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【ヨミ】キャリア アンカー キャリア・アンカー

「キャリア・アンカー」とは、アメリカの組織心理学者エドガー・H・シャイン博士によって提唱されたキャリア理論の概念。個人がキャリアを選択する際に、自分にとって最も大切で、これだけはどうしても犠牲にできないという価値観や欲求、動機、能力などを指します。船の“錨”(アンカー:Anchor)のように、職業人生の舵取りのよりどころとなるキャリア・アンカーは、一度形成されると変化しにくく、生涯にわたってその人の重要な意思決定に影響を与え続けるとされています。
(2011/10/7掲載)
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キャリア・アンカーのケーススタディ

“What?”より“How?”を突き詰める自己分析
仕事に対する自分なりの価値観が、職業人生のよりどころに

学生の就職活動でも、社会人のキャリア開発でも、進路の選択に欠かせないのが本人の「自己分析」です。しかし、その分析の仕方というと「自分はこれまで何をしてきたか、これから何がしたいのか」の一辺倒。“仕事内容に関する志向や興味”にばかり偏る傾向があります。特に若いうちは社風や職場のカラー、労働環境など二の次三の次で、自分の希望する仕事ができるか否かを軸にキャリア選択をしたという人が多いのではないでしょうか。

「どんな仕事に就きたいか」という問いかけは、答えが明示的でわかりやすい反面、どうしても時流の波の影響を受けざるを得ません。市況や産業構造の変化によって希望する仕事の需要が減ったり、職種自体が無くなってしまったりすることもあるでしょう。また本人の希望そのものも、年齢によって移り変わらないとはかぎりません。組織内で本人の立場が変われば、同じ仕事を続けたくても、会社の方針でキャリア転換を求められることがあるかもしれません。職業人生の舵取りを考えるとき、「どんな仕事をしたいか」という価値観は重要ではあるものの、絶対ではありません。キャリア選択の指針としては、あくまでもその一部に過ぎないのです。

むしろ長期的なキャリアのよりどころとなるのは、「何をしたいか」よりも「どういう風にしたいか」、つまり自らに“What?”ではなく“How?”と問う価値観ではないでしょうか。自分は今後、どういう風に仕事をしていきたいのか――それが「キャリア・アンカー」の考え方です。シャイン博士は、おもなキャリア・アンカーを次の8種類に分類しました。これらは仕事自体の内容ではなく、何を最も大切にして仕事に取り組むのか、その姿勢やポリシーを突き詰めた人生観ですから、時代の変化のあおりを受けても見失うものではありません。個人のキャリアデザインに役立つのはもちろんのこと、組織も社員一人ひとりのキャリア・アンカーを見極めることで、適材適所の人員配置や効果的な研修体系の構築に活かすことができます。

 
●専門・職能別コンピタンス
特定の分野で能力を発揮し、自分の専門性や技術が高まることに幸せを感じる

● 全般管理コンピタンス
集団を統率し、権限を行使して、組織の中で責任ある役割を担うことに幸せを感じる

● 保障・安定
一つの組織に忠誠を尽くし、社会的・経済的な安定を得ることを望む

● 起業家的創造性
リスクを恐れず、クリエイティブに新しいものを創り出すことを望む

● 自律と独立
組織のルールや規則に縛られず、自分のやり方で仕事を進めていくことを望む

● 社会への貢献
社会的に意義のあることを成し遂げる機会を、転職してでも求めようとする

● ワーク・ライフ・バランス
個人的な欲求や家族の願望、自分の仕事などのバランスや調整に力をいれる

● 純粋なチャレンジ
解決困難に見える問題の解決や手ごわいライバルとの競争にやりがいを感じる

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