洗い替え方式を社員に理解させる方法について悩んでいます
人事制度の運用についてご相談させていただきます。
弊社は2009年に人事制度を変更いたしました。
従来はいわゆる「長く勤めた人に厚い人事制度」であり、降格・減給はまったくありませんでした。
そこで、新しい人事制度は「がんばった人・能力のある人に厚い人事制度」に変更しました。
その特徴を最も現したものが「成果手当」の導入です。
当社は半期ごとに評価を行い、その結果で成果手当を毎回変更する「洗い替え方式」を取り入れました。
評価はS・A・B・C・Dの5段階で、B評価が中心となり、SAは昇給、CDは減給となります。
その結果、確かに課題達成に対する意識が高まったのですが…。
その弊害として、優秀層の社員から「せっかく前回Sをとったのに、今回はA評価だったから減給になった」という不満の声が上がってきました。
そもそもB評価が普通で、Aをとっていること自体が高い評価=報酬を得ているのですが、そう感じられていない現状は、社員が「洗い替え方式」を理解していないことが原因だと考えております。
社員に洗い替え方式を理解してもらい、毎回課題達成に向けて前向きになってもらうためにはどのような方法をとるのが良いのでしょうか?
ぜひ具体的な方策としてご指導いただければと存じます。
何卒よろしくお願いいたします。
投稿日:2012/07/23 10:50 ID:QA-0050554
- よーこりんさん
- 東京都/販売・小売(企業規模 501~1000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
おっしゃる通り、現状の社員の不満の原因は「洗い替え方式」を正しく理解していないことに尽きると思われますね‥
対応としましては、もう一度全従業員を対象とした人事制度の説明会を開催し、制度変更の主旨やメリットをしっかり説明し減給目的の変更ではない事を明示すること、「洗い替え」が年次昇給の仕組みではない事を明確にされること、基本はB評価で通常の手当額となること、S・Aはそれより高い評価なので手当額が通常より高くなっていること及びC・Dはその逆であることを丁寧に説明されるべきです。難しい人事用語を沢山使うよりは出来るだけ聴く側の立場に立って分かりやすく説明されるべきですので、余り難しく考える必要はございません。
年次昇給制度に慣れてしまっている社員も多いはずですので、そうした固定観念を除去されるよう尽力する事が人事担当における最大の責務ともいえるでしょう。
そして、一方的な説明に終始することなく、疑問を持つ従業員の質問に対しても誠実に回答されることも非常に大切です。
投稿日:2012/07/23 11:31 ID:QA-0050557
相談者より
ご回答ありがとうございます。
やはり社員の洗い替え方式に対する理解を深める活動が重要なのですね。
弊社は地方社員や現場社員も多いので全社員対象の説明会を開催することが難しいという悩みがあります。(前回、人事制度導入の説明会は2ヶ月間のキャラバンでした)
同様の会社様の事例などお伺いできれば幸いです。
投稿日:2012/07/23 11:49 ID:QA-0050558参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
ひょっとすると、思っているほど、高い効果がないのかも・・・
「 洗い替え 」 という言葉自体は、今なら誰でも知っている 「 リセット 」、 つまり、初期状態に戻すことですから、社員が 「 理解していない 」 のは、「 何故、リセットするのか 」 という 「 成果手当 」 の存在自体の負の効果に対する不満かも知れません。 具体的な手当内容は分りませんので、社員の理解を深める活動は欠かせませんが、「 ひょっとすると、会社が思っているほど、高い効果があったのか 」 という面から、冷静に再評価する選択肢も忘れないことが大切な気がします。
投稿日:2012/07/23 13:57 ID:QA-0050563
相談者より
ご回答ありがとうございます。
ご指摘の通り、『理解していない』ではなく『不満』なのかもしれません。社員のモチベーションを上げるための成果手当導入ですので、社員ヒアリングなどを行い、より良い方法がないかを検討してみます。
投稿日:2012/07/25 13:56 ID:QA-0050622参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
こちらこそご返事頂き感謝しております。
