フレックスタイム制の事前申告制の是否
当社では10年前からフレックスタイム制を導入しておりますが、特に、朝の出社がルーズになる社員が多く、特に経営層のなかで規律の弛緩として問題視されています。
そこで、導入をした担当としてはフレックスタイム制の功罪を理解したうえで、継続するための案を検討しているところです。
朝の出社のルーズさを解消することを目的として、出社時間帯のフレックスタイム利用について、月単位で事前申請させる仕組みに見直しが出来ないか考えております。
法の解釈として許容されないのであれば取りえない選択肢のため、専門家の皆様のご見解をいただけますと幸いです。
当社のフレックスタイム制の概要
コアタイム 10:00~15:00
フレキシブルタイム(始業時間帯) 9:00~10:00
フレキシブルタイム(終業時間帯) 15:00~19:15
投稿日:2013/07/10 23:05 ID:QA-0055297
- *****さん
- 東京都/不動産(企業規模 1001~3000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
フレックスタイム制について
フレックスタイム制というのは、出退勤の時間を、フレキシブルタイムの中で労働者が
自由に選択できる制度ですから、月単位の事前申請は、趣旨が異なり、労基法上の
フレックスタイム制度には、該当しなくなります。
経営層が、朝の出社がルーズだと考える理由としては、
会社のフレックスタイム制を理解していない、あるいはフレックスタイム制が、
業務上あわなくなっていることが考えられます。
コアタイムに出社しているにもかかわらず、問題視するほうが問題です。
そもそもなぜフレックスを導入したのでしょうか。
また、事前申請にするのであれば、フレックスを廃止する、あるいは、他のルールを
検討し、導入するべきです。
投稿日:2013/07/11 11:15 ID:QA-0055302
相談者より
ご回答ありがとうございました。
経営層の要請を考えるよりも別の方式、フレックスタイム制の廃止を検討したいと存じます。
投稿日:2013/07/11 11:47 ID:QA-0055306大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
フレックスタイム制の廃止も視野に入れて検討
フレックスタイム制においては、 始業、終業の時刻を労働者の決定に委ねていますが、 委ねた以上、 コアタイムまでの始業時刻も、 指定できません。 然し、 このことは、 使用者の労働時間の把握義務を免除したものではありませんので、 「 朝の出社がルーズ 」 というのが、 出社時刻を正確に把握できないような状況ならば、 タイムカードや、 ICカード等の客観的な記録媒体の採用も検討しなくてはなりません。 但し、 ご質問の、 「 月単位で事前申請 」 の制度化は、 始業・終業の時刻に就いての労働者の決定の自由性を損なう可能性があります。 他方、 御社のコアタイムは割合大きく、 殊に、始業時の自由巾は、 1時間に過ぎません。 社員に対し、 現状のルーズな状況を厳しく指摘し、 規律・秩序の回復を図るのが正道ですが、 場合によっては、 1時間に過ぎない始業時フレック巾の短さに鑑み、 フレックスタイム制の廃止も視野に入れてご検討されるのも有力な選択肢だと思います。
投稿日:2013/07/11 11:17 ID:QA-0055303
相談者より
ご回答ありがとうございました。
経営層の要請を考えると別の方式や、フレックスタイム制の廃止を検討したいと存じます。
投稿日:2013/07/11 11:48 ID:QA-0055307大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂きまして有難うございます。
事前申告制自体が直ちに法令違反となるわけではございませんが、結局フレックスタイム制の下では、コアタイム部分を除くまして遅刻・早退等の適用が認められませんので注意が必要です。各従業員の大まかなスケジュールを把握しておきたいといった主旨のみであれば差し支えないでしょうが、午前の出勤予定を変更した場合にペナルティが科せられるとなればフレックスタイムの自由出勤制に反しますので不可といえるでしょう。但し、コアタイムに遅れる分につきましては、契約違反行為といえますので、就業規則に基き制裁措置を行う事も可能になります。
投稿日:2013/07/11 11:59 ID:QA-0055309
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2013/07/11 12:34 ID:QA-0055311大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
フレックスタイム
フレックスタイムの主旨と経営層のご意見が噛み合っていないように感じます。「朝の出社がルーズ」の意味をもう少し具体化されないと対策が立てられないのではないでしょうか。フレックスタイム制であるにもかかわらず、定時出社を求めるのであればフレックスタイムの主旨と合いません。何より成果達成が制度導入後どう変化したかの結果判定も重大な判断要素ですので、情緒的な意見に左右されず、きちんと人事政策に基づき経営判断されるのが良いのではないでしょうか。
投稿日:2013/07/11 20:04 ID:QA-0055318
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2013/07/11 20:25 ID:QA-0055319大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
場合によっては、制度廃止を含めてご検討されたほうがよろしいでしょう。
ご質問のフレックスタイム制での「出勤時間のルーズさ」についてですが、コアタイムの遅早退・欠勤がある認識で回答いたします。
出勤時間の事前申請は、コアタイムの遅刻または欠勤の抑制に一定の効果はありますが、会社が出退勤時間を定める等の運用は認められていないため、出勤時間の拘束力はございません。
事前申請の運用について、本人からの単なる届出制とすることは可能ですが、例えば、会社が原則9:00の出勤時間を定めており、本人が10:00出社する際に、事前の申請が必要になる場合は、フレックスタイム制と認められません。
また、フレックスタイム制では、清算期間の総労働時間を満たしている限り、コアタイムの欠勤・遅早退といえども控除できませんが、コアタイムの出勤状況について、昇給や賞与などの評価対象として反映することは可能です。
(コアタイム評価対象項目として、本人にわかるように明細へ表示する方法もございます。)
フレックスタイム制は、出退勤時間を従業員に委ね、それぞれに応じた働き方で個々の業務効率を上げるための制度です。
制度の趣旨を踏まえると、出勤時間のルーズさの解消は難しい問題となりますので、場合によっては、制度廃止を含めてご検討されたほうがよろしいでしょう。
投稿日:2013/07/24 22:18 ID:QA-0055444
相談者より
コメントありがとうございます。
投稿日:2013/08/02 08:10 ID:QA-0055598大変参考になった
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