有給休暇の通常付与への変更について
いつもお世話になっております。
表題の件について、先日質問させていただきました関連でご質問させていただきます。
前提として、現在弊法人においては正社員を例にすると入社時に3日、入社時から6カ月経過後に7日の有給を付与、また基準日については、本来分割付与ですと入社時から1年後に次の有給を付与すべきところを入社6カ月経過後から1年経過後の1年半後に付与しております。
違法状態も含めて上記を来年4月1日より下記方向で改訂する準備を進めております。
①入社時3日、6カ月経過後に7日の分割付与から入社時0日、6カ月経過後に10日の通常付与とする。
②通常付与への変更に併せて4月1日以降に入社する職員に特別休暇として入社時特別休暇を2日付与(時効は最初の有給が付与される六カ月までとする)する。
③通常付与への変更に併せて基準日を法定の通常付与通り入社から6カ月経過後として運用する(現在の就業規則は、分割付与に関わらず基準日は通常付与と同じ入社6カ月経過後、次を1年経過後の1年半後と記載されてます)。
この場合、下記はどういった運用をすべきでしょうか。
① 例えば1月1日に入社し入社時に有給を3日付与した職員は新規則が運用されている6カ月経過後には7日付与し、その後は11日、12日と付与してしまって良いのでしょうか。それとも、3日はそのままで10日付与し、その後は11日、12日と付与していけば良いのでしょうか。
② ①の場合、4月1日前に入社した職員も4月1日からの通常付与への変更に併せて、現在の就業規則通り次の基準日を入社時から1年6カ月後、2年6カ月後として運用したいのですが可能でしょうか。現状は分割付与にも関わらず、入社時から1年6カ月後、2年6カ月後で付与と就業規則に記載し、その通りに誤った運用をしております。それとも、4月1日以降についても、始めに3日分割付与されているのだから、新規則への改訂前の全職員について、基準日は本来の分割付与に併せて入社時から1年後、2年後に訂正し、基準日の表を2パターン(①入社時から6カ月、1年6カ月、2年6カ月…②入社時、1年、2年…)作って運用、つまり従来の分割付与された職員の基準日は現状から②に変更しなくてはいけないでしょうか。これを行うとなると事務的にも、職員的にも混乱が起こるかと危惧しております。
③法人としては、これまで分割付与し通常付与の基準日で運用していた職員についても、今回の改訂で通常付与の基準日(入社時から6カ月、1年6カ月、2年6カ月…)で運用したいのですが、その場合の就業規則の規定例等を具体的にご教示いただけますでしょうか。
④シンプルに、入社時特別休暇を新設せずに分割付与から通常付与への変更のみを行った場合、不利益変更に該当し個別同意まで必要になりますでしょうか。
ご回答よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/12/17 08:34 ID:QA-0162174
- アストラエルさん
- 東京都/医療・福祉関連(企業規模 101~300人)
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具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1 制度変更の基本的な考え方(前提整理)
年次有給休暇は労基法39条により、「6か月経過時に10日、その後は1年ごとに付与」が原則です。
現在の貴法人の
分割付与(入社時3日+6か月後7日)
にもかかわらず、基準日を1年半後としている運用
は、法定基準日を後ろ倒ししている点で違法状態を含むため、是正自体は正当です。
2 ご質問(1)(1月1日入社者の扱い)
結論としては、
「3日+7日」ではなく、「既付与3日を含めて10日」と整理すべきです。
具体例
1月1日入社
入社時に3日付与済
新制度下での6か月経過時(7月1日)
→ この時点で新たに付与すべき日数は7日(合計10日)
その後は
1年6か月経過時:11日
2年6か月経過時:12日
と通常付与の表にそのまま接続させるのが適切です。
※「3日+10日=13日」とする根拠はなく、過剰付与となります。
3 ご質問(2)(4月1日前入社者の基準日整理)
結論として、基準日を二重に分ける必要はありません。
違法状態の是正を目的とするため、
4月1日以降は、全職員を「通常付与の基準日(6か月、1年6か月、2年6か月…)」に統一することが可能です。
この場合、
過去の分割付与は「前倒し付与」と整理
次回以降は通常付与の基準日に一本化
とすることで、
職員の不利益なく、事務的混乱も最小限に抑えられます。
※ご懸念の「(1)(2)2パターン併存運用」は不要です。
4 ご質問(3)(就業規則の規定例)
一例として以下のような整理が考えられます。
第〇条(年次有給休暇)
労働基準法第39条に基づき、継続勤務6か月を経過し、全労働日の8割以上出勤した職員に対し、10日の年次有給休暇を付与する。
以後の年次有給休暇は、同条に定める日数を、1年ごとに付与する。
なお、制度改正前に前倒しで付与された年次有給休暇は、法定付与日数の内数として取り扱う。
※「内数として扱う」と明記することがポイントです。
5 ご質問(4)(不利益変更該当性)
通常付与への変更のみであれば、不利益変更には原則該当しません。
