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【ヨミ】ニジュウハケン 二重派遣

派遣労働者を受け入れた企業が、別の企業にその労働者を派遣し勤務させる行為をいいます。
(2008/3/17掲載)
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二重派遣のケーススタディ

「請負契約」を装い、派遣労働者をまた貸し
労働条件の悪化と雇用の責任のあいまいさが問題に

派遣労働者は、派遣元企業と雇用契約を結び、派遣先企業に勤務します。例えば、派遣労働者がA社という派遣先で勤務しているとします。A社の派遣先指揮命令者(上司)から、B社で勤務するように指示がありB社の指揮命令の下で働かされた場合、二重派遣となります。二重派遣を行っていた企業の多くは、二重派遣先企業から業務を受託する「請負契約」を装って、派遣労働者をまた貸ししていました。

労働者派遣は、本来「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させること」(労働者派遣法第2条・1号)を意味します。二重派遣の場合、A社と派遣労働者との間に雇用契約が結ばれていないため、法律上は労働者派遣に該当せず、A社がB社に労働者を派遣した場合は派遣法違反となります。

二重派遣は、法律上の雇用責任があいまいになるのに加え、労働環境が劣悪になったり、中間業者が入ることで手数料が上乗せされ、賃金が不当に引き下げられる恐れがあるため、職業安定法で禁じられています(職業安定法 第44条「労働者供給事業(労働者供給事業の禁止)」:何人も、次条に規定する場合を除くほか、労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない)。違反した場合は二重派遣先の企業も「労働者供給事業」に関わったとして、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に問われることになります(同法64条)。

派遣労働者の職場は、1999年の派遣対象職種の原則自由化をきっかけに拡大の一途をたどりました。有期雇用や雇用期間の上限延長などで、派遣の雇用形態も多様化しています。また、必要な人員の確保が迅速かつ容易でコストが割安などの理由から、正社員ではなく派遣社員の需要は高まり続け、派遣労働者数も増加しています。しかし一方では、労働者派遣法で禁じられている港湾運送業務への違法派遣が明るみになるなど、相次ぐ違法行為が問題視されてきました。

不当な労働行為の温床となっている日雇い派遣の規制を強化するため、厚生労働大臣の諮問機関である労働政策審議会職業安定分科会民間労働力需給制度部会は派遣元に対して、労働者に労働時間や賃金などの労働条件を書面で示すことや、派遣料金・実績の情報公開を求めるほか、派遣先にも4月から就業場所の定期的な巡回や管理台帳の作成を義務付ける方針を明らかにしました。二重派遣を防止する狙いがありますが、指針に罰則はなく、効果を疑問視する声も出ています。

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