役割等級の運用について
役割等級の運用についてご指導願います。
同一等級同一役割が原則であるという認識はあるのですが、たとえば役割等級定義と照らし合わせたときに、上位等級の役割の一部を既に担っている場合、その者は上位等級に昇進させるべきなのでしょうか?それとも、等級定義の全項目の役割を担う立場にならなければ、昇進させてはいけないのでしょうか?また、下位等級のままであっても、上位等級の一部の役割を担当させてよいのでしょうか?
投稿日:2006/12/18 20:11 ID:QA-0006958
- *****さん
- 東京都/その他業種(企業規模 1~5人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
従業員が現状担っている役割と実際の等級との間のズレにつきましては現実によく発生することです。
ご指摘の「上位等級の役割の一部を既に担っている」ということもそうですが、その事実だけをもって昇進させることは上位等級において十分な役割を果たしえない可能性もありますので避けるべきでしょう。
役割等級制における昇進の決定に関しましては、現に果たしている役割への評価と共に、「昇進後の役割を十分果たすことが期待できるか」といった部分の判断を行うことが必要です(その為の手段としまして、通常は昇進試験や面接等を実施します)。
但し、役割等級制と言いましても個々の役割の内容・区分等は各社の制度によって様々ですので、ご質問の文面にありますように「○○の場合には昇進させるべき」とか「昇進させてはいけない」といった形の決め付けを一様にすることは出来ません。
仮にそのような厳格なルールを作ってしまうと、人事運営の裁量が狭くなり、業務実態に合わない組織となってしまうでしょう。
あくまで実際のポスト状況・人員配置の必要性を考慮に入れた上で昇進を行えるよう、フレキシブルに対応出来る仕組みにしておくべきと思います。
投稿日:2006/12/18 22:21 ID:QA-0006959
相談者より
投稿日:2006/12/18 22:21 ID:QA-0032827大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
役割等級の運用について
ご質問についで、まず「役割等級制度」のあり方について、その会社の目指す能力主義や成果主義がどのような内容なものかによって大きく変わってくるかと思います。
先日、現在導入されている成果主義人事制度について体系的に整理されている大学の先生の話を聞きましたが、現在の日本の企業で導入されている人事制度における役割の定義は、企業によってもかなり異なりますが、多くはアメリカ型の職務等級制度とは異なって職務分析から導かれる明確なものとはいえないようです。例えば降級などについても実際は慎重に運用しているところがほとんどです。一方でこのことは、アメリカ型の明確な基準に従って担当する仕事に直結させればうまく機能するわけではないことも指しています。
すなわちポスト昇進については組織の必要性に基づいて合理的に行うべきであり、役割等級の昇格については、職能基準も含めて長い目でみて総合的に評価するという柔軟な制度、運用が現実であるといえましょう。恣意的に流されるリスクはありますが、概念的に、「~しなければ絶対に昇進できない」と基準を狭く設定するよりも、(真の意味で)上位の役割を総合的に担う立場にあるかどうかという見方が重要になってくるかと思います。ご質問のように、昇進させることはできないので上位等級の役割を担当させられないという事態は問題だと思います。
以上、詳しくは拙著「役割能力等級制度の考え方・進め方」〔インデックス・コミュニケーションズ〕をご参照ください。
投稿日:2006/12/19 10:08 ID:QA-0006965
相談者より
投稿日:2006/12/19 10:08 ID:QA-0032829大変参考になった
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