理由
法定基準への是正であること
6か月経過時点での付与日数(10日)は変わらない
取得機会が法定通り保障される
ため、個別同意までは不要と考えられます。
(※ただし、説明義務・周知は必須)
6 まとめ
既付与分は「前倒し付与」と整理し、合算しない
4月1日以降は基準日を一本化
二重運用は避ける
規程に「内数処理」を明記
不利益変更には該当しにくい
以上が、実務上もっとも安全かつシンプルな対応です。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/12/17 09:14 ID:QA-0162180
相談者より
詳細なご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/12/19 10:26 ID:QA-0162254大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
1)3日(既得)+7日(6カ月時点)の合計10日付与で問題ありません。
新規則でも法定の6カ月で計10日を満たせば良いため、入社時の3日分を
差し引けます。次年度以降は11日、12日と加算します。
2) 旧規定の職員は基準日を「1年後、2年後…」へ修正必須です。
分割付与時は次回の付与を1年以内にする義務があるため、現在の1年半後は
違法です。新旧2パターンの管理表で運用し、適正化を図ってください。
3)附則で「旧制度対象者は、次回付与を入社1年後とし、以降1年ごとに付与す
る」旨を明文化します。現行の「1年半後」は法定を下回るため、速やかに本来の
法定基準日(前倒し方向)へ是正する規定を設けます。
4)入社時付与の廃止は不利益変更に該当します。特別休暇の新設がない場合、
個別の同意を得るのが安全です。ただし、違法状態の是正(付与日の前倒し)を
伴う改定であれば、労基署の調査が入った際も総合的に妥当と判断されるのでは
ないかと思います。
投稿日:2025/12/17 09:35 ID:QA-0162181
相談者より
詳細なご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/12/19 10:27 ID:QA-0162255大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
1、2について
いつ入社の社員から適用するのかを、周知してください。
3.分割付与していた社員は入社日が付与基準日となりますので、
今後もそのルールとしてください。
労基法どおりの付与の場合、中途入社に関しては付与日は
バラバラですので、あえて変更する必要はないでしょう。
現状のまま運用すれば問題はありません。
4.新規入社の社員から対応とし、既存社員は、そのままとすれば、
特に不利益とはなりません。
投稿日:2025/12/17 18:42 ID:QA-0162195
相談者より
詳細なご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/12/19 10:27 ID:QA-0162256大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、1につきましては、いわゆる制度変更に伴う経過措置の取り扱いになりますので、就業規則に示されたような付与方法について明確に記載されるべきといえます。逆に言えば、きちんと記載されていれば7日の付与で差し支えないものといえます。
2につきましては、これまでの運用が法的に誤っているわけですので、事務的に面倒であっても本来の正しい分割付与運用に併せて入社時から1年後、2年後に訂正し付与される事が必要といえます。
3につきましては、2で触れました通り違法な措置を継続される形になってしまいますので、その具体的な文言についても当方で回答はいたしかねます旨ご了承下さい。
4につきましては、特別休暇の付与有無に関係なく不利益変更には該当します。その上で、特別休暇を付与された方が不利益が緩和される事になりますし望ましい措置とはいえますが、適用されるのが新規入社の方に限られる事からも、当該休暇が無くとも変更事情をきちんと説明される等丁寧な対応をされれば個別同意までは不要と考えてよいでしょう。
投稿日:2025/12/17 23:08 ID:QA-0162198
プロフェッショナルからの回答
前倒し付与
以下、回答いたします。
(1)「6カ月経過後には7日付与し、その後は11日、12日と付与」することは可能であると認識されます。
(2)方向性として統一ということであれば、例えば、新規則への改訂前の全職員について、まず、基準日を本来の分割付与に併せて入社時の月日に訂正し、その上で、2年目からは基準日を6か月前倒し、「入社時から1年6カ月、2年6カ月…」とすることも考えられます。以前の回答も御参考にしていただければ幸甚です。
(新規社員)(表1)
勤続期間 6か月 1年6か月 2年6か月 3年6か月 4年6か月 5年6か月 6年6か月以上
付与日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日
(従来社員)(表2)
勤続期間 入社時 6か月 1年 1.5年 2.5年 3.5年 4.5年 5.5年以上
