職手当」にする場合、以下のように改定することは、従業員への不利益になるでしょうか。
現行:基本給 40万円
改定:基本給 34万円 + 役職手当 6万円
お手数をおかけいたしますが、ご教授いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
投稿日:2019/12/16 23:59 ID:QA-0089161
- ★★★さん
- 東京都/情報処理・ソフトウェア(企業規模 31~50人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、まず減給につきましては、当然ながら重要な労働条件の不利益変更になりますので、労働者の個別同意を得て変更される事が求められます。
10%もいきなり減給されるとなれば同意を得る事は困難と思われますので、数年程度は調整手当等の名目で現行給与を補てんされる等の激変緩和措置を採られる事が必要といえます。
また役職手当新設に関しましては、それに伴い基本給の減額をされる事は支給総額が変わらなくともやはり不利益変更に該当するものといえます。従いまして、こちらも同意を得る事が原則として求められますが、手当新設自体が一種の調整措置と思われますので、労使間で真摯に協議される事で対応出来る可能性が高いものといえるでしょう。
投稿日:2019/12/17 09:26 ID:QA-0089166
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
賃金制度の改訂
▼一周遅れを、先ず、次の二周で取り戻そうという、結構、ドラスティックな改訂状況ですね。現行の既得権の観点から言えば、(高邁な議論は別にし。表現に問題ありかも知れませんが)、賃金増減面での勝ち組と負け組に分かれる社員間の感情という難敵を相手にしなければなりませんからね。
▼以下、現行の内容の詳細どころか、概要も分からない状況でのコメントであることを念頭に入れておいて下さい。
【減給について】
▼新制度に各人の現行等級・号俸を、機械的に置き直すと、10万円レベルで過不足が発生するのは珍しいことではありません。この過不足は、新賃金から別管理し、一定のルールで漸増減、設定期間後にゼロ化(全廃)することにします。過渡的措置は、激変回避。軟着陸、バッファーなどと呼ばれます。
▼この措置は、会社の負担能力、労組との交渉、従業員へのインパクト等、様々な要素を勘案して決めることになります。然し、百家争鳴ではもたつくだけです。会社として、揺るぎのない「基本方針先ずありき」です。回答者としては、プラスマイナス・ゼロ方針です。(説明省略)
【役職手当について】
▼「賃金体系は、会社の経営方針の鏡」と言い、一見して、ある程度、人事管理方針が伺えるものです。今回の役職手当の新設(尤も、当面は、基本給の一部の分離・独立)には、役職者の責任・権限を明確にし、経営体制を強固にしようという意図が伺えます。尚、ご質問の分離は、一概に不利益措置とは言えません、制度改定全体の中で判断すべきです。
投稿日:2019/12/17 12:16 ID:QA-0089175
プロフェッショナルからの回答
対応
減給:不利益変更になり、またその幅も10%ときわめて過酷なものになりますので、不利益変更として本人同意をていねいに得る必要があるでしょう。
通常は制度を発表して2~3年適用、それまで漸次手当などでゆるやかに着地する方法を採ります。
役職手当:不利益変更になると考えられますので、本人同意を取り付けておくのが無難だと思います。
投稿日:2019/12/19 09:18 ID:QA-0089226
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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