遅延証明書のある日常的な遅刻への評価
従業員30名以下の都内にある中小企業です。
遅延証明書のない遅刻に関しては3回で1回の欠勤など明確な社内規定があります。
山手線や地下鉄などは毎日5分~10分の遅延は日常的に遅れるものですが、その遅延の度に5分~10分の遅延証明書を提出し、遅刻をする社員がおり頻度は月に2~5回程度です。
また、遅刻をしない日はほぼ毎日9:00ちょうどまたは8:59にタイムカードを押しています。
本人としては不可抗力での遅刻ということでしょうが、会社としてその社員に遅延を予測した出社を促したり、注意あるいは賞与支給の際の評価を下げる理由として用いて良いものなのでしょうか。
ご意見をいただければ幸いです。
投稿日:2014/07/08 13:13 ID:QA-0059502
- ぬらりさん
- 東京都/繊維製品・アパレル・服飾(企業規模 11~30人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
遅刻と遅延証明書について
遅刻と遅延証明書の関係については、会社のルールによります。
文面から、遅延証明書がなければ、3回に1回で欠勤というのは、
懲戒処分としてですが、
遅延証明書があれば遅刻とみなさないという規定はないようですね。
遅延証明書があっても、遅刻した分は、賃金カットしても問題はありません。
さて、労働契約では、9:00~労務提供することが、労働者の義務ですから、
労働者が何時に家をでるかは、労働者の自己責任での管理となり、
会社としては、9:00~労務を提供してもらう権利があるわけです。
ぎりぎりに到着で、よく10分遅れるようでは、周りにも示しがつきません。
ただし、労働契約について、理解していなかったり、
社会人としての自覚がないケースも多々ありますから、
会社としては、注意・指導すべきであり、
それでも、遅刻を繰り返すようであれば、懲戒処分も検討する必要があります。
評価は悪くてしかるべきだと思いますが、
それも最終的には、会社の評価基準によります。
投稿日:2014/07/08 16:42 ID:QA-0059504
相談者より
ご回答ありがとうございました。
会社のルールによって注意して良いのですね。
大変参考になりました。
現状のルールでは以下のようになっております。
「始業時刻に遅刻した場合、当該不就労時間においては賃金を支給しない。ただし、交通機関の遅延による遅刻の場合、遅延証明書を提出した場合にはこの限りではない。」
小高様のご指摘を踏まえると就業規則を一部変更したほうがよろしいでしょうか。
投稿日:2014/07/08 17:54 ID:QA-0059505大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
私は、改定することをお勧めします。
会社の慣習や考え方によりますが、
東京の会社で山手線や地下鉄通勤者がいて、5~10分日常的に遅れるので
あれば、その程度の遅れは見越して出勤するのが当然です。
不可抗力で遅刻というのは、車両故障や人身事故など大きな遅れを想定すべきと思います。
9:00までに通勤するのは、労働者の債務だからです。
どのように改定するかは、様々ですが、
最低限、遅延証明書を提出して、「かつ、会社がやむを得ないと認めた場合」としたり、
「ただし、日常的なダイヤの乱れ等は除外する」とするなどが考えられます。
投稿日:2014/07/08 18:26 ID:QA-0059506
相談者より
具体的な文例までいただきありがとうございます。
早速社内で検討いたします。
ご丁寧にありがとうございました!