前回は2ヶ月間のキャラバンでの説明会だったのですね‥ ご苦労様でした。
但し、せっかくそれだけの手間を掛けながら要点が伝わっていないというのでは余りに業務ロスが多くなってしまいます。
詳しい他社事例までは存じ上げませんが、一斉開催が困難なようであれば、きちんとした説明会資料を作成し各事業所に配布し電話やメール等でしっかり打ち合わせをされた上で、個々に開催してもらうというのが妥当です。
その際、各事業所の責任者に対し開催日時予定及び結果に関する報告を必ずしてもらうことが求められます。そうでなければ、実際にはやっていなかったという事業所があって後にトラブルを招きかねません。その上で、大きな問題がある事業所については人事担当者が訪問して自ら説明されるべきといえます。
投稿日:2012/07/23 22:44 ID:QA-0050566
相談者より
さらにご回答いただきありがとうございます。
社員の制度に対する理解度を上げていくための啓蒙活動を、説明会を含めて検討してまいります。
投稿日:2012/07/25 13:58 ID:QA-0050623大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
地道な説明
主旨と実際が一致しておられるのですから、展開として間違っていない施策と思います。ご指摘のように単に理解不足の社員については、地道に説明を繰り返すことが結局定着や成果につながるのではないでしょうか。もし何度説明しても仕組みが理解できないとすれば、それはそれでマネジメント能力が疑われることになります。
また現実的に全社的な説明がかなりのコストや著しい手間であれば年2回を年1回にするなども、御社の事情を勘案して検討されてはいかがでしょうか。一般論ではなく、あくまで御社の経営状況、方針との兼ね合いでのご判断が重要と思います。
投稿日:2012/07/23 23:30 ID:QA-0050569
相談者より
ご回答ありがとうございます。
ご回答を拝見していて感じたのですが、社員は「理解」していないのではなく「納得」していないのだと感じます。
説明会など、理解を深める活動を進めつつ、管理職を巻き込んで納得してもらうような施策を検討してまいります。
投稿日:2012/07/25 14:03 ID:QA-0050624参考になった
プロフェッショナルからの回答
導入した制度に対する精査をしてみたらいかがでしょうか。
御社の制度を運用に定着させるには、再度、制度を理解してもらうための説明する場を設けることが第一になります。制度における会社の意図や期待するものを明確に伝えることで今回の不満の根本的解決を目指されてはいかがでしょうか。
しかし、制度を導入してから数年間を経てこの様な意見があるのは、御社において制度が効果的に機能していない可能性も伺えます。この機会に会社全体で、この制度がモチベーションアップにつながっているかを続けていくメリットがあるのか、精査をしてみても良いかと思います。
今回の件では、次の3つの場合が想定されます。
1,制度は効果的に機能しているのだが、制度主旨の理解がすすんでいない場合。
2,そもそも制度が御社の実態とマッチしていない場合。
3,制度は効果的に機能しているのだが、優秀者に対する報酬が適当でない場合。
1,→制度の理解を求める場を再設定すべきでしょう。
2,→制度の見直しを検討したほうがよい可能性があります。成果に対する評価基準が見えにくいなどの問題があります。
3,→評価基準の再検討を考慮する必要があるかもしれません。また、優秀者に対して成果手当とは別に、例えば表彰などを行う方法もあります。給与面以外で優秀者をねぎらうことも有効となるでしょう。
貢献度に応じ、優秀者に対して配慮を行うことも重要ですが、まず導入した制度が効果を上げているか精査することが優先されるのではないでしょうか。
その上で、制度の再検討が必要なのか、話し合いによる相互理解の場を設ければよいのか、対応が変わってくるのではないかと考えます。
投稿日:2012/07/26 22:43 ID:QA-0050660
相談者より
ご回答ありがとうございます。
ケースを分けてのご説明、大変理解しやすいです。
幸い、全社向けのアンケートの仕組みがありますので、精査を行ってみようと思います。
投稿日:2012/07/30 14:21 ID:QA-0050702大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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