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社長面接が遅れて優秀な人材を採り損ねそうになった企業
ジョブローテーションの企業に愛想を尽かした優秀な人材

人材紹介アドバイザー

小中敏也

転職活動の「かけもち」で内定先に返事ができなかった人材のケース
返事期限の数時間がその人の人生を変えてしまうこともある


転職活動というと、普通は1カ月、あるいは2カ月といった月単位で活動するものだろう。書類選考、1次面接、2次面接…と続いていくから、1社を受験して結果が出るまでには、短くても2~3週間はかかる。ところが、この転職活動が、急にあわただしく「時間単位」になってしまうケースもある。合格した企業に入社の返事をしないといけない状況で、他の企業からの合否を待っている…といった「かけもち」の状態の場合である。

「うーん、社長が戻るのは月曜日でこれは動かせないですよ…」

「Aさんの2次面接の結果ですが、担当部長からもとても良い評価があがってきましたよ。つきましては、次回の社長面接にお進みいただきたいと思っています。次回が最終面接です。Aさんにご確認いただけますでしょうか…」

採用担当のYマネジャーからの電話は、とても良い知らせだったが、候補者であるAさんの置かれている状況は単純に喜べば良いというものではなかった。

「そうですか、ありがとうございます。ところで、その社長面接ですが、時期的にはいつ頃になりそうでしょうか。できれば早めに機会をいただけるとうれしいのですが…」

実は、Aさんは他の企業からもすでに内定をもらっている。正式の内定通知を自宅に送ってきているという。給与や勤務条件もきっちり記されているものだ。その内定を受けるかどうか(つまり入社するかどうか)の返事の期日が、あと数日以内に迫っている。私は、Aさんからそんな報告をもらっていた。つまり、その日までにこちらも内定通知を出さないと時間切れ…ということになってしまう。

ところが、Yマネジャーの返事は恐るべきものだった。

「その社長なんですが、今ちょうど出張に出ているんですよ。今週いっぱいは戻らないので、最終面接は早くても来週になってしまいます。大丈夫でしょうか」

大丈夫なはずはない。私は状況を説明した。

「……という事情なんです。他社も受けていらっしゃるという話は以前にもお伝えしていたと思うんですが、いよいよ期限が迫っているようなんです。なんとかならないでしょうか」
「うーん、社長が戻るのは月曜日でこれは動かせないですよ。ところで、Aさんに待っていただけるのはいつまでなんでしょうか?」

「わかりました。そのあたりを詳しく確認します。ついでに回答の期日を延ばせるかどうかも交渉してもらうようにします」

転職活動を同時並行で進めている場合にはよくある現象だ。1日、2日を争う、場合によっては数時間単位で返事を延ばせるかどうかの攻防になってきた。

「すでに内定を受けるかどうかの返事を延ばしているんです…」

「うーん、そうなんですか。社長面接は来週ですか…」

Aさんも絶句している。Aさんの内心では、今のところ内定している企業よりも、Yマネジャーの会社のほうに魅力を感じているらしい。それは紹介した私としてもうれしいことだが、社長面接に100%合格という保証ができない以上、先に内定した企業を断ってくださいとは言えない。

「返事をもう少し延ばすように頼んでみることはできませんかね。田舎の親に相談する…とかいう理由ではどうでしょう」

「いや、それは無理ですよ。じつはもうかなり返事を延ばしているんです。私もいろいろな可能性を探りたかったので、内定してからもう2週間以上待ってもらっているんですよ。これ以上延ばしたら内定を取りやめにされても文句は言えませんよ」

「うーむ、困りましたね…」

今度は私が絶句する番だ。あまり無理をさせてAさんが内定を取り消されたりしたら、それこそ一大事である。

「ところでAさん、その返事の期日はギリギリ限界でいつなんでしょうか」

「週明け早々です。ですからやはり月曜には返事をしなくてはまずいでしょう。もうかなり待たせていますから…」

「わかりました。なんとか社長面接を月曜に組んでもらえないか、頼んでみますよ。できればその日のうちに内定通知を出してもらえるかどうかも…」

「お願いします…」

その翌日。次に絶句したのはYマネジャーだった。

社長面接が遅れて優秀な人材を採り損ねそうになった企業 ジョブローテーションの企業に愛想を尽かした優秀な人材

「うーん、月曜に社長面接を組むのは必ずしも無理ではないとしても…。普通はそこから合格が出て、給与計算をしてもらって、最終的に内定通知を作成するのに3~4日はかかりますよ。厳しいなあ…」
「そこを何とか…お願いできませんか。Aさんも御社には非常に魅力をお感じになっているんです…」
「そうですね…。事前に給与計算をしておいて、仮の内定通知をつくっておくことができればいいわけか…。ちょっと給与関係の部署に頼んでみましょう。もしそれが可能なら、Aさんには月曜中に相手先に返事をしてしまわないように、しっかり念を押しておいてくださいよ、小中さん」
「もちろんです! そうしていただけると非常に助かりますよ!」

もちろん、このようにうまくいくケースばかりではない。結局時間切れで涙をのむ場合も数え切れないのだ。返事期限の数時間がその人の人生を変えてしまうことだってあり得るのである。

ジョブローテーションが転職の引き金になった人材のケース
一つの企業に特化したゼネラリストは転職するときに不利?