投稿日:2014/07/08 19:25 ID:QA-0059510大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 大隅 隆行
- 株式会社ビジネスブレイン太田昭和 人事コンサルタント/社会保険労務士
注意・指導は可能。賞与の評価については取り決め(規程)による。
労働者には所定の始業時間に出社して役務を提供する義務があり、電車遅延等の不可抗力による遅刻についても、不就労分の賃金控除は本来可能です(ノーワークノーペイの原則)。遅延証明書がある場合に定時出社の扱いとするかは会社の裁量(規程)によることになります。
一般的には、遅延証明書がある場合には温情的に定時出社扱いとして遅刻控除をしない会社が多いようですが、遅延証明書を免罪符のように考え常習的に遅刻を繰り返す社員がいる場合には、他の社員への影響もありますので、対策を取られたほうがよろしいでしょう。
始業時間に間に合うよう余裕をもって出社することを注意・指導することは、契約上の義務の履行として当然に認められますので、まずは注意・指導(口頭だけでなく書面で行う)の上、繰り返しの注意・指導にもかかわらず反省・改善が見られない場合には就業規則に基づく懲戒処分を検討されると良いかと思います。
併せて、遅延証明書のある遅刻についても「同じ月に●回目以降は遅刻控除を行う」など、規程を変更することも検討されてはいかがでしょうか。
また、賞与の金額をどのように計算するかは会社の裁量(規程)によりますので、取り決めによって、遅延証明書のある遅刻についてもマイナス査定の対象とすることは可能です。
投稿日:2014/07/08 18:42 ID:QA-0059507
相談者より
ご回答ありがとうございます。
遅延証明書は温情としての判断材料なのですね。
自宅を早く出るよう会社が要求することがパワハラにつながらないかと不安に思っておりました。
社長やその社員の上司にも伝え、まずは口頭で注意することから始め、後日就業規則の見直しをしたいと考えております。
ご丁寧にありがとうございました。
大変助かりました。
投稿日:2014/07/08 19:30 ID:QA-0059511大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御社地域の交通事情に関しまして詳細は存じ上げませんが、「毎日5分~10分の遅延は日常的に遅れるもの」という事であれば、当然ながら余裕を持って出社するべきといえるでしょう。
従いまして、いきなりのマイナス評価は避けるべきでしょうが、遅延を予測した出社を促す事は問題ないですし、労働契約を遵守する上で当人にもそうした行動を取る義務があるものといえます。他の社員の殆どが遅刻していないという事であれば、公平性の観点からも改善が見られない場合には人事評価上何らかの差を付けてしかるべきというのが私共の見解になります。
投稿日:2014/07/08 20:05 ID:QA-0059513
相談者より
ご回答ありがとうございます。
やはり段階を踏んで評価につなげることが大事という認識が持てました。
評価を下げることが目的ではなく、改善を求めて社内の秩序を保つことが大事という点を忘れずに仕組みを作っていきたいと考えております。
ありがとうございました。
投稿日:2014/07/09 09:08 ID:QA-0059522大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
人事考課
賞与算定に、ダイレクトに結びつけますともめる恐れがありますので、単に業務への服務規律ということで、人事考課で評価をしてはいかがでしょうか。ただし有能な営業職や企画職等、時間管理と成果が一致しないような有能な社員であれば、「休まず、遅れず、働かず」のようなぶらさがり社員とは分けて評価する手もあります。
投稿日:2014/07/08 23:29 ID:QA-0059520
相談者より
ご回答ありがとうございました。
ご指摘いただいた通り、仕事上でのパフォーマンスと勤怠に関する評価は区分けして考えるようにいたします。
ありがとうございました。
投稿日:2014/07/09 09:12 ID:QA-0059523大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
時間給従業員の遅延 時間給従業員が電車などの公共交通... [2010/06/03]
-
遅刻・早退の定義について 遅刻及び早退の定義に関して教えて... [2006/01/13]
-
遅刻を理由に賞与を減額することができるか 賞与支給時に欠勤を控除しておりま... [2018/04/12]
-
フレックスタイム制の電車遅延等による遅刻について 時給制のアルバイトについては、電... [2009/10/07]
-
事業場外労働のみなし労働制について この場合は、遅刻早退が関係ないこ... [2009/10/06]
-
賞与に関する就業規則について 賞与に関する就業規則についてご相... [2021/07/02]
-
旅行中に起きた天災による遅刻について 当社では台風や天災などによって公... [2017/10/23]
-
早退・遅刻の時間上限の設定について 早退や遅刻をした場合、その時間分... [2024/11/12]
-
遅刻や提出物遅延の人事評価について 弊社では、遅刻や社内提出物(研修... [2018/02/06]
-
店舗勤務者の欠勤・遅刻に対する評価について 店舗勤務者(正社員・契約社員)の... [2005/05/27]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
納期遅延の承諾書(見本2)
取引先から納期遅延の相談を受けた際に、承諾する旨を伝える文例です。
勤務間インターバルの規定例
勤務間インターバル制度を就業規則に規定するための例です。
納期遅延の承諾書
納期の遅延を承諾する際に使用できます。そのほかさまざまな承諾の文例としてご使用ください。
賞与計算規定
一般的な賞与(ボーナス)計算式を記載した規定例です。計算要素として人事考課と出勤率を組み込んでいます。自社の賞与計算要素に合わせて編集し、ご利用ください。