有期雇用契約延長時の給与引き下げの可否について
いつもお世話になっております。
当社では、試用期間6ヵ月は有期雇用契約としており、今回、ある従業員について試用期間を3ヵ月延長することにしました。
延長の理由は、現時点でその役職における期待役割を満たしていない為です。本人には延長の同意を得ており、同意書にも記入済みです。
この3ヵ月間の評価を基に、正社員登用の可否を判断する予定ですが、ちょうど人事評価のタイミングも重なっており、評価結果によっては給与を引き下げる可能性があります。
このような場合、有期雇用契約の延長期間中に給与を引き下げることは法的に問題ないのでしょうか。
投稿日:2025/03/26 10:23 ID:QA-0150017
- シラタマさん
- 東京都/その他業種(企業規模 31~50人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
有期における雇用契約期間中の給与について、会社側が一方的に引き下げることはできません。
契約期間に対する給与額は、会社側・社員側で合意形成されており、すでに担保されている為です。
たとえ本人の了承があったとしても、後になって不満等が発生し、労務トラブルに発展する可能性も高いと思われます為、有期契約期間中の給与引き下げは避けるべき事項と思案いたします。
投稿日:2025/03/26 11:03 ID:QA-0150023
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/03/26 14:44 ID:QA-0150045参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、就業規則上の人事評価制度内容の実施に基づく減給措置であれば、所定の労働条件の範囲内ですので問題はございません。
つまり、問題となるのは有期雇用契約の延長自体を理由とする減給等、制度内容によらない減給の場合です。
投稿日:2025/03/26 11:41 ID:QA-0150028
相談者より
ご回答ありがとうございました。
今回の降給の可能性については、当社の人事評価制度に基づく評価結果を反映したもの となるため、ご回答いただいた内容を踏まえ、適切に対応してまいります。
また、有期雇用契約の延長自体を理由とした減給ではなく、評価制度の運用に則った判断であることを本人にも明確に伝える ことを意識して対応いたします。
投稿日:2025/03/26 14:46 ID:QA-0150046大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
試用期間中に給与を引き下げるのは、
本人の同意が必要です。
人事権の裁量というのも、試用期間を延長後の判断となるでしょう。
投稿日:2025/03/26 13:06 ID:QA-0150036
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/03/26 15:08 ID:QA-0150055参考になった
プロフェッショナルからの回答
有期雇用
有期雇用契約期間中の条件変更は出来ません。
契約見直しや、一旦契約終了し、新たな有期契約を締結するのであれば、新条件で合意が得られれば可能となります。
投稿日:2025/03/26 14:27 ID:QA-0150041
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/03/26 15:08 ID:QA-0150054参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
「試用期間中の賃金は仮の格付けとし、本採用時に見直すことがある」といった体で、契約内容の変更についてあらかじめ労働契約に含めている場合であれば、労働者の同意を得ることなく、変更は可能です。
投稿日:2025/03/27 07:24 ID:QA-0150086
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/03/27 09:24 ID:QA-0150092参考になった
プロフェッショナルからの回答
労働契約法
「労働契約法」を踏まえた慎重な検討が必要であると考えます。
「給与の引下げ」は労働条件を変更するものです。労働条件の変更については「労働契約法」で規律されています。
まず、同法第8条では、「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」とされています。本件についても、この条項に基づき給与引下げを行うことが考えられます。
但し、判例(山梨県民信用組合事件)を踏まえれば、以下について留意することが必要であると考えられます。
(1)賃金は重要な労働条件であり、給与引下げに同意する旨の労働者の行
為があったとしても、労働者が使用者の指揮命令に服すべき立場に置か
れており、情報を収集する能力にも限界があることに鑑みれば、この行
為をもって直ちに労働者の同意があったとみるのは適当ではなく、労働
者の同意の有無についての判断は慎重になされるべきものであること。
(2)労働者の同意の有無については、給与引下げに同意する旨の労働者の
行為の有無だけでなく、給与引下げにより労働者にもたらされる不利益
の内容や程度、労働者がこの行為に至った経緯やその態様、この行為に
先立つ労働者への情報提供や説明内容に照らし合わせて、この行為が労
働者の自由な意思に基づいてなされたものと認めるに足りる合理的な理
由が客観的に存在するか否かという観点からも、判断されるべきもので
あること。
次に、労働契約法第7条では、「労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。」旨が定められています。
試用期間中の労働者について、この条項に基づき、人事評価の対象とし、評価結果によっては給与を引き下げることにするのであれば、これらを可能とする根拠規定が就業規則に明記されており、また、この根拠規定が「合理的」なものであることが前提になると考えられます。
この「合理性」の有無については、会社側の経営・人事管理における必要性や、労働者の不利益の程度を軸にして、社会的な相当性等も勘案して判断されるものと認識されます。
このうち、会社側の必要性については、試用期間中であることに鑑みれば、「3か月間の評価を基に、正社員登用の可否を判断する」ことで足りるのではないか。むしろ、人事評価の対象とすることによって、正社員登用への期待をもたせることにならないか。契約形態として、有期雇用契約ではなく、解約権留保付き無期雇用契約の方が相応しいのではないか。こうした論点もあろうかと思います。
一方、労働者の不利益や、社会的相当性に関しては、現在の給与は試用期間中であることから最低水準のものではないか。3か月の延長に加えて給与の引下げまで行うことは労働者にとって酷ではないか。こうした論点もあろうかと思います。
なお、労働契約法第10条では、就業規則の変更による労働条件の変更について定められていますが、本稿ではこの点については割愛いたします。
投稿日:2025/04/07 19:21 ID:QA-0150602
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