終身雇用制がしっかりしていた時代には、社内の各部門で経験を積み、人脈を築くためのジョブローテーションの制度を導入している企業が数多くあった。こういう企業(多くが大手企業)では、20代の10年間くらいは、さまざまな仕事を数年単位で経験し、その会社の業務を肌で知る期間とされていた。しかし、転職でキャリアアップするという考え方が一般的になってくると、「キャリアが途切れる」という理由でジョブローテーションを嫌う人が増えてきた。

「転職には、まとまったキャリアがないと不利になりますから…」

「今回転職を考えた理由は、この4月に異動になってしまったことです。人事としてキャリアを積んでいければいいなと思って、去年は社会保険労務士の資格も取ったんですよ。ところが、現在はまったく関係ない業務部という部署にいます。主に物流関係の仕事を担当しているんですが…」

Gさんは新卒で大手メーカーに入社して8年目。ちょうど30歳だ。

「そういった社内での異動はよくあるんですか」

「ええ、大手企業なのでジョブローテーション制度があるんですよ。職務経歴書を見ていただけばわかると思いますが、私も最初は営業部に配属だったんです。その後、管理部に異動し、3年前から人事部になりました。ここでは人事制度改訂のプロジェクトなども若手中心にやらせてもらいましたし、非常におもしろいと思ったんですね」

「それで人事を中心にキャリアをつくっていきたいと…」

「そうなんです。やはり将来、何らかの理由で転職しないといけないような場合もあると思うんです。そういったときに、まとまったキャリアがないというのは不利になると聞いたものですから…」

Gさんの話は要点を的確に押さえている。いわゆる仕事ができそうな雰囲気の人物だ。おそらく社内でも期待されているのだろう。会社としては、その期待ゆえにさまざまな仕事を経験させようとジョブローテーションを行っているのだろうが。

「転職の際には、やはりスペシャリストが求められる場合が多いのは確かです。求人票を見ていただければわかるように、人事の経験○年以上などと条件がついている場合が多いですよね」

私の説明を聞きながら、Gさんはテーブルの上に置かれた何枚もの求人票を見てうなずいている。

「私も自分でいろいろ調べて、転職するなら今しかないなと思ったんです。このまま業務部にいても社労士の資格も生かせませんしね。今ならまだ30歳ですから、人事の経験は3年と短いですが、準若手として受け入れてくれる会社があるんじゃないかと思ったんですよ」

企業としては社内のいくつもの部門の仕事を理解し、また社内人脈を持つゼネラリストを育てたくてジョブローテーションを行っている。実際、組織の大きい大企業では、複雑な業務を円滑に進めるためにも、そういった人材が欠かせないのも事実だろう。

しかし、終身雇用が確実ではなくなった現在、誰もが「転職」を意識せざるをえなくなっている。そして、転職に際しては一つの企業に特化したゼネラリストはどうしても不利になってしまうのだ。Gさんの情報収集アンテナの感度はなかなか鋭いようだ。

「年収に贅沢は言えないと思っています。現状程度で十分かと…」

「ですから、新しい会社でもジョブローテーションがない会社を希望したいんですよ。もちろん、人事の内部では多少ローテーションはあったほうがいいですね。これからは採用や人材開発などにも興味があるので、人事のカテゴリ内ではいろいろ経験していきたいと思っています」

さて、意欲満々のGさんだが、転職して気になるのは年収だ。

「年収に関しては贅沢は言えないと思っています。アピールできるキャリアが豊富にあるわけでもないので、現状程度で十分かと…」

Gさんの希望は一見控えめのようだが、現実的にはそうでもなかったりする。

というのは、ジョブローテーションがあるような大手企業の場合、もともとの給与がけっこう高い場合があるためだ。また、ゼネラリストとして育成されている人材の場合、いわゆる出世コースに乗っている場合がある。その時には、転職すると確実に年収がダウンすることになる。

社長面接が遅れて優秀な人材を採り損ねそうになった企業 ジョブローテーションの企業に愛想を尽かした優秀な人材

「とはいっても、ずっと年収が下がったままということはありえませんのでご安心ください。やはり転職の場合は、1年単位ではなく、5年先・10年先くらいまでをイメージしてトータルに判断していただかないといけないと思うんです」

「…と、いいますと?」

「Gさんのような場合、初年度に関しては人事の経験が3年しかないということで多少ダウンする可能性があります。でも、このまま業務部の仕事を続けていて、キャリアが分断した状態になってから転職したらどうでしょう。その時のダウン率はもっと高くなるのではないでしょうか。人事でキャリアを一貫しておけば、将来的に転職するようなことがあっても、その時には仕事を探すうえでも有利だし、年収ダウンも避けられるわけです」

「なるほど…」

「よく奥さんが年収ダウンでの転職は認めてくれない、という方がいらっしゃいますが、そのあたりを十分ご説明されれば、案外理解してくれるものですよ」

私がそこまで話すと、Gさんはニヤリと笑って言った。

「よくうちの家内が言うことがおわかりになりましたね。やはり多いんですね、そういう家庭」

企画・編集:『日本の人事部』編集部

Webサイト『日本の人事部』の「インタビューコラム」「HRペディア「人事辞典」」「調査レポート」などの記事の企画・編集を手がけるほか、「HRカンファレンス」「HRアカデミー」「HRコンソーシアム」などの講演の企画を担当し、HRのオピニオンリーダーとのネットワークを構築している。

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この記事ジャンル 中途採用

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