合併に伴う給与制度の統一
存続会社:A社、消滅会社:B社の合併を行います。
諸規程、給与制度、評価制度、基本的にA社のルールを踏襲します。
不利益変更のないよう、綿密に合併スキームを練っているところです。
給与制度の統一について。
A社の給与体系は、基本給+職務手当(20時間分の残業見合)です。
B社の給与体系は、基本給1本です。
B社のある社員の基本給が¥300,000だったとします。
総額人件費を同額にしてスライドさせるため、A社の給与体系に当てはめると、基本給¥250,000+職務手当¥50,000=¥300,000と設定しました。
すると、これまでは残業手当の算定基礎は基本給¥300,000に対してであったのに対して、新制度においては20時間分の残業が¥50,000に含まれる事に加え、20時間を超える分の残業手当は、新基本給¥250,000が算定基礎になる、という状況になります。
不利益変更になる要素かと思いますが、A社で運用中のこの制度の乗せたいです。
この不利益変更は、雇用契約書の巻き直しによる本人の合意を得るしか方法はないでしょうか。
投稿日:2010/07/07 21:37 ID:QA-0021570
- *****さん
- 東京都/その他業種(企業規模 31~50人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、合併前の労働契約内容は存続会社に継承されますので、基本的にはご認識の通り個別合意を得て変更される事が求められます。
しかしながら、労働契約法第10条におきまして、「使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。」と定められています。
文面内容からしますと、労働者が特に大きな不利益を被るわけではないですので、労使間で真摯に協議される等上記条文内容を満たしていれば個別合意が無くとも変更は可能といえるでしょう。
但し、合併という緊急事態に関しては労働者側でもある程度理解しうる事からも、変更事情及び内容をきちんと説明されれば同意を得る事自体十分に可能と考えられますので、極力そのような方向で対応されるべきというのが私共の見解になります。
投稿日:2010/07/07 23:22 ID:QA-0021576
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
合併後の職務手当
職務手当を残業見合いで支給する方法はあまり好ましくないです。職務手当を払ってもなお残業代を払う責任が生じる可能性があります。制度としてはB会社が基本でしょう。
ただし、合併は重大な変更なので、一方の制度に合わせることはやむを得ないことでしょう。
投稿日:2010/07/08 06:52 ID:QA-0021582
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
就業規則の変更で対応可能だが、手抜かりのないよう
■ 全員の個別合意が必要といっても、不利益の程度が受忍できる程度のもので、筋道の通った、変更について、たった一人の反対で、実施できないとなると、経営は回っていきません。そこで、制度変更を、就業規則化して、同意しない ( 反対する ) 労働者にも、変更の効果が及ぶ ( 拘束される ) ようにするのが、就業規則による不利益変更です。
■ 但し、お感じになると思ますが、これには、過去の判例法理が、みっちり組み込まれており、おいそれとは活用できない仕組みになっています ( 労契法10条 )。然し、A社体系の是非は別として、合併に伴う一元化の必要性、B社々員の受ける不利益程度など、を勘案すると、労組等との真摯な交渉を条件に、就業規則の変更は可能だと思います。
■ 詳細は割愛しますが、チェックシートに基づく、実施手順、段階ごとの確認など、手抜かりのないように注意することが大切です。
投稿日:2010/07/08 14:02 ID:QA-0021598
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