継続雇用の例外は認められるか
当社は、約70名の製造業です。就業規則に継続雇用規定があり、定年(満60才)を過ぎて本人が希望すれば全員継続雇用するとしております。しかしながら、工場の現場作業者以外の特に間接部門は、若干余剰人員をかかえており、申請されても仕事がないまたは他の人ができる事をまわさなければならない状況にあります。この場合は、組合との協議のうえ、例外規定を設けてもよいのでしょうか?
投稿日:2011/09/17 14:35 ID:QA-0046093
- *****さん
- 山形県/精密機器(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
高年齢者雇用安定法における定年後の継続雇用制度において対象者を限定される場合には、労使間で協議の上労使協定を締結しその選定基準を定める事が義務付けられています。
それ故漠然とした例外規定のようなものではなく、次の条件を満たすような明確な基準を設けることが求められることになります。 ①意欲、能力等をできる限り具体的に測るものであること:労働者自ら基準に適合するか否かを一定程度予見することができ、到達していない労働者に対して能力開発等を促すことができるような具体性を有するものであること。 ②必要とされる能力等が客観的に示されており、該当可能性を予見することができるものであること:企業や上司等の主観的な選択ではなく、基準に該当するか否かを労働者が客観的に予見可能で、該当の有無について紛争を招くことのないよう配慮されたものであること。 これに対しまして、労働者側に問題が無くても仕事が無い等会社側の事情で継続雇用自体を拒否出来るといった内容は、原則として認められないものといえます。仮に継続雇用を拒否してしまいますと、整理解雇と同様に扱われる可能性が高くなりますので、いずれにしましても対象者に関しまして容易に継続雇用を認めない事は出来ない点に注意が必要です。
投稿日:2011/09/17 23:04 ID:QA-0046095
相談者より
安易な姿勢ではダメということですね。ありがとうございました。
投稿日:2011/09/20 18:17 ID:QA-0046132大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
直接違法とならなくても、係争化すれば、協定自体が無効になる可能性も
|※| 関連法 ( 高年齢者雇用安定法 ) の趣旨に依れば、選別基準は、原則として、「 意欲と能力 」 であるべきで、継続雇用前のポジションが、特定職種や管理職であったり、過剰人員気味の部署であったりすることを理由に、排除するのは、好ましいことではありません。本来の、定年延長や廃止であれば、起き得ないことですね。 .
|※| 然し、実際の選別基準の決定に刺しては、法は、労使間で十分協議の上、各企業の実情に応じて定められることを想定しており、ご相談に措置を、直接、違法としていません。然し、余剰人員の多い部署に在籍したのは、本人の責任でないにも拘わらず、継続雇用という、本人にとってみれば、重大な機会が強制的に奪われる仕組みは、係争になれば、労使協議自体が、無効とされる可能性は、否定できないと思います。
投稿日:2011/09/18 11:24 ID:QA-0046096
相談者より
確かに本人の責任でない部分があります。人を育てる努力を怠ったつけは否めません。
投稿日:2011/09/20 18:12 ID:QA-0046131大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
継続制度の変更について
■全員継続雇用から、継続雇用されないケースもあるということで、従業員にとって不利益な変更となるわけですから、「同意」または、「合理的な理由」が必要です。
具体的には、会社の現状をよく説明し、理解してもらうこと。経過措置や代替措置の検討などです。
■基準を設けることに合意を得た場合、高齢者法の趣旨は、労使協定を結び、それを遵守することです。労使協定の更新基準に、会社の業績が悪化していない場合などを盛り込んでおくことです。
以上
投稿日:2011/09/19 06:31 ID:QA-0046105
相談者より
会社の業績が悪化していないことを明記するのは、当たり前のようで抜けていたかなと思いました。ありがとうございました。
投稿日:2011/09/20 18:08 ID:QA-0046130大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
例外規定以外に、再就職援助措置の対応をお勧めします。
ご質問を拝見し、回答させて頂きます。
結論から申し上げますと、この度ご相談頂きました継続雇用規定につき、その例外規定を設けることは可能であります。
しかし、現時点で就業規則に継続雇用規定があるため、「仕事がない場合は、継続雇用を行わない」等の例外規定を定める場合は、就業規則の不利益変更となります。不利益変更を行う際には、『合理性』『従業員の同意』が必要となります。
そこで、実際に運用していくには、例外規定を設けることよりも、対象者の選定基準を規定することの方が望ましいのではないでしょうか。現在の希望者全員の継続雇用で対応できない場合に、労使協定で対象者の選定を行います。このような労使協議が不調の場合は「就業規則で対象者の選定基準を規定」という過程を踏む必要があります。
上記にように基準を定め、離職者を出した場合には、高年齢者雇用安定法第十五条より、再就職援助措置を取らなくてはなりません。そこで、対象者を選定したうえで、継続雇用をしない対象者に対し、再就職援助措置として、御社でそのまま嘱託等での採用をするのはいかがでしょうか。社員にとっては、正社員としての雇用ではなくても、現在の職場で定年後も働けることは安心できることでしょう。会社にとっても、日数は少なくなっても、信頼のある社員を継続して雇用することが望ましいのではないでしょうか。
また、嘱託等での雇用が出来ない場合には、在職中のなるべく早い時期から高年齢者等が主体的に求職活動を行える支援をすることが求められます。「継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めた場合において、その基準に該当しなかったこと」を理由に離職をする高年齢者が希望するときは、自主的に職務経歴書を作成するための参考となる情報等を記載した書面(求職活動支援書)を作成・交付することが求められますので、ご留意ください。
投稿日:2011/09/20 20:56 ID:QA-0046140
相談者より
対象者の選定含めて、事前の準備が必要不可欠なことが判りました。ありがとうございました。
投稿日:2011/10/03 17:24 ID:QA-0046385大変参考になった
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