無断欠勤の「正当な理由・やむを得ない理由」の解釈について
お世話になります。
従業員の無断欠勤時の対応について、ご相談させてください。
弊社では「正当な理由なく無断欠勤をした場合~」と就業規則内で定めているのですが、一般的にどこまでを「正当な理由」と判断されているのかを教えてください。
「事故に巻き込まれた」「病院に担ぎ込まれた」「天災」…などは正当な理由と判断します。
「寝坊」の場合は正当な理由とは判断しません。
では、「体調不良で起きられなかった」はどうなのでしょうか?
人間ですから不調で朝起きられなくなる時もあるかと思います。
しかし弊社には、「体調不良で起きられなかった。今日休みます」と当日欠勤の度に報告する社員がおり、「本当に体調不良なのか?寝坊では?」と社内で疑心暗鬼が生じてしまっています。
不調の理由を確認すると、「締め付けられるような頭痛」「体が怠くて起き上がれない」など毎度重症でして、
体調が悪いのなら病院へ行くように、と促していますが「たまに病院へ行きますが原因がよくわからないんですよね」と濁されてしまいます。
そこまでの痛みや辛さが発生しているにも関わらず病院に行かないため、余計に邪推されております…
【ご質問①】
無断欠勤をした従業員から「体調不良で起きられなかった」と報告を受けた場合、「事前連絡をしなかった正当な理由」と判断されますか?
正当な理由と判断される場合は、性善説で何の証明書もなしでしょうか。
それとも病院へ行くことを必須条件としていますか?
(診断書とは言いませんが、領収書控えの提出などをさせて証明とするなど)
【ご質問②】
体調不良で休む社員へ、会社から病院で受診するよう強制力を持って発言できるように就業規則に追記を行いたいのですが、どのように追記すればいいか、良い案があれば教えてください。
(連続して休んでいなくても、月に3回以上当日欠勤をするのであれば受診するよう強制させたいと考えています)
(強制力を持たせると、受診日は特別休暇を与えたり、費用を弊社で負担しなければいけないのでしょうか?)
人事に関りまだ日が浅いため、稚拙な質問で大変恐縮ですが、ご教授いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2022/09/27 16:36 ID:QA-0119448
- リンゴの木さん
- 大阪府/販売・小売(企業規模 11~30人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、①に関しましては、「体調不良で起きられなかった」場合ですと、通常「正当な理由」に当たるものといえるでしょう。
しかしながら、問題の本質は「体調不良で起きられなかった」のが事実であるか否かという点にあるものといえます。
従いまして、本件のように不審に思われる場合には、診断書の提出をして頂いた上で判断される事が必要と踏まえられるべきです。
②に関しましては、病院に行かれるか否かはそもそも私生活上の事柄でもあり会社が強制出来るような事柄ではございませんし、仮に強制指示されたとしましても職場外での行為となる以上受診される保証もないものといえます。
対応としましては、頻繁な病欠等については診断書の提出を命じる場合が有る旨及び提出がなされない場合は休職等について会社側での判断になる旨を定められるのが妥当といえます。
投稿日:2022/09/27 20:13 ID:QA-0119464
相談者より
ご回答いただきありがとうございます。
服部さまが仰る通り、「体調不良」と報告されるだけですと事実か否かわからない、というところに頭を悩ませております。
「体調不良」を「正当な理由」とする場合は、診断書の提出をもって判断する様にいたします。
会社から、病院で受診させることを強制させることは難しいのですね。
アドバイス頂いた内容と共に、社労士さまと相談しながら、就業規則の改定を行って参ります。
ありがとうございました。
投稿日:2022/09/28 11:04 ID:QA-0119489大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
人事管理の基本は公正公平であることと自認しています。
欠勤理由が本当かウソかは人事の仕事ではなく、公平に適正な運用管理が出来ているかが重要だと思います。
①正当かどうか証明するなら医師、病院の診断書しかないでしょう。そのようなものを取れない事由であれば有給休暇(当日申請が通るかどうかは貴社規則次第)が普通はあります。
今はメールもある訳で、具合が悪く電話すら出来ないほどの症状なら、前日にメールはできるのではないでしょうか。
