営業目標未達成を理由とした解雇
最近のIT業界ですと、営業成績が未達成との理由だけで解雇するケースがあります。とりわけ、外資系のCountry Managerや営業部長クラスに多く見られます。セールスサイクルの長い製品(1年以上)にもかかわらず、6ヶ月程度で解雇して、再度、人材紹介会社に求人依頼しているケースを、私自身が目撃しています。時期的には年末と年度末(3月)多く見られます。
営業目標未達成を理由とした解雇が(万が一、裁判になった場合でも)認められる基準はあるのでしょうか?
ご回答をお待ち申し上げております。
投稿日:2007/05/24 18:10 ID:QA-0008519
- *****さん
- 東京都/HRビジネス(企業規模 1~5人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談のような目標未達成による解雇は、その多くが一時的な成績不振のみを理由としており、改善の可能性が残されているにも関わらず安易に行われているというのが実態といえます。
一般的な解雇に関しては、判例上でも
・労働能力が平均的な水準に達していないというだけでは不十分であり、著しく労働能力が劣り、しかも向上の見込みがないときでなければならない(平成11年10月セガ・エンタープライゼス事件)
・単なる成績不良ではなく、企業経営や運営に現に支障・損害を生じ又は重大な損害を生じる恐れがあり、企業から排除しなければならない程度に至っていることを要する(平成13年8月エース損害保険事件)
といった厳しい解雇基準が求められています。
しかしながら、その一方で文面にございますような「地位を特定して採用された上位管理職の労働者」に関しましては
・人事本部長という職務上の地位を特定し、特段の能力の存在を期待して中途採用した場合、その地位に要求された業務の履行又は能率がどうかという基準でその適格性を検討すれば足り、また会社としては配置転換等による解雇回避の義務も生じない。(昭和57年2月フォード自動車事件)
と、成果主義導入の流れもあって比較的緩やかな条件で解雇が認められています。
他にも多くの解雇を巡る判例が出ていますが、地位特定者の解雇の場合には、雇用契約時にどこまで要求される職務水準を明示しているか、解雇に至る経緯において労働者と誠実な話し合いがなされているか等が重要になるといえるでしょう。
文面に限りがありますので、十分な説明でないと思われますが、参考にして頂ければ幸いです。
投稿日:2007/05/24 23:29 ID:QA-0008522
相談者より
早速、ご回答いただきましてありがとうございました。
実際のところ、服部様から例示のありました「フォード自動車事件」ですが、これは某IT会社から転職したものの、フォード社のやり方などになじめなかったため、某IT会社への復職をフォード社が依頼していたにもかかわらず、円満退社を当人が拒否したいきさつもあり(判決文を読んで、この事情が記載されていたのを覚えています)今回の私の質問のお答えとしては、ややずれているように思えます。
せっかく、お答えいただきましたが、上位管理者の営業職の他の例を、もう少し、ご教示いただけますと幸いです。
繰り返しの依頼になり申し訳ありませんが、何卒、よろしくお願いします。
投稿日:2007/05/25 08:15 ID:QA-0033416参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度ご相談の件で‥
こちらこそご返事頂き有難うございます。
上記の件ですが、直接ご連絡頂きお答えさせて頂きましたので、こちらでの具体的回答は割愛させて頂きますが、丁寧にご説明頂きました件感謝しております。
ご相談の件に限らず、解雇の妥当性につきましては、時代背景、個別事情によってもかなり違ってきますので、今後の判例にも注目しながら慎重に判断を進めることが必要と感じております。
投稿日:2007/05/25 11:13 ID:QA-0008526
相談者より
投稿日:2007/05/25 11:13 ID:QA-0033418大変参考になった
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