出向先からの再出向について
海外への出向についてご相談させてください。
A社からB社へ出向させ更にC社へ出向させたいと考えております。
A社はB社の100%出資の子会社
C社はB社の海外拠点
今回、B社からの依頼で海外への出向を検討しております。
しかしながら、海外へ出向させた経験もありませんし、実務を行える人物がいない会社です。
またビザ、労務費の請求等、語学も対応できる人材はいません。
B社は通常でも、海外赴任者もいて、業務は実施しております。
B社からの依頼を受けA社においても出向者のスキルアップ含め実現したいと考えております。
出向者も本件について前向きに考えております。
このような場合においても上記のような形態での出向は避けた方が良いでしょうか。
ちなみに海外拠点は中国です。
大変申し訳ございませんが、法的に問題なく、A社の負担が少なくなるようなお知恵を
お貸し頂ければと考えますのでよろしくお願い致します。
投稿日:2017/05/11 08:58 ID:QA-0070455
- やしぞーさん
- 福岡県/輸送機器・自動車(企業規模 101~300人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
再出向、即、違法ではないが、強い合理的理由が必要
▼ 出向の目的はいくつかに分類できますが、それぞれに、強い合理的理由が要求されます(労働契約法第14条)。同法では、使用者が出向を命ずる権利がある場合であっても濫用である場合には無効と定めています。
▼ ご相談の再出向は在籍出向と解されるので、雇用関係が、A,B,C各社との間に生じることになります。出向には、出向元・出向先間の「出向契約書」と出向元・出向者間の「出向合意書」が必要ですが、今回の事案では、前者に就いては、「A,B,C3社間の共同契約書」が要求されることになります。
▼ 再出向に関する法的な定めはありませんが、出向の渡り鳥化には、隠れ派遣の懸念が生じます。ご説明に関する限り、出向目的が「自社にない技術などを習得させる」ことにあり、それ自体は合理的な出向事由だと思います。
▼ 再出向自体が違法だと定められている訳ではありませんが、「複数企業間の渡り鳥化」の印象を与えやすく、余程シッカリした、合理的理由(三社の役割の明確化)がないと、問題化する可能性があります。
▼ 最後の「A社負担の極小化」に就いては、負担人件費、技術習得費用等に就き、三社間の協議で対処して頂くしかないと思います
投稿日:2017/05/11 12:40 ID:QA-0070466
相談者より
ご回答ありがとうございます。
やはり問題はあるようですね。
なかなかしっかりとした、事由は見つけにくいとことが本音です。
本来であれば、B社から出向させればよいのですが、適度な人材がいなかった為、A社に白羽の矢が立ったイメージです。
負担の極小化は費用面ではなく、事務処理負担の意味合いでした。
ありがとうございます。
投稿日:2017/05/11 13:17 ID:QA-0070470参考になった
プロフェッショナルからの回答
再出向について
再出向(二重出向)は、原則禁止とすべきでしょう。
違法とされる二重派遣とは異なりますので、必ずしもそく違法ということではありませんが、出向自体が、出向元・先双方に雇用関係がある特殊な形態です。
さらに、出向先が再出向を行えば、雇用形態はますます複雑なものとなり、トラブルリスクが大きくなります。
このようなケースでは、いったんA社に戻し、A社からC社へ出向させるのが適切と言えます。
投稿日:2017/05/11 18:46 ID:QA-0070477
相談者より
ご回答ありがとうございます。
やはり特殊なケースで、できれば実施しない方が良いとの見解ですね。
ありがとうございます。
投稿日:2017/05/12 09:29 ID:QA-0070488参考になった
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