真偽ではなく、正当な手続きを取ったかどうかだと思います。診断書は費用が高いので領収書を認めるなどは貴社の運用ルールで決めれば良いでしょう。
②まず無断欠勤が月3回どころか、1ヵ月で2回もあれば十分に異常事態であり、病気か異常な勤怠不良のいずれかです。
これまた病気かどうか、病名など会社には全く関係の無いプライバシーであり、受診含め全責任は個人が負わなければなりません。
業務上の理由での罹患ならば全く別です。
月3回も欠勤があるようなら普通は単なる服務違反であり、人事考課において、勤怠に著しく問題ありという評価になるだけではないでしょうか。通常は減給や降格などにあてはまる重大事象です。
病気などプライバシーに触れてメリットは何もありません。「一般的に◯◯病ではこういった症状がある」など症状を特定はまず不可能で、医学の素人は立ち入るべきではありません。
治療するしない含め、すべて指示された業務が遂行できるかどうかで判断されます。
投稿日:2022/09/27 22:52 ID:QA-0119469
相談者より
ご回答いただきありがとうございます。
私から従業員へ、24時間土日祝、いつでもチャットツールで連絡して良い、と伝えていますので、増沢さまが仰る通り、前日に連絡を入れることも容易だと思っております。
やはり口頭だけの「体調不良」で事前連絡無しの欠勤についてはもう少し厳しく対応していこうと思います。
今回のご相談内容の社員では無いのですが、以前いた社員で週に1~2日は体調不良で休むが病院へはなかなか行かない者がおりましたので、私の感覚が鈍くなっていたようです。ご指摘頂きありがとうございます。
就業規則を改定するにあたり、「疾病などの正当な理由なく欠勤が多いと懲戒されることもある」といった内容も組み込んでいければと考えております。
(2021/04/06 に増沢さまが別の方に回答されていた内容を参考にさせて頂きました)
ありがとうございました。
投稿日:2022/09/28 11:18 ID:QA-0119492大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
①正当な理由とは何かよりも、何をもって無断欠勤とするかを欠勤の規定で、
記載しておいた方がよろしいでしょう。
例えば、
正当な理由なく、事前の届け出をせず、かつ当日の始業時刻前(あるいは
始業時刻から1時間以内)に連絡せずに欠勤した場合は、無断欠勤とするなどです。
②あわせて、欠勤の規定にて、
傷病による欠勤について、
会社が求めた場合には、医師の診断書を提出しなければならないなどと規定しておきます。
従業員には労務提供義務がありますので、本人負担でも問題ありませんが、
例えば、
無断欠勤の場合は自費とするとしたり、
会社が求める以上、診断書発行手数料については、会社負担とするケースも多いといえます。
投稿日:2022/09/28 07:14 ID:QA-0119472
相談者より
ご回答いただきありがとうございます。
「無断欠勤」がどこからどこまでについても就業規則に記載がありませんでしたので、小高さまからのアドバイス通り、明確に記載できるよう社労士さまに相談してみようと思います。
他の方からのご意見で、「病院での受診を強制」出来ないことを教えて頂きました。
ただ、「会社から求める」ことは出来るようですので、診断書発行の手数料については社長と相談しながら、必要であれば就業規則に追記しようと思います。
(会社から求めた場合に限り、診断書発行手数料を会社側で負担(上限●●●●円)する、など)
ありがとうございました。
投稿日:2022/09/28 11:20 ID:QA-0119493大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
的確な事由把握と適切な措置
▼「無断欠勤」という事案に限れば、その事由が、個人の責に帰すべきものか否か、回避努力をしたか否かで判断すべき事案だと思います。
▼欠勤事由は、本人体調のみならず、家族を含めた疾病、事故を巾広く、的確な事実把握の上、措置を決めて下さい。
投稿日:2022/09/28 09:27 ID:QA-0119477
相談者より
ご回答頂きありがとうございます。
体調不良はたまにはあるかと思いますが、川勝さまがおっしゃる通り、「欠勤しないように努力をしたのか」で判断すべきだと思います。
もちろん、無断欠勤が発生した際は、一方的に叱るなどせず、本人にヒアリングをした上で多角的に考え判断して参ります。
ありがとうございました。
投稿日:2022/09/28 11:21 ID:QA-0119494参考になった
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