基本給の上限の設定について
給与制度についでご相談いたします。
当社では一般職は役職者は一般職とは別に給与テーブルを設定しており、
明確に一般職と役職者に給与の差をつけています。
これまで一般職の給与に上限を設定していなかったのですが、
長年役職者へ昇格できずに昇給を続けた数名の一般社員の給料が、
役職者の給与テーブルの最低額を越える可能性がでてきております。
そのため、役職者の給与には上限・下限が存在すること、
および一般職が役職者以上の給与を得ることは望ましくないこと、
の二点から
今後一般職の給与テーブルに上限額を設定することを検討しています。(例えば上限40万等)
この変更により、
一般職の社員はいずれ昇給が停止することになりますが
これは不利益変更となるのでしょうか?
お教えお願いいたします。
また実際に変更するとすればどのような点に留意すればよいか
ご教授をお願いいたします。
投稿日:2009/02/09 20:10 ID:QA-0015119
- レターパックライトさん
- 福岡県/情報処理・ソフトウェア(企業規模 301~500人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
現行の賃金制度におきまして、年功等により確実に昇給が可能であるにも関わらず、突然の変更により昇給停止となる事に関しましては、労働条件の不利益変更に該当するものといえます。
御社で考えている「役職者の給与には上限・下限が存在すること、及び一般職が役職者以上の給与を得ることは望ましくないこと」といった理由は会社側による一つの考え方に過ぎず、この理由のみで変更されるには合理性に欠けるものといえるでしょう。
こうした年功給の不具合を是正する為には、変更に合理性を持たせる上でも単純に昇給停止とするのみでなく、賃金制度全体を見直すべきです。
つまり、年齢等による自動昇給を廃止する代わりに業績・能力等の評価により昇給する可能性を残す等、成果主義的な要素を取り入れることで一方的に不利益のみが発生する事を避けることが求められます。
また、このように御社の賃金に関する考え方に反して役職者を上回る給与が現実に発生しているとすれば、当初から賃金制度の設計自体に問題があったものといえます。
労使双方にとりましても大変重要な問題ですので、部分的な変更を行なうのではなく、労使間で十分に協議された上で、御社の業態にふさわしく御社のポリシーにも適合しかつ従業員も納得出来る制度を時間をかけても構築されるべきというのが私共の見解になります。
投稿日:2009/02/09 22:51 ID:QA-0015122
相談者より
早速のご回答ありがとうございます。
>当初から賃金制度の設計自体に問題があったものといえます。
まさにご指摘どおりと感じております。
>部分的な変更を行なうのではなく、労使間で十分に協議された上で、御社の業態にふさわしく御社のポリシーにも適合しかつ従業員も納得出来る制度を時間をかけても構築されるべきというのが私共の見解になります。
丁寧なご指摘ありがとうございます。
もう少し検討を行います。
投稿日:2009/02/10 12:08 ID:QA-0035936大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
まず現状制度の確認が必要
ご相談を拝見し、ご連絡差し上げます。
まず、「労働条件の不利益変更」に当たるかどうかについてです。
ご質問の次の部分がポイントです。
>当社では一般職は役職者は一般職とは別に給与テーブルを設定しており、明確に一般職と役職者に給与の差をつけています。
問題になっている事実は、「別テーブルを設定」し、「差をつけている」のに、一般層のテーブルにだけ「上限」がないため、実支給給与額に重なりがでてきた、ということでよろしいでしょうか?
ここにはいくつか確認すべきことがあります。
-管理職と一般とは、テーブルが異なるだけで、給与方式(※職能給等)は同一か?
-「上限を設定しない」テーブルとは、一体どのようなものか。本当にテーブルがあるのか。それとも、昇給のルールを決めているだけなのか?
要は、問題解決のために、大きな制度変更が必要か、多少のチューニングで済むかということです。
管理職・一般共通の制度であり、なおかつ一般には実質的にテーブルが明示されていないのであれば、一般層のテーブルを新たに定めることによって対処可能と推量します。
しかしながら、管理職と一般とが異なる制度コンセプト(※業績年俸制と職能給等)であり、なおかつテーブルが明示されていて、もともと給与額の重なりが生じうる制度設計になっていたのであれば、体系的な制度変更が必要と思われます。
給与制度変更に「不利益変更」が伴う場合は、十分な検討期間、移行周知期間を設けて、社内合意形成を図ることが不可欠です。
なお、管理職層と一般層の給与額の多少の重なりは、賞与に差をつけることによって、年収ベースで秩序を保つことも可能ですので、ご一考下さい。
ご参考まで。
投稿日:2009/02/10 08:01 ID:QA-0015129
相談者より
御回答ありがとうございます。
御回答から最初の相談内容が不明確であったことがわかりました。
パターンごとの丁寧なご指摘ありがとうございます。
弊社の状況は下記の通りです。
管理職 年俸制 テーブルあり(非公開) 賞与無し
一般職 基本給の昇給のルールを定めているのみ(テーブルは存在せず) 賞与有り
どちらも職能給等の内訳は設定していません。
>要は、問題解決のために、大きな制度変更が必要か、多少のチューニングで済むかということです。
管理職・一般共通の制度であり、なおかつ一般には実質的にテーブルが明示されていないのであれば、一般層のテーブルを新たに定めることによって対処可能と推量します。
上記の前提とは多少異なりますが、
この「実質的に明示されていない一般職のテーブルを新たに定める方法」
であれば実施可能ではないかと考えています。
この変更も不利益変更となるのでしょうか?
(新たに定めた場合、テーブルは非公開の予定です。)
再度の質問になりますが、御回答宜しくお願いいたします。
投稿日:2009/02/10 11:53 ID:QA-0035941大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
Re:まず現状制度の確認が必要
ご返信、ありがとうございます。
>この「実質的に明示されていない一般職のテーブルを新たに定める方法」であれば実施可能ではないかと考えています。
この変更も不利益変更となるのでしょうか?
⇒この点についてですが、最初にもご指摘したように、十分な検討期間、移行周知期間を設けた上であれば、可能と思われます。
ただ、新たに設定したテーブルに、既存の高額者が当てはまらないからといって、いきなり減額することはできません。
これについては、今現在の給与制度がどのようなコンセプトなのか、現行は昇給ルールのみで減給ルールはないのか、にもよりますが、新たな給与改定の仕組みを作る必要があります。
>(新たに定めた場合、テーブルは非公開の予定です。)
⇒「テーブル非公開」という措置が法制に合致しているかどうかは微妙な問題です。
というのも、労働基準法では、給与の決定や昇給等のルールは就業規則に明示されなければならないことになっているからです。
その意味で、あくまで公開を基本に検討されるべきと存じます。
ご参考まで。
投稿日:2009/02/10 12:48 ID:QA-0015139
相談者より
早々の御回答ありがとうございました。
じっくり検討してみたいと思います。
重ね重ねありがとうございました。
投稿日:2009/02/10 13:07 ID:QA-0035944大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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