企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

HR業界TOPインタビュー「人・組織」ビジネスを牽引する希代の経営者

育成の成果にこだわり、研修効果を“見える化”
人のあらゆる可能性を切り拓く、新時代に求められる教育のカタチ

アルー株式会社 代表取締役社長

落合 文四郎さん

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
アルー株式会社 代表取締役社長 落合文四郎さん

労働人口の減少が著しい日本が国際競争を生きぬくためには「生産性の向上」が必要不可欠。その課題意識から「人材育成の成果にこだわる」をコンセプトに、新時代の教育・研修のあり方を追求している企業があります。2018年12月に東証マザーズへの上場を果たした、アルー株式会社です。アルーが手がけるのは、個人の意識や行動の変化を促し、組織全体の変革をサポートする長期的な育成プログラム。現場での活用のイメージが持てるまで実践を繰り返す演習主体のトレーニングや、研修効果を可視化する取り組みが特徴です。同社代表取締役社長の落合文四郎さんに、「アルーを立ち上げるまでの歩み」から「人材教育・研修業界が抱える課題」「これから目指すべき新時代の教育のカタチ」にいたるまで、じっくりお話をうかがいました。

プロフィール

落合文四郎(おちあい・ぶんしろう)/アルー株式会社代表取締役社長。1977年、大阪府生まれ。2001年、東京大学大学院理学系研究科修了後、株式会社ボストンコンサルティンググループ入社。2003年10月、株式会社エデュ・ファクトリーを設立し、代表取締役に就任する。2006年4月、アルー株式会社に社名変更。「夢が溢れる世界のために、人のあらゆる可能性を切り拓きます。」をモットーに、企業の人材育成支援事業に取り組んでいる。

100年後の社会基盤をつくる、「物理学」から「ビジネス」の世界へ

落合社長は大学院で物理学を研究されていたそうですね。物理学に興味を持たれたきっかけは何だったのでしょうか。

私の父が数学者だったこともあり、アインシュタインや物理、宇宙に関する本が、自然と目に入ってくるような家庭で育ちました。私自身も小学生のころから宇宙に関する本をよく読むようになって、「面白い世界だな」と感じるようになっていったんです。大学でも物理学を専攻し、大学院では宇宙物理との関係が深い素粒子物理学の研究室に入りました。物理学は、「100年後の社会基盤をつくる学問」と言われています。たとえば、今みなさんが使っているパソコンやスマホに組み込まれている半導体には、100年前の物理学が生かされています。100年後の未来に役立つ学問であるという点も、私が物理を学びたいと思った理由の一つです。

大学院を修了された後は、ボストンコンサルティンググループに入社されます。「物理学」から「ビジネス」の世界に飛び込まれるわけですが、そのまま物理学の分野で研究者の道に進もうというお考えはありませんでしたか。

いわゆる「ポスドク問題」に代表されるように、博士号取得者が大学教授などの職に就くことは非常に難しいと言われています。私が専攻していた素粒子物理学の分野でも、ポストがほぼない状況でした。物理学の世界は奥深く、面白かったのですが、そんな狭き門を突破してまで追求したいかと問われると、うなずけない自分もいたんです。実際、大学生活においても勉強漬けの日々だったわけではありません。テニスサークルの活動に傾倒していた時期もありました。一方、物理学の世界では、寝ても覚めても何をしていても公式を考えているくらい物理を愛している人たちがいます。私は、それほどの情熱を持ち続けられないだろうと考え、「物理学」ではなく「ビジネス」の世界へと道を変える決心をしました。

当時、私にとってビジネスは「スポーツ」に近い感覚がありました。ある一定のルールがあり、そのルールの中で自由にパフォーマンスを高められます。仲間と共に何かを成し遂げていく楽しさを味わうこともできる。そして、物理を学ぶ理由の一つでもあった「100年後の社会基盤をつくる」は、ビジネスでも実現できることです。ビジネスの世界に飛び込むのであれば、さまざまな角度からより多くのことを学びたいと考え、ボストンコンサルティンググループに入社しました。

ボストンコンサルティンググループでは、どのようなお仕事をされたのですか。

新規事業の立ち上げ支援から人事制度構築、営業セクションの生産性向上まで、あらゆるプロジェクトに参画しました。クライアントは大手企業が中心です。日本を代表するビジネスの第一線で、さまざまな制度構築や改善をお手伝いできたことは貴重な経験でした。

