健康診断の要精密検査判定者に対する事業主(会社)側の対応
たびたびこちらを活用させていただいており、いつもお世話になっております。
当社では、健診の要精密検査判定者には受診勧奨しておりません。
本年より私が健康診断業務を担当することになり、受診勧奨したいと考えております。
また当社には就業規則上本件の言及しているところが無く、産業医と相談し、受診勧奨の第一歩として、「精密検査受診有無の確認」から始めようと考えています。(将来的には精密検査結果の提出までが目標)
しかし本部(本社)は、プライバシーを理由にこの件に慎重な立場で受診勧奨をしないという立場で、私の支部(支社)と見解が異なっています。受診勧奨は良いことであると認識はしているものの、社員によってはしつこく呼びかけが、セクハラやパワハラに似たようなものとして捉えかねないので、受診勧奨はしないという見解です。
法定健診項目については従業員の同意をもって事業主(会社)は責任を持つことになっておりますが、産業医の意見の元、要精密検査の呼びかけや精密検査受診有無の確認は、個人情報的には問題がないと私は考えております。また呼びかけや受診有無も第三者に漏洩の無い手法で行っていけば、プライバシーも保たれると考えております。
様々な情報を調査していますが、納得のいく情報や根拠が見つからなく、困っております。
むしろ本部の立場が妥当なのか?私としましても社員の健康を守っていくために受診勧奨はできる範囲でやっていきたいと考えています。
専門家からのご意見、アドバイスお待ちしております。
何卒、よろしくお願いいたします。
投稿日:2010/12/16 11:15 ID:QA-0024378
- 総務さん
- 東京都/精密機器(企業規模 1001~3000人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
健康診断の要精密検査判定
具体的な事例なのですが、ある病院の師長、そして、ある教員が向精神薬を服用し、そのために副作用で胃腸に障害があり、本当に来るところまで来て、その体調不良が発覚しました。しかし、ここまでこの人たちが病気を明かさなかったのは、精神科受診に対する企業の根強い偏見です。
労働安全衛生法があり、これはとくにブルーカラーを想定していますが、作業がインテンシブになるシステムエンジニア、あるいは一部のホワイトカラーでもこうした法律が適用されます。
指摘されている受診勧奨は確かに方向性として正しいと思いますが、欠勤や、顕著な生産性の低下が見られない限り、社員は会社に対して自分の健康状態についてプライバシーを主張することができると私は考えます。
その理由は、病名が独り歩きし、その程度や度合いを無視して、レッテルが貼られて、もう就業の見込みが薄いとかそういう判断が先行してしまう危険性があることです。そのようになると、労働者には非常に不都合です。
また、疾病や診療内容によって、会社に知られたくない可能性があります。いわゆる内科であれば、偏見が小さいですが、そうでない診療科もあります。
個人的な見解に過ぎないですが、本社の意図に反して、支社が診療勧奨を進めることは適当ではないと考えます。
人事部門などがあればいいですが、支社は直接部門なので、社員の機密管理にも限界があります。
軽いうつになったと告げた途端に休職命令が出てそのまま自動退職、会議欠席を2回したら、休職命令とか…そんな事例は相談案件でも多いです。医師でもない会社関係者が、病状を聞いて復職は無理なので解雇したいという相談もありますし、うつ病なので懲戒解雇したいという話しさえありました。
それだけ、健康状態に関する情報は微妙だということです。
投稿日:2010/12/16 11:30 ID:QA-0024380
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御相談の件ですが、厚生労働省による「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」でも、「事業者は、就業上の措置を決定するに当たっては、できる限り詳しい情報に基づいて行うことが適当であることから、再検査又は精密検査を行う必要のある労働者に対して、当該再検査又は精密検査の受診を勧奨するとともに、意見を聴く医師等に当該検査の結果を提出するよう働きかけることが適当である」とされています。
勿論、診断結果等の情報につきましては厳重に管理する事が必要ですが、強要で無く一般的な勧奨であればハラスメントに該当するものではなく、従業員の健康管理を進めていく上で適切な手段としまして問題はないものといえます。
投稿日:2010/12/16 11:33 ID:QA-0024381
相談者より
服部様
ご回答ありがとうございました。
いただいたご意見、参考とさせていただきます。
投稿日:2010/12/17 09:46 ID:QA-0041871参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
会社レベルで検討し、決定すべき事案
.
■ 確かに、「納得のいく情報や根拠」を一発回答的に求めるのは無理な課題です。厚労省の指針等も、多彩な業種・企業規模に共通項としての通用域内にとどまりますから、自社レベルで咀嚼、応用方法を考えなくてはなりません。企業としての関与を法内最低限に納めれば、従業員の健康・安全衛生面への意識が希薄だと思われ、積極的な精密検査までの個人別管理まで広げるのは、個人情報にとどまらず、様々な好ましくない副作用を生みだす可能性があります。
■ 従って、最善の選択肢は、企業ごとに決めなくてはなりません。回答者としては、医療機関でもない企業ができる、或いは関与すべき一線は越えるべきではないと考えています。ご相談に対する回答としては、本部、つまり、会社のレベルで検討し、決定すべき事案なので、担当部署として、然るべき、手順を経て、上申されるべきだと思います。
投稿日:2010/12/16 12:25 ID:QA-0024382
相談者より
川勝様
ご回答ありがとうございました。
適確なアドバイス、ご指摘、大変ありがたく思います。
会社レベルの決定事項ということで、自分が想像していた以上に大きい案件ですので、しかるべき手順を経て上申し、当社にとって何が最善かを模索してきたいとおもいます。
本当にありがとうございました。
投稿日:2010/12/17 09:51 ID:QA-0041872大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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