フレックスタイム制度における勤務開始・終了時刻
当社は、出退勤管理システムを導入し、出退勤時にIDカードで打刻することで出退勤時刻を管理しています。
今後、フレックスタイム制度の導入を検討しておりますが、フレックスタイム制度では、始終業は社員個人に決定権が委ねられていると思います。
その際、システムへの打刻時刻を勤務開始(終了)として労働時間を管理すればよろしいでしょうか。
実際、出勤時に打刻するが、その後、準備を整えて業務開始、業務終了時も身支度を整えてから退勤時に打刻するケースもあると思います。
打刻時刻から内方でX分後(前)を差し引いて労働時間とするといったルールはありえますでしょうか。
あくまでも法的な観点で考え方をご教示いただければ幸いです。
投稿日:2026/01/14 17:03 ID:QA-0163099
- yukinkoさん
- 東京都/その他業種(企業規模 301~500人)
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具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
結論
フレックスタイム制であっても、打刻時刻=労働時間の原則は変わりません。
打刻時刻から一律に「内方〇分」を控除する運用は、原則として認められません。
理由・考え方
1. フレックスタイム制でも「労働時間」の定義は同じ
フレックスタイム制は、
始業・終業時刻の決定を労働者に委ねる制度
であり、
労働時間の考え方自体を緩和する制度ではありません。
労働時間とは、判例・行政解釈上、
使用者の指揮命令下に置かれている時間
とされます。
したがって、
フレックスであるか否か
固定時間制であるか
にかかわらず、
実際に指揮命令下に入った時点が労働時間の開始となります。
2. 打刻時刻の法的位置付け
出退勤管理システムの打刻時刻は、
→ 客観的な労働時間把握手段
として強く尊重されます。
特に、
ICカード
生体認証
PCログ
などは、「客観的記録」として、労基署・裁判でも重視されます。
そのため、
打刻=労働時間の開始・終了
と扱うのが、法的に最も安全です。
3. 「準備時間」「身支度時間」の扱い
ご質問の
打刻後に準備をしてから業務開始
業務終了後に身支度してから打刻
については、その性質で判断します。
業務に不可欠な準備
使用者が事実上求めている準備
指示・統制が及んでいる状態
であれば、
→ 準備・後始末時間も労働時間
に該当します。
一方、
私的行為(私物整理、私的談話等)
であれば労働時間外となりますが、
一律控除で切り捨てることは不可です。
4. 「打刻から内方〇分控除」は可能か
結論として、
一律に〇分控除するルールは原則NGです。
理由は、
実態に関係なく労働時間を切り捨てる
労働時間の過少申告につながる
労基署是正・未払残業のリスクが高いためです。
仮に行う場合でも、
業務指示が及ばないこと
私的行為であること
実態として常に同一であること
を個別具体的に立証できなければなりません。
5.まとめ
フレックスでも労働時間の定義は同じ
打刻時刻=原則、労働時間
一律「内方控除」は原則不可
準備・身支度は業務性があれば労働時間
実務上は、
打刻基準を明確化し、業務開始・終了ルールを就業規則等で整理する
ことが、最も法的リスクの低い対応といえます。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2026/01/14 17:58 ID:QA-0163102
相談者より
詳細かつ丁寧な解説ありがとうございました。
内方控除は不可という点を明快にご教示いただき、今後の社内の議論に活かしてまいります。
投稿日:2026/01/14 21:36 ID:QA-0163103大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、必ずしも打刻時間=始業(終業)時刻というわけではございません。
すなわち、打刻をされていましても、実際に業務に着手(または終了)した時間が異なっていれば、後者の時刻で労働時間が判断される事になります。
但し、仮に準備時間及び着替時間であっても、例えば着用を義務付けられた作業服への着替等のように業務遂行上必須とされる特定の行為であれば、これらの時間についても労働時間として扱う必要がございますので注意が必要です。
投稿日:2026/01/14 22:43 ID:QA-0163107
相談者より
ご回答ありがとうございました。当社は制服を着用して業務に当たる部署もございますが、こちらについては就業規則で更衣時間を一定時分、労働時間としてみなす措置をとっております。
実態を踏まえて、ルールを設定いたします。
投稿日:2026/01/15 09:43 ID:QA-0163118大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
労働時間の把握責務
以下、回答いたします。