付与日数 3日 7日 11日 12日 14日 16日 18日 20日
(3)上記(2)に関しては、例えば、次のことが考えられます。
第〇条 採用日から6か月間継続勤務し、所定労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、10日の年次有給休暇を与える。その後1年間継続勤務するごとに、当該1年間において所定労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、上記の表1のとおり勤続期間に応じた日数の年次有給休暇を与える。
但し、令和8年3月31日までに採用した労働者については、採用日に3日の年次有給休暇を与える。採用日から6か月間継続勤務し、また、採用日から1年間継続勤務し、それぞれ所定労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、それぞれ7日、11日の年次有給休暇を与える。採用日から1年経過した日から1年間継続勤務するごとに、当該1年間において所定労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、上記の表2のとおり勤続期間に応じた日数の年次有給休暇を与える。
(4)「今後入社される方々」に対しては、現状の分割付与(入社時3+6カ月経過後7日)ではなく通常付与(入社時0+6カ月経過後10日)がなされることになります。
この場合、入社に際して新たに締結される「労働契約」の内容として、「(変更のあった)就業規則の内容(通常付与)」が適切なものなのかどうかが論点になろうかと思われます。具体的には、労働契約法第7条の規定に則り判断されるものと考えられます。
本件の場合、労働基準法で定められている内容であり、また、同法に則り是正対応するものであり、特段の支障は生じないものと認識されます。個別同意も必要ないものと考えられます。
投稿日:2025/12/18 06:19 ID:QA-0162200
相談者より
詳細なご回答ありがとうございました。
大変参考になりましたが、(2)について追加で②パターン質問失礼いたします。
①就業規則改定を令和8年3月31日に行った場合、令和7年4月1日に入職した職員を表2に当てはめますと、入社時に3日、6か月後に7日、令和8年4月1日に11日付与ということでよろしいでしょうか。 ②令和6年6月1日に入職した職員の場合、既に入社時3日、6か月経過後に7日、1年6か月後の令和7年12月1日に11日が付与されております。この場合、表2ですと1.5年で12日、2.5年経過後の令和8年12月1日に14日となっておりますがこの通りに付与ですと12日付与が抜けてしまうかと思うのですがいかがでしょうか。
ご回答よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/12/19 10:51 ID:QA-0162258大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
制度改正時点での調整
御質問をいただきまして誠に有難うございます。以下、回答いたします。
(1)就業規則改定を令和8年3月31日に行った場合、令和7年4月1日に入職した職員を表2に当てはめますと、入社時に3日、6か月後に7日、令和8年4月1日に11日付与ということでよろしいでしょうか。
⇒ 御理解の通りです。
(2)令和6年6月1日に入職した職員の場合、既に入社時3日、6か月経過後に7日、1年6か月後の令和7年12月1日に11日が付与されております。この場合、表2ですと1.5年で12日、2.5年経過後の令和8年12月1日に14日となっておりますがこの通りに付与ですと12日付与が抜けてしまうかと思うのですがいかがでしょうか。
⇒ 御指摘有難うございます。
「12日」につきましては、まず、法違反の回避という観点からは、令和8年6月1日までに付与する必要があります。
一方、新制度のルールに基づけば、「12日」については令和7年12月1日に付与されるものとなります。なお、「11日」については令和7年6月1日に付与されるものですが、遅れがあったにせよ既に令和7年12月1日に付与していますので法違反の状況は解消されていると認識されます。
以上を踏まえれば、「12日」については、制度改正に合わせて、新ルールへの適合を図るため、令和8年3月31日に付与することが考えられます。なお、2.5年経過後の令和8年12月1日の「14日」については変更ありません。
就業規則においても、例えば、末尾に次の記述を加えることが考えられます。「なお、就業規則改定時点(令和8年3月31日)において年次有給休暇の付与につき所要の調整を行うこととする。」
投稿日:2025/12/19 23:07 ID:QA-0162284
相談者より
詳細なご回答誠にありがとうございました。
大変参考になりました。
いただきました回答を基に就業規則の表と文言を検討させていただきます。
投稿日:2025/12/21 16:44 ID:QA-0162305大変参考になった
本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
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