不利益変更について
下記の不利益変更について、合理性があるかどうかのご相談をしたく、投稿させていただきました。
時系列で記載します。
1.ある課長が、昨年春から夏にかけ5か月間、うつ状態で休業、休業前賃金は下記のとおりです。
基本給 336,000円
職責手当 65,000円(課長職)
衛生管理者手当 2,000円
家族手当 20,000円
住宅手当 20,000円
合計 443,000円
となっていました。
2.休業開始と同時に、衛生管理者としての職務を遂行していないということで、衛生管理者手当2,000円をカットしました。
3.昨年夏の復帰時に、課長職を解き、監督職としたことで、職責手当が52,000円となりました。
現時点での賃金は、
基本給 339,000円(春に昇給があった為)
職責手当 52,000円(監督職)
衛生管理者手当 0円
家族手当 20,000円
住宅手当 20,000円
合計 431,000円
となっています。
4.人事制度上、以前から、同等級長期滞留者は基本給下がる仕組みとなっており、今春、当該社員が該当する為、基本給が306,000円に下がります。
5.今春から監督職に対して支払っている職責手当52,000円を支給停止し、代わりに時間管理をし、残業代を支給する様、給与規程を改定しようとしています。そうなると今春からの当該社員の固定的賃金は、下記のとおりとなります。
基本給 306,000円
職責手当 0円
衛生管理者手当 0円
家族手当 20,000円
住宅手当 20,000円
合計 346,000円
一年前の賃金からは、97,000円下がることとなります。
そもそも、監督職は部下がおらず、管理職ではない為、時間管理をし、時間外手当を支給することが正しいとの考えから、給与規定を改定するのですが(今までは部下がいなくても一定の等級に昇格すると「監督職」とし時間外手当を支給していませんでした)、当該社員は残業をほぼしない(できない?)ということもあり、大幅に賃金が下がってしまいます。
尚、この改定により、固定的賃金が下がる社員は、当該社員を含め2名が想定されます。全従業員数は、300名超となっています。
また、人事部長が当該社員をよく思っておらず、「あいつは残業もしないし、職責も果たしてないんだから、職責手当をどうにかしてカットできないのか」と我々人事部員に対し指示を出している事実が、当該社員の耳にも入ってしまっている可能性があります(同フロアーにデスクがあり、人事部長が当該社員にあえて聞こえる声量で上記発言をしている為)。
この様な状態で、職責手当52,000円をどうすれば支給停止にできますでしょうか。
どうぞ宜しくお願い致します。
投稿日:2020/03/13 17:38 ID:QA-0091387
- やまかずさん
- 東京都/情報処理・ソフトウェア(企業規模 101~300人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、文面を拝見する限りですと、法的に問題となる給与カットはご指摘の職責手当(監督職)のみといえます。
つまり、他のカットが現行規定上の根拠が明白であるのに対し、職責手当(監督職)のカットについてはそうした根拠がなく新たな制度変更に基づき実施されるようですが、そうであればこうした措置に関しましては労働条件の不利益変更に該当するものといえます。
「監督職は部下がおらず、管理職ではない為、時間管理をし、時間外手当を支給することが正しいとの考え」についてはご認識の通りですが、そうであっても既存の監督職手当を直ちにカットする理由には当てはまらないものといえますので、原則としましてカットは認められないものといえます。
ちなみに、人事部長の発言内容からこの方については当てはまらないでしょうが、仮に毎月相応の時間外労働が発生しており、今回の変更に基づき時間外手当を支給されるようになった事で実際の手取り給与が監督職手当が支給された場合と比較しても同等以上になるようであれば、実質上の不利益は生じないことからも事情を丁寧に説明された上で変更された場合には当人の同意を得られなくとも有効足りえるものといえるでしょう。
投稿日:2020/03/14 13:40 ID:QA-0091410
相談者より
ご回答いただきどうもありがとうございます。
もしできればもう一つ教えてください。
弊社は組合がなく従業員代表もやりたがる社員がおらず、結果人事部長に全く意見ができない立場の「人事部員」が従業員代表となって規則規程の改定がされています。今回の不利益変更が問題として公に出た際はその部分も指摘されてしまう可能性があるのでしょうか?
投稿日:2020/03/16 11:19 ID:QA-0091427大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
「坊主・袈裟」の類の色眼鏡の存在が気になるところ
▼減給自体は、体調不良による休職、復帰後の役職、管理監督者からの除外という一連の事実に応じ、社内規則に基づく措置なので止むを得ない様です。
▼但し、「坊主・袈裟」の類の色眼鏡の存在が気になります。300名もの従業員規模なら、労基法上の管理監督の立場にいる社員の実態が「名ばかり・・」ではない自信は持てますかね。
▼問題の管理監督者からの除外に際しては、人事部長任せにせず、関係者の意見も聴取し、出来るだけ公正な措置を期待します。
投稿日:2020/03/14 16:40 ID:QA-0091412
相談者より
ご回答ありがとうございます。もう一つ質問させていただいてよろしいでしょうか?
・部下がいない監督職(名ばかり監督職)の職責手当をカットする
・対象者は予定では2名のみ
・職責手当がカットする2名の社員等級や役割、業務内容は変わらない
・職責手当がカットとなり、時間外手当を支給するが、時間外業務をしないので52,000円が丸々減額となる可能性がある
そうした場合に、下記について心配しています。
・不利益変更としての合理性があるかどうか
・狙い撃ちとなり相当性が欠如しないか
よろしくお願い致します。
投稿日:2020/03/16 11:49 ID:QA-0091431大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事下さいまして感謝しております。
ご質問の件ですが、ご懸念の点は十分にその可能性があるものといえます。つまり、適法な過半数代表者が選出されていないという事で不当な措置が行われているとのそしりを受けかねません。過半数代表者といえども決して任務の負担が特別重い地位とまではいえず多分に誤解されている面もございますので、人事部からも役割等に関しまして丁寧に説明され労働者側に自主的な改善を図ってもらう事が重要といえます。
投稿日:2020/03/16 17:02 ID:QA-0091440
相談者より
度々の質問にご回答くださり、誠にありがとうございます。大変参考になりました。ご指摘いただいた内容を正すとともに、関係者との調整を行い慎重かつ法に準じて進めてまいります。
投稿日:2020/03/17 07:58 ID:QA-0091458大変参考になった
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