企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

『労政時報』提携

女性の本音に迫る
働く女性の仕事と家庭、企業の取り組みに関するアンケート(1/5ページ)

2015/8/21
キャリアアップを志向する女性は33%。
キャリアアップ上の不安は
「仕事と家庭の両立をしながらキャリアアップしている女性がいない、少ない」が27%で最多
労政時報 photo

「女性は管理職になりたがらない」――果たして “女性の意識” はそれほど低いのだろうか。

女性活躍推進の課題として指摘されるのが、女性側の意識問題。今回は働く女性のキャリア意欲、仕事に対する考え、家庭と両立しながら働き続けていく上での不安、企業の女性活躍推進の取り組みに対する意見等についてアンケートを実施し、女性の本音に迫った。
結果を見ると、現状維持を志向する女性が50.8%で大勢を占めるものの、キャリアアップを志向する女性も33.3%と3人に1人に達している。しかも、若い世代ほどキャリア意欲は高い。

過度に特別視されず平等な機会や処遇を求めるが、男性と同様に働くことはできない。よって「昇進・昇格」「賃金」面での不利を感じ、キャリアに対するジレンマを持つ女性は多い。ここで女性の意識を前向きにしていく上でカギとなってくるのは、“ロールモデル” と “相談できる女性社員” の存在である。つまり、キャリアの提示と支援体制が重要となる。

そして、女性自身が主体的に活躍するためには、ポストありきではなく、働きがいのある仕事をアサインするとともに、仕事と家庭の両立を実現するフォロー体制と組織づくりが必要となっている。

今回のアンケートを見る限り、女性社員は年代、キャリア意欲の違いによっても、求める施策はさまざまということが分かる。女性活躍推進施策を検討する際には、女性社員に十分なヒアリングを行った上で、“自社に合った” 施策を検討していくべきだろう。

※『労政時報』は1930年に創刊。80年の歴史を重ねた人事・労務全般を網羅した専門情報誌です。ここでは、同誌記事の一部抜粋を掲載しています。

【 調査要領 】
1. 調査名:「企業の女性活躍推進に関する女性社員の意識調査」
2.調査対象:(株)マクロミルのアンケートシステム「Quick」の回答モニターに登録している民間企業等に勤務する全国20〜59歳のビジネスパーソン女性309人(パートタイマー、派遣社員、自営業および役員は含まない)。
3. 回答者の属性:年代の割合は20〜50代の4区分で、それぞれ25%前後となっている[参考(1)]。勤務先企業規模は「1〜50人未満」が44.7%と最も多く、「1000人以上」が16.5%、「300〜1000人未満」が15.5%と続く[参考(2)]。 役職は、「一般社員」が86.4%と最も多く、「主任・係長クラス」が7.4%、それ以上の役職者は4.5%となっている。
4. 調査期間:2015年3月24〜25日
5. 調査方法: WEBによるアンケート

回答者の年齢構成 勤務先企業規模

ポイント

●キャリア志向

[図表2]:現状維持派が過半数を占めるものの、年代別に見ると20・30代は、「管理職キャリア」「専門職キャリア」志向の人が4割前後となり、若い世代ほどキャリアへ前向き

●継続就労していく上での環境等の不安

[図表8]:「仕事やプライベートなどを相談できる先輩・同僚の女性社員がいない、少ない」が29.4%と最も多く、次いで「社内に相談できる窓口がない」が26.9%で、“相談相手の有無” が不安の軽減につながる

●出産後の継続就労のために必要な会社の支援策

[図表10]: 「育児のための短時間勤務制度」が全体的に多く、20・30代は「育児休業中の経済的給付」「子どもの病気に対応した病気休暇制度」、40代は「保育所や 学童保育など子どもを預けられる環境の整備・充実」が多い。女性のライフイベント、子どもの成長に応じた支援策が求められる

●キャリアアップする上での職場環境面の不安

[図表12]: 「仕事と家庭の両立をしながらキャリアアップしている女性がいない、少ない」(27.2%)、「子育てしながら責任のあるポジションに就くのが難しい」 (26.9%)、「女性で管理職になった前例がない、少ない」(24.3%)の順に多い。ロールモデルの存在、前例にとらわれない取り組みがキャリアを後 押しする

●女性活躍推進の取り組みについての意見・要望

[事例1〜2]:経営陣や人事部門に対しては「男女平等」=男性と同じ働き方ではない、賃金・評価等の処遇面での公平さ、時短勤務などの拡充といった柔軟な働き方への配慮の要望が多い

