企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】ヨンアール 4R

「4R」とは、従来、企業組織の中で女性の比率が高い、あるいは女性が配属されやすいといわれてきた四つの部署・職種――人事(HR)、経理(IR)、広報・宣伝(PR)、カスタマーリレーション(CR/お客様相談室)の総称です。すべて部署名の英語表記にRがつくことから俗に「4R」といわれ、これに秘書(Secretary)と受付(Reception)を加えて「6R」と呼ぶこともあります。日本の企業社会では、総合職として採用された女性のキャリアが4Rに偏り、直接部門の業務や男・女が混在する職場を経験する機会が少ないことが、女性活躍が伸び悩んでいる一因ではないかという声もあります。
(2017/3/24掲載)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

4Rのケーススタディ

「R」のつく部署にはなぜ女性社員が多いのか
女性活躍推進を有名無実にする日本企業の旧弊

2016年4月の女性活躍推進法の全面施行から、1年が経ちました。働く女性をめぐる企業の環境整備は進みつつありますが、一方で、働く女性の約6割が出産を機に離職し、管理職全体に占める女性の割合は欧米諸国の3分の1にとどまるなどの実態は依然として変わっていません。女性活躍の“伸び悩み”もさかんに取りざたされています。

国際労働機関(ILO)の直近の報告書(15年)によると、日本の女性管理職比率は11.1%で、調査対象となった108の国と地域のうち96位と、最下位層に低迷しています。世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表している「ジェンダー・ギャップ指数」(世界各国の男女平等の度合いを指数化したもの)の16年版ランキングでは144ヵ国中111位。前年より良くなるどころか、10も順位を下げて、過去最低の水準に落ち込みました。

安倍政権は、「20年までに官民の指導的地位に女性が占める割合を30%程度とする」という、いわゆる「2030」(ニイマルサンマル)目標を経済成長戦略の目玉として掲げていますが、民間企業の課長クラスの女性比率は14年時点で9.2%と1割にも満たず、目標達成はかねて危ぶまれていました。現に、15年末に閣議決定された第4次男女共同参画基本計画では、「2020年度末までに中央省庁の課長・室長職で7%、20年の民間企業の女性課長職割合を15%」と目標を“下方修正”。「2030」目標を事実上断念した格好となり、議論を呼んでいます。いまのままでは「課長職15%」も達成は至難といわざるをえないでしょう。

そもそも、女性社員の育成が進んでいない現状で、数値目標を設定して女性登用を促す取り組みについては、「実力が伴わないのに数合わせで女性を管理職に昇進させる“象徴人事”が増えるだけだ」という厳しい声も少なくありません。なぜ実力が伴わないのか。背景にある問題の一つが、いわゆる「4R」配属です。これまで多くの企業が、総合職で採用した女性社員を「女性がなじみやすい」「女性の教育には女性が多い職場のほうが好都合」といった理由で、人事、経理、広報、お客様相談室の「4R」部署へ、集中的に配属してきました。同じ4R配属者でも男性社員の場合は、数年単位で他部署をローテーションし、経験を積んだ上で4Rに戻って昇進するパターンが一般的ですが、女性社員は4Rに固定されやすく、営業など現場の仕事内容や男性の多い職場の人間関係を直に経験する機会に恵まれません。社内のネットワークが乏しく、そのまま管理職になると他部署との意思疎通や調整にも困ることに。女性比率だけを高めて体裁を整える女性登用施策の裏で、優秀な女性がキャリアの偏りに悩み、成長を鈍らせている――そんな皮肉な実態が広がっているのかもしれません。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

ポジティブ・アクション
Positive Action。積極的格差是正措置。男女間の差別を解消して、働く意欲と能力のある女性が活躍できるように、企業が自主的に行う取り組みのことです。
マミー・トラック
「マミートラック」とは、子どもを持つ女性の働き方のひとつで、仕事と子育ての両立はできるものの、昇進・昇格とは縁遠いキャリアコースのことです。職場の男女均等支援や仕事と育児の両立支援が十分でない場合、ワーキングマザーは往々にして補助的な職種や分野で、時短勤務を利用して働くようなキャリアを選ばざるをえな...
スポンサーシップ制度
「スポンサーシップ制度」とは、女性の管理職や経営幹部を増やすために、役員クラスが選ばれた女性社員のスポンサーに就き、マンツーマンで指導して昇進を後押しする制度のことです。スポンサーは英語で保証人、支援者の意。自分の裁量権で、リーダーに必要なスキルが学べる仕事を担当させたり、本人に代わって業績や能力を...

関連する記事

女性活躍推進の重要性が叫ばれる現在も、変わらず求められるのは 「トップやマネジメント層の理解」と「女性社員の意識改革」 ~「女性管理職3割以上」時代に向けて実態を調査~
昨今、女性管理職の登用を推進する企業が増えています。企業の現状はどうなっているのかを知るために、「女性管理職に期待していること」「活躍している女性管理職のタイプ」「女性管理職を増やすための取組み」の三項目について聞きました。
2014/10/01掲載編集部注目レポート
女性活躍推進が成果を「上げている」企業は約半数。 「上げていない」と答えた企業では、女性従業員の「昇進意欲」や「モチベーション向上」が課題
多くの企業が女性活躍推進に取り組んでいる。その成果については、「上げている」(8.9%)「どちらかといえば上げている」(36.6%)が合わせて45.5%と、半数近くが手ごたえを実感している。女性活躍推進の成果を「上げていない」「どちらかといえば上げていない」と...
2018/08/02掲載人事白書 調査レポート
香山リカさん 均等法世代の働く女性の結婚問題
仕事で自己実現を図っても、結婚していない女性は「負け犬」という厳しい見方をされてしまう風潮も出てきていますが、均等法から現在までの間に、働く女性の結婚観はどう変わってきたのでしょうか。『就職がこわい』『結婚がこわい』(ともに講談社)などの著書もある精神科医、香...
2005/10/07掲載キーパーソンが語る“人と組織”

関連するQ&A

女性採用の推進のための具体策
女性活躍推進法に則り、弊社では3割の女性を次期採用目標に設定しましたが、 現状は女性率1~2割弱で厳しい状況です。 応募者の割合も同等です。 効果的な対策を教えていただけないでしょうか。 ちなみに女性管理職はいません。
女性管理職の育児短時間勤務時間の取り扱い
女性管理職が育児短時間勤務制度を利用した場合、給与カットをしても良いのか?
中堅女性社員研修について
 中堅クラス(20代後半から30代前半)の女性社員向けに、研修を検討しています。今まで、全く研修というものを受けてこなかったクラスです。  人事部としては、現場の管理職と意思疎通を図りながら、事務職の女性たちのまとめ役(リーダー)としてきちんと立場を築いて欲しいと思っているクラスです。当社は、コース...
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
人事・労務の専門家が親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

分類:[ キャリア開発 ]
新入社員研修の種類や企業事例、「新入社員研修」サービス

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

ボブ・パイク 参加者主体の研修テクニック 求める人材を確実に採用する視点

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ


「2020年度 新入社員育成」ソリューション特集

新入社員研修の種類やカリキュラム例、企業事例、おススメの「新入社員研修」サービスをご紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。