(1)「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(厚生労働省)では、「労働基準法においては、労働時間、休日、深夜業等について規定を設けていることから、使用者は、労働時間を適正に把握するなど労働時間を適切に管理する責務を有している」としています。
そして、「始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法」として、以下のことが記されています。
※ 使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。
ア 使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること。
イ タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること。
(2)上記を踏まえれば、労働時間の把握に際して、「IDカードの記録の利用」そのものは妥当であると考えられます。その一方で、「IDカードは施設管理のためのものであり、会社内での所在を記録しているものに過ぎず、必ずしも労働時間を正確に把握しているものではないのではないか。」という論点があろうかと思われます。
(3)しかし、この点については、使用者が「IDカードの記録」をそのまま利用することでは不十分とされているものではないと認識されます。但し、実態と著しく乖離しているのであれば、(御提示のあったルールではなく)、自己申告制度、使用者側によるチェックという方法についても検討せざるを得ないものと認識されます。
投稿日:2026/01/15 06:14 ID:QA-0163109
相談者より
ご回答ありがとうございました。打刻時間をもって労働時間とすることについて、妥当性が認められることが理解できました。
なお、打刻時刻と業務実態の乖離に関しては、労務管理の運用面の課題として、会社としての実態把握、社員の自己管理について整理を進めてまいります。
投稿日:2026/01/15 09:50 ID:QA-0163120大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
労働時間は使用者の指揮命令下にある時間を指し、実態で判断されます。
準備や身支度が業務に不可欠な場合は労働時間に含まれるため、打刻時刻から
一律に一定時間を差し引く運用は、未払い残業代が発生する法的リスクが高く
認められません。
フレックスタイム制でも客観的な記録に基づく適正な把握が必要です。
打刻は業務開始直前と終了直後に行うルールを徹底し、実態と記録を一致させる
運用をご検討ください。
投稿日:2026/01/15 08:05 ID:QA-0163112
相談者より
ご回答ありがとうございました。
労働時間は使用者の指揮命令下にある時間を指し、実態で判断されること、準備や身支度が業務に不可欠な場合は労働時間に含まれるという基本が理解できました。
あとは、実態の運用について、指導と整理を進めてまいります。
投稿日:2026/01/15 09:47 ID:QA-0163119大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
法的には、フレックスも一般と同様、タイムカード=労働時間とはなりません。
ただし、始業、終業時刻は本人まかせであり、決まっているわけではありませんので、打刻時刻から内方でX分後(前)を差し引いて労働時間とするといったルールを決めることはできません。
運用的には、フレックス対象者はタイムカード=労働時間とし、1ヵ月の労働時間の総枠で残業判断した方が、煩雑な管理にはならないでしょう。
投稿日:2026/01/15 12:34 ID:QA-0163123
相談者より
ご回答ありがとうございました。
運用的には、フレックス対象者はタイムカード=労働時間とし、1ヵ月の労働時間の総枠で残業判断した方が、煩雑な管理にはならない。
まさにその通りだと思いました。
投稿日:2026/01/15 13:51 ID:QA-0163129参考になった
プロフェッショナルからの回答
勤怠管理
タイムカードなどはツールであって、答ではありませんので、管理者がどのように勤怠管理をしているかで決まります。
法的に言えば、業務性のある活動が全て給与対象=勤務時間となっていれば問題ありません。
フレックスのような業務であれば、そこまで細かい管理もしていないと思う一方、明確な成果が求められる業務なのでは無いでしょうか。
そちらでしっかり人事考課できていれば、フレックスの主旨には合致すると思います。そうした成果評価が難しい業務であれば、もっとがっちり勤怠管理をする必要があるでしょう。
投稿日:2026/01/15 12:38 ID:QA-0163124
相談者より
ご回答ありがとうございました。
法的に言えば、業務性のある活動が全て給与対象=勤務時間となっていれば問題ない旨、理解いたしました。
投稿日:2026/01/15 13:54 ID:QA-0163130大変参考になった
本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
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