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従業員への貸付

中途入社者が前職の社宅より転居するに当たり、採用時に、転居費用を貸してほしいと要請がありました。
この際に、むこう6ヵ月以上勤務すれば返金を免除し、6ヵ月未満で退職の場合は最終給与より返金をしてもらう同意をしております。
労働基準法で、「使用者は、労働契約の不履行について、違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約をしてはならない」とされていますが、本人の自由意思による「同意」を取り付けた場合は関しては、賃金から返済分を差し引いて支給することが可能とも聞いております。
どのような対応をすれば違法性がなく、貸付・リスク回避が可能でしょうか。

投稿日:2007/05/29 11:49 ID:QA-0008571

*****さん
大阪府/HRビジネス(企業規模 5001~10000人)

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プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答2

プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

お答えいたします

ご利用頂き有難うございます。

使用者の貸付債権と賃金との相殺につきましては、原則としましては労使協定の締結が必要ですが、ご指摘の通り判例上では「本人の自由意思に基く相殺は、賃金の全額払いの原則に反しない」とされています。

従いまして、ご相談のケースにつきましては、賃金から返済分を控除してもらうことも可能といえます。

但し、実際には使用者と労働者の力関係から見て労働者側の「自由意思」が認められるかは微妙ともいえますので、合意の際には慎重な対応が求められます。

また、転居費用がどの程度のものかは存じ上げませんが、最終給与から控除となる場合、金額上かなりの部分が差し引かれるということになれば労働者の生活にも支障をきたすことが考えられますので、その場合には本来あるべき別途請求を行うべきでしょう。

尚、給与控除を行う場合には、合意を取り付ける際に一方的・威圧的な態度をとらないこと、最終給与から差し引く場合に該当月の手取りがおよそどの程度の金額になるかも確認してもらった上で合意してもらうこと、必ず書面を作成し署名捺印を貰うこと等が重要です。

投稿日:2007/05/29 13:19 ID:QA-0008578

相談者より

 

投稿日:2007/05/29 13:19 ID:QA-0033437大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

従業員への貸付

■本件は雇用関係に直接させずに、社員に費用相当額を「貸付ける」金銭消費貸借で処理されることをお勧めの選択肢です。この場合は、返済を要するにしても、一定期間労働した場合にはその返済を免除するいう「特約付の金銭消費貸借契約」となり労基法16条には抵触しないことになります。
■一般的な留意点は下記の通りです。
① 金銭消費貸借であることを明記すること
② 貸付金の返済方法、返済期日、免除の事由、免除事由、早期退職の際の期限の利益の喪失(残債の一括返済義務の発生)など明記すること
退職金と残債を相殺する場合には労基法24条(賃金からの控除協定)にその旨の定めのあること
■上記③が適用できる状況ではないと思われますので、信頼関係に依存する以外に、貸付・リスク回避について以外にはありません。

投稿日:2007/05/30 11:12 ID:QA-0008597

相談者より

 

投稿日:2007/05/30 11:12 ID:QA-0033443大変参考になった

回答が参考になった 0

回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。



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