諸手当の変更
いつも参考にさせて頂いております。
弊社の出張手当(日当)・宿泊費・転勤支度金および住宅手当についてですが、現在設定の金額が親会社と同額となっております。
これは、会社設立の経緯が、親会社の一部門を独立させ、社員も移籍させて会社を設立したことによるものであります。
しかしながら、会社設立から10数年が経過し、現在では社員の大部分がプロパー社員となっています。
ここで、現在の水準を下げようと思っていますが、これは労働条件の不利益変更に該当するのでしょうか?
よろしくお願い致します。
投稿日:2013/06/20 14:03 ID:QA-0055028
- *****さん
- 東京都/その他業種(企業規模 51~100人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
お答えします
それに合理的な理由があり、労使で合意すれば構いません。一方的な集合規則の変更になってしまえば、当然、不利益変更と言えます。
子会社だから、というのは もちろん合理的な理由とは言えませんから、出張や宿泊費は、ホテル代などの相場や他社事例などを勘案する、転勤の支度金や住宅手当なども 支給対象や額について公平性などの観点から見直した結果、減額案を出さないといけないでしょう。
投稿日:2013/06/20 16:13 ID:QA-0055030
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
不利益変更に該当、 壁は厚い
ご説明の限りでは、 紛れもなく、 「 労働の条件の不利益変更 」 に該当します。 然し、 会社規模、 専門化、 業界状況などに応じた、 経営上の変更ニーズの実現には、 労働法を基本とする厚い壁を乗り越えなければなりません。 大雑把に言って、 次の3つのポイントについて検討を進められるとよいでしょう。 先ず、 ① 変更に、経営上の高度な合理的理由があるか。 ② 変更には、 当事者の合意が必要ですが、 その方法と見通しは。 ③ 個別合意の取得が実際面で困難な場合には、 就業規則に変更による方法を検討なるが、 その手順。
投稿日:2013/06/20 20:20 ID:QA-0055033
プロフェッショナルからの回答
諸手当の変更について
諸手当の減額変更は、不利益変更となり、原則として個別合意が必要です。
個別合意が得られない場合には、根拠となる就業規則を変更することになるわけですが、
そこには合理性が必要となってくるわけです。
もし、争いになった場合には、
経営上の必要性、同規模の同業他社の状況、労働者への説明、労働者の受ける不利益の程度などが総合的に判断されます。
ただし、出張手当などは、毎月、支給されるものではありませんので、労働者の受ける不利益の程度は低いと思われます。
投稿日:2013/06/20 20:40 ID:QA-0055034
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御相談の件ですが、現行の諸手当を減額等で変更する場合には労働条件の不利益変更となります。会社設立の経緯等は会社側の事情であって、個々の労働者にとっては関係のない事柄ですので、そうした話を持ち出しても不利益変更を有効足らしめることは出来ません。
どうしても減額したいという事であれば、会社の経営状況等必要性を丁寧に説明された上で、何らかの代替・激変緩和措置等の配慮をされる事により労働者の個別同意を得た上で変更される他ないものといえます。
投稿日:2013/06/20 23:19 ID:QA-0055035
プロフェッショナルからの回答
合理性の各要素を総合的に判断して検討されます。
経営環境の変化により、賃金等水準の見直しは企業では頻繁におこるケースであります。
この度の出張手当(日当)・宿泊費・転勤支度金および住宅手当等の水準を下げることを検討されている理由は定かではありませんが、社員の大部分がプロパー化し、水準比較を親会社から同業他社等へシフトする時期になったからと想定して検討いたします。
さて、出張手当(日当)等水準を下げることは、不利益変更に当たり、原則として従業員の同意がなければ一方的にこれらの水準を下げることはできません。
しかしながら、例外的に、水準を下げることが認められる場合がありますが、これらの水準を下げる等の合理性があるかは、以下の要素を総合的に判断して検討されます。
①変更によって被る従業員の不利益の程度
②変更との関連でなされた他の労働条件の改善状況
③変更の経営上の必要性
④労働組合・労働者との交渉の経過
上記①~④の要素が認められるための、御社状況を想定してみます。
まず、前提として、今回の水準引き下げにつき、経営に近い管理職への処遇につき、手始めに見直しをされてはいかがでしょうか?
例えば、宿泊費の水準を一般と同等にすることで、一般職への不利益は軽微なものとなり、①の要素につき許されるものと解されます。
次に、転勤支度金の水準を下げる代わりに、転勤に伴う諸経費の区分を明確にし、必要最低限の経費は支給するという代替策を取り入れてみることをお勧めします。
具体的には、転勤支度金という名目で転勤者に一律支給していたものを廃止し、その代わりに転勤日当、転勤交通費、荷造運送費、子供の転園・転校費用補助、着後手当、転勤通信費の各費用区分毎に限度額を設けて支給することは、②の要素につき許されるものと解されます。
更に、この水準の引き下げは、同業他社との水準と比較した結果のものであり、これは、将来の同業他社との統合を視野に入れた、経営上の必要性からのものであるならば、③の要素につき許されるもの解されます。
最後に、水準の引き下げについては、従業員への説明会による事前周知や、特に、住宅手当の水準引き下げにより、月例給与が減額となる対象者への事前協議を行うといった、労働者との交渉の経過は、制度変更に対する説明責任が果たされ、④の要素につき許されるものと解されます。
よって、①~④の各要素が許されるものと解され、今回の水準の引き下げは、労働条件の不利益変更に該当しないと結論づけることが可能です。
以上、いくつかの要件を補充しての回答となりましたが、制度の不利益変更につき、合理性ありと判断されるための各要素を個別具体的に検討頂くことをお勧めします。
投稿日:2013/06/26 22:24 ID:QA-0055088
相談者より
ご丁寧にありがとうございます。
投稿日:2013/07/26 14:36 ID:QA-0055484大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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