誕生日を偽って入社した社員の取り扱い
15年前に入社した社員より自己申告があり、誕生日を偽っていたとのことです。当時はパート社員でしたので特に書類提出をさせませんでしたが、今は、社員となっています、どのように取り扱えばよいでしょうか。懲戒処分は可能でしょうか。
投稿日:2009/09/07 11:52 ID:QA-0017357
- *****さん
- 東京都/機械(企業規模 3001~5000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
懲戒処分は不適切、会社側にも手落ちが
■堅苦しくいえば、経歴詐称は、代表的な懲戒事由の1つですが、詐称の中でも、最終学歴、職歴、犯罪歴の三つ、雇用関係に限れば、職歴詐称については最も厳しい判断が行われているようです。次に、時効の問題ですが、民法724条が類推適用されます。曰く、「不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から20年を経過したときも、同様とする」。
■パートとしての入社時に書類を提出させていなかったこと、正社員登用にも拘らず、書類不在のまま今日に至っている様子など、使用者としての手落ち、賃金その他の労働条件の体系を著しく乱し、経営秩序への具体的な損害ないし侵害を及ぼすものではなっかたと推測されること、などを勘案すれば、懲戒処分の対象とするのは適切ではないと思います。
投稿日:2009/09/07 21:15 ID:QA-0017361
相談者より
投稿日:2009/09/07 21:15 ID:QA-0036776大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
懲戒処分を行うには就業規則が必要です
まずは確認をさせていただきたいですが、当該従業員の生年月日に関しては自己申告があるまではどのような形でも把握をされていなかったということでしょうか?本人が生年月日を偽っていた理由、正しい生年月日を申告した理由等の把握も必要です。
懲戒処分を行うとなると就業規則にその旨を明記しなければなりません。
就業規則に履歴書の詐称の際に懲戒処分を行うことが明記されていれば懲戒を行うことは可能です。
しかし、懲戒事由として明記をしていない場合は注意が必要です。例えば就業規則で「重要な経歴を偽り、その他不正手段によって入社したとき」などの一文がある場合には懲戒処分を行う事は可能です。ただし、入社時に生年月日を偽っていたことが証明できるのか、生年月日を詐称することが重要な経歴を偽ることにあたるのかが争点になると思われます。
懲戒とは企業秩序の維持を目的としています。今回の件では生年月日を虚偽申告をしていたことによって具体的にどのような問題が発生したのかを把握することが重要です。
基本的に懲戒事由として明記をしていない場合は懲戒処分を行うことはできません。
ですので、就業規則の見直しを行い、漏れのない就業規則の作成が望まれます。
また、入社時に書類提出をさせないで、本人の自己申告により判明したとの事ですが、従業員の生年月日を調査するような具体的な施策は取られていらっしゃるのでしょうか?ご質問を拝見する限りパートで入社した際に書類ではない形で生年月日を確認しただけだと見受けられますので、口頭で生年月日を聞き取りをしただけですと、今後同様の案件が発生した際に問題になりやすいと思われます。
投稿日:2009/09/08 11:11 ID:QA-0017364
相談者より
投稿日:2009/09/08 11:11 ID:QA-0036779大変参考になった
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