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女性の本音に迫る。働く女性の仕事と家庭、企業の取り組みに関するアンケート
キャリアアップを志向する女性は33%。
キャリアアップ上の不安は「仕事と家庭の両立をしながらキャリアアップしている女性がいない、少ない」が27%で最多

「女性は管理職になりたがらない」――果たして “女性の意識” はそれほど低いのだろうか。

女性活躍推進の課題として指摘されるのが、女性側の意識問題。今回は働く女性のキャリア意欲、仕事に対する考え、家庭と両立しながら働き続けていく上での不安、企業の女性活躍推進の取り組みに対する意見等についてアンケートを実施し、女性の本音に迫った。
結果を見ると、現状維持を志向する女性が50.8%で大勢を占めるものの、キャリアアップを志向する女性も33.3%と3人に1人に達している。しかも、若い世代ほどキャリア意欲は高い。

過度に特別視されず平等な機会や処遇を求めるが、男性と同様に働くことはできない。よって「昇進・昇格」「賃金」面での不利を感じ、キャリアに対するジレンマを持つ女性は多い。ここで女性の意識を前向きにしていく上でカギとなってくるのは、“ロールモデル” と “相談できる女性社員” の存在である。つまり、キャリアの提示と支援体制が重要となる。

そして、女性自身が主体的に活躍するためには、ポストありきではなく、働きがいのある仕事をアサインするとともに、仕事と家庭の両立を実現するフォロー体制と組織づくりが必要となっている。

今回のアンケートを見る限り、女性社員は年代、キャリア意欲の違いによっても、求める施策はさまざまということが分かる。女性活躍推進施策を検討する際には、女性社員に十分なヒアリングを行った上で、“自社に合った” 施策を検討していくべきだろう。

※『労政時報』は1930年に創刊。80年の歴史を重ねた人事・労務全般を網羅した専門情報誌です。ここでは、同誌記事の一部抜粋を掲載しています。

【調査要領】

◎調査名:「企業の女性活躍推進に関する女性社員の意識調査」

1. 調査対象:(株)マクロミルのアンケートシステム「Quick」の回答モニターに登録している民間企業等に勤務する全国20〜59歳のビジネスパーソン女性309人(パートタイマー、派遣社員、自営業および役員は含まない)。

2. 回答者の属性:年代の割合は20〜50代の4区分で、それぞれ25%前後となっている[参考(1)]。勤務先企業規模は「1〜50人未満」が44.7%と最も多く、「1000人以上」が16.5%、「300〜1000人未満」が15.5%と続く[参考(2)]。 役職は、「一般社員」が86.4%と最も多く、「主任・係長クラス」が7.4%、それ以上の役職者は4.5%となっている。

3. 調査期間:2015年3月24〜25日

4. 調査方法:WEBによるアンケート

【参考表】産業別、規模別集計対象会社の内訳

●キャリア志向
[図表2]:現状維持派が過半数を占めるものの、年代別に見ると20・30代は、「管理職キャリア」「専門職キャリア」志向の人が4割前後となり、若い世代ほどキャリアへ前向き

●継続就労していく上での環境等の不安
[図表8]:「仕事やプライベートなどを相談できる先輩・同僚の女性社員がいない、少ない」が29.4%と最も多く、次いで「社内に相談できる窓口がない」が26.9%で、“相談相手の有無” が不安の軽減につながる

●出産後の継続就労のために必要な会社の支援策
[図表10]: 「育児のための短時間勤務制度」が全体的に多く、20・30代は「育児休業中の経済的給付」「子どもの病気に対応した病気休暇制度」、40代は「保育所や 学童保育など子どもを預けられる環境の整備・充実」が多い。女性のライフイベント、子どもの成長に応じた支援策が求められる

●キャリアアップする上での職場環境面の不安
[図表12]: 「仕事と家庭の両立をしながらキャリアアップしている女性がいない、少ない」(27.2%)、「子育てしながら責任のあるポジションに就くのが難しい」 (26.9%)、「女性で管理職になった前例がない、少ない」(24.3%)の順に多い。ロールモデルの存在、前例にとらわれない取り組みがキャリアを後 押しする

●女性活躍推進の取り組みについての意見・要望
[事例1〜2]:経営陣や人事部門に対しては「男女平等」=男性と同じ働き方ではない、賃金・評価等の処遇面での公平さ、時短勤務などの拡充といった柔軟な働き方への配慮の要望が多い

総じて女性の就労意欲は高く、20・30代ではキャリアアップにも前向きである。しかし現状では、処遇や環境面の不利・不安から子育てしながらキャリアを 積むことに対して積極的になれない女性が多い。制度や風土づくりで柔軟な働き方を実現するとともに、多様なキャリアの選択肢を提示し、適正な処遇や機会を 与えていくことが求められている。こうした取り組みの中で、女性の不安をフォローする相談・支援体制が必要になってくる。

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この記事ジャンル 女性活躍推進

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