人事白書調査レポート2020 採用
中途採用の面接官トレーニングには消極的?
「今後も実施の予定はない」が約半数
「今後も実施の予定はない」が約半数。規模が大きい企業はトレーニングに前向き
中途採用の面接官に対するトレーニングを行っているかどうかを聞いたところ、最も多かったのは「今後も実施の予定はない」(50.8%)で半数を占めました。これに対して、「行っている」(17.5%)と「現在は実施していないが今後実施予定」(20.8%)を合わせると38.3%で、4割ほどでした。
従業員規模別で見ると、1~100人と101~500人は「今後も実施の予定はない」(それぞれ、57.4%、53.6%)の割合が高い一方、1001~5000人と5001人以上は「行っている」と「現在は実施していないが今後実施予定」を合わせた割合(それぞれ、55.0%、60.0%)が全体の数値に対して特に高いことがわかります。規模の大きな企業ほど、トレーニングに前向きであることがうかがえます。
トレーニングは面接スキルの向上がメイン。採用基準の明確化・共有にも意欲的
中途採用の面接官に対するトレーニングを「行っている」「現在は実施していないが今後実施予定」と回答した企業に、中途採用の面接官に対して、どのようなトレーニングを行っているのかを自由記述形式で聞きました。面接スキルの向上を目的としたさまざまな取り組みが多数ありました。その方法は、模擬面接やロールプレイ、コーチング、フィードバックなどさまざまのようです。また、会社としての採用基準の明確化・共有を図り、面接に対する認識・意識の見直しを促す企業もありました。以下、代表的なものを紹介します。
- 質問力とヒアリング力のトレーニング
- 模擬面接
- 主にロールプレイング
- 人事担当者が面接に同席し、面接時の質問内容から評価までをフィードバックしている
- 面接時のNGワードやNG質問などの知識面の習得およびロールプレイング、実際の面接での行動を評価
- 面接官に必要な知識、スキルの習得(座学)
- 全世界の事業所に水平展開されるトレーニングカリキュラムがあり、それを活用する予定
- 求める人財像の共有
- 公正な採用選考についてのレクチャー、OJT
- 評価シートの見直しと採用基準の目線合わせ
- 役員に対して、応募者はステークホルダーであることを認識してもらい、自社の魅力を伝えて入社意欲を掻き立てる役割があることを伝えている
- 面接前には自治体から発行されている資料の精読を依頼
- 経営コンサルを入れる予定
- CXという考え方を参考に実施している
※自由記述回答より一部抜粋
実施時期 | 2020年3月16日~4月10日 |
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調査対象 | 『日本の人事部』正会員 |
調査方法 | Webサイト『日本の人事部』にて回答受付 |
回答数 | 4,620社、4,783人(のべ) |
質問数 | 168問 |
質問項目 | 1.戦略人事/2.採用/3.育成/4.評価・賃金/5.ダイバーシティ/6.働き方/7.HRテクノロジー/8.新しい人事課題 |
出典:『日本の人事部 人事白書2020』
全国の人事の実態・課題を明らかにし、解決の糸口を探る『日本の人事部 人事白書』から、調査レポートを公開。貴社の課題解決にご活用ください。