これらの仕事を通じて、ビジネスをする上で指針となる考え方や心構えを学ぶことができました。たとえば「クライアントファースト」の視点や、「お客さまの課題を解決してこそ仕事である」という考え方、「一人ひとりが個性を発揮しながらチームでシナジーを生み出す」組織のあり方、「成果が出るまでやる」プロフェッショナリズム――これらは当社においても大切にしているスタンスですし、今の私を形づくってくれているものでもあります。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

HR業界TOPインタビューのバックナンバー

落合 文四郎さん(アルー株式会社 代表取締役社長):
育成の成果にこだわり、研修効果を“見える化”
人のあらゆる可能性を切り拓く、新時代に求められる教育のカタチ
労働人口の減少が著しい日本が国際競争を生きぬくためには「生産性の向上」が必要不可欠。その課題意識から「人材育成の成果にこだわる」をコンセプトに、新時代の教育・研...
2019/01/23掲載
新居 佳英さん(株式会社アトラエ 代表取締役CEO):
「世界中の人々を魅了する会社を創る」を掲げ
日本全体の「人材の流動化」と「組織変革の支援」を担う
「役職の撤廃」「日本初となる全従業員に対する特定譲渡制限付株式の付与」「勤務時間や働く場所を管理しない、自由度の高い働き方」――。従来の会社組織の枠にはまらない...
2018/11/28掲載
矢澤 潤子さん(ANAビジネスソリューション株式会社 代表取締役社長):
ポジティブな言葉をたくさんかけて、精一杯生きる姿を見せる
それが組織のモチベーションを高めるリーダーの役割
ANAを中心としたエアライングループとして、グループ全体で長年にわたり培ってきたハイクオリティーなサービスや人財育成ノウハウを生かして、付加価値の高い人材派遣、...
2018/09/21掲載

関連する記事

石坂典子さん:
外部との交流が仕事の意義を見出し自信へとつながる
石坂産業を地域で愛される会社にした“考える”マネジメントとは
建築系廃材の処理を行う石坂産業は、徹底した分別と独自の技術で95%以上のリサイクル率を実現するなど、同業他社との差別化を図り、高い競争力を実現していることで知ら...
2018/09/05掲載キーパーソンが語る“人と組織”
パート・アルバイトの職場に対する隠れた不満
ES(従業員満足度)の向上が高いCS(顧客満足度)を生むという考え方があります。従業員が仕事や職場環境に不満を持ったままでは、十分な成果を出すことは難しいのです...
2018/08/20掲載新卒・パート/アルバイト調査
企業が研修を最も強化したいと考えている層は「ミドルマネジャー」と「新任マネジャー」。最も強化したいテーマは「リーダーシップ」
企業の育成担当者に、今後どの層を対象にした研修を強化するのかを聞いたところ、最も多かったのは「ミドルマネジャー」(63.7%)。次いで、「新任マネジャー」(55...
2018/07/19掲載人事白書 調査レポート
社員同士がSNS形式でアドバイスし合い、社内大学で教育し合う仕組みを構築。人の関わりが孤独感を消し去り、成長を促す
三和建設は2017年3月に、建設業界で初めて「日本でいちばんにしたい会社」大賞の審査員会特別賞を受賞しました。同社では社員の誰もが書き込んで意見交換ができるSN...
2018/07/17掲載編集部注目レポート
葛西 浩平さん(株式会社ジェック 代表取締役社長):
人は本来、たくさんの可能性を持っているもの――若い人たちが自分の才能や価値観を大切にし、「仕事を謳歌」していくために必要なこと
ただ単に需要へ対応するだけでなく、「需要を創造する企業集団」へ変わっていくためには何をするべきなのか。多くの企業が悩み続けるテーマだと言えるのではないでしょうか...
2018/05/30掲載HR業界TOPインタビュー
ウェルビーイング経営を実現するソリューション特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

信州リゾートテレワークフォーラムイン東京 三井不動産ビルマネジメント(株)

注目コンテンツ


ウェルビーイング経営を実現するソリューション特集

本特集では、『日本の人事部』が注目する、ウェルビーイング経営実現ための多彩なプログラムをご紹介。体験セミナーへの参加申込み、資料のダウンロードも可能ですので、 ぜひご利用ください。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


10~300名規模の企業だからこそ効果的<br />
「クラウド型人事・給与システム」が人材と企業経営を強くする

10~300名規模の企業だからこそ効果的
「クラウド型人事・給与システム」が人材と企業経営を強くする

クラウドシステム導入を検討する中堅・中小企業必読のインタビュー。システ...