総じて女性の就労意欲は高く、20・30代ではキャリアアップにも前向きである。しかし現状では、処遇や環境面の不利・不安から子育てしながらキャリアを 積むことに対して積極的になれない女性が多い。制度や風土づくりで柔軟な働き方を実現するとともに、多様なキャリアの選択肢を提示し、適正な処遇や機会を 与えていくことが求められている。こうした取り組みの中で、女性の不安をフォローする相談・支援体制が必要になってくる。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事にコメントする

この記事に対するご意見・ご感想のコメントをご投稿ください。
※コメントの投稿をするにはログインが必要です。

※コメントのほか、ニックネーム、業種、所在地(都道府県まで)がサイト上に公開されます。

※投稿をしたコメントは、『日本の人事部』事務局で確認後、掲載されます。投稿後すぐには掲載されませんので予めご了承ください。

人事・労務実態調査のバックナンバー

労使および専門家の計452人に聞く2020年賃上げの見通し
~定昇込みで6495円・2.05%と予測。7年連続で2%台に乗る~
賃金交渉の最新動向がわかる!労・使の当事者および労働経済分野の専門家を対象に実施した「賃上げ等に関するアンケート調査」から見える2020年の賃上げ見通しは?
2020/02/20掲載
本誌特別調査 2019年度 モデル賃金・年収調査
上場企業を中心とした各社の定昇・ベアの実施状況や賃上げの配分状況、モデル賃金、年収・賞与の水準等について
民間調査機関の一般財団法人 労務行政研究所では1967年から毎年、全国の上場企業を中心に「モデル賃金実態調査」を実施している。本稿では2019年度の集計結果から...
2019/12/16掲載
東証第1部上場企業の2019年年末賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査
全産業212社ベースで74万7808円、対前年同期比0.1%減とマイナスに転じる
2019/10/29掲載

関連する記事

人材採用“ウラ”“オモテ”
何かウラがあるのでは……?と勘ぐってしまう超ポジティブな転職理由
人材紹介会社が転職支援を行う際、重視するのが「転職理由」。 妙にポジティブすぎる転職理由に、本音を隠しているのではと不安になることも。
2019/09/02掲載人材採用“ウラ”“オモテ”
女性活躍推進が成果を「上げている」企業は約半数。
「上げていない」と答えた企業では、女性従業員の「昇進意欲」や「モチベーション向上」が課題
多くの企業が女性活躍推進に取り組んでいる。その成果については、「上げている」(8.9%)「どちらかといえば上げている」(36.6%)が合わせて45.5%と、半数...
2018/08/02掲載人事白書 調査レポート
社員53人で100億円を売上げる驚異の生産率
女性活躍を推進し、チームの力を最大に高める秘訣とは
オリジナル化粧品「マナラ」を展開する、株式会社ランクアップ。従業員は53人と少数精鋭ながら、100億円近くの売上を計上する同社では、増収増益を続けているにもかか...
2017/12/06掲載編集部注目レポート
「女性管理職増加」「多様性の達成」は通過点 マタハラにいち早く取り組んだプルデンシャル生命に聞く“多様性のその先”
プルデンシャル生命保険株式会社は、2008年頃には管理職の3割を女性が占めるなど、女性活躍推進に関して先進的な企業として知られます。現在は数字からは見えない、真...
2017/09/20掲載編集部注目レポート
「働き方改革」推進に向けての実務(6)育児・介護と仕事の両立
「働き方改革」の重要課題である育児・介護と仕事の両立。改正を重ねる法律と支援策について紹介する。
2017/03/31掲載よくわかる講座
目標管理・人事評価システム導入のメリットとは?

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

職員の皆さまに、資産形成の研修を

注目コンテンツ


「目標管理・人事評価」に役立つソリューション特集

目標管理・人事評価システムを選ぶときのポイント、おすすめのサービスを紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


Employee Experienceを企業競争力の源泉へ<br />
リクルートが本気で取り組む「エンゲージメント型経営」

Employee Experienceを企業競争力の源泉へ
リクルートが本気で取り組む「エンゲージメント型経営」

リクルートホールディングスでは2015年から、働き方変革を推進。グロー...


企業の成長を促す「エンゲージメント経営」<br />
Employee Experienceが競争力の源泉となる

企業の成長を促す「エンゲージメント経営」
Employee Experienceが競争力の源泉となる

将来の労働力減少が見込まれる現代において、「従業員一人ひとりが持つ経験...