就業規則に掲載すべき具体的解雇要件
社員区分に関係なく、解雇の具体的要件を就業規則に明示しなければいけなくなったと聞いておりますが、皆さんはどのような具体的要件を就業規則に明示しているのか導入例を交えてご指導下さい。
投稿日:2006/02/07 14:46 ID:QA-0003584
- *****さん
- 東京都/フードサービス(企業規模 1001~3000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
就業規則に掲載すべき具体的解雇要件
■平成16年1月1日から施行された改正労働基準法において、労働基準法第89条第3号に定める「退職に関する事項」に「解雇の事由」を含めることが決められました。本条項は、就業規則の作成に際し、必ず記載することが必要な事項を規定したものですから、解雇の事由については、必ず就業規則に規定し、改めて、労働基準監督署へ届け出なければなりません。
■解雇事由について、その事由ごとに大別すると、一般的には、
1 労働者の労務提供の不能、労働能力又は適格性の欠如・喪失によるもの
2 労働者の規律違反の行為によるもの
3 経営上の必要性によるもの
に分けられます。実際の規定では、10種類程度の具体的解雇要件が列挙されます。
■上記のストレートな列挙事由とは別に、懲戒として解雇に相当する事由が「懲戒の事由」として列挙されます。その主なものは次の通りです。
1 経歴詐称
2 職務懈怠
3 業務命令違背
4 業務妨害
5 職場規律違反
6 私生活上の非行等
7 誠実義務違反
■就業規則への具体的な事例は、文字数制限のため、別の回答シート(2)に記載します。
投稿日:2006/02/08 11:58 ID:QA-0003602
相談者より
ご教授賜り、誠に有難うございました。大変参考になりました。今後とも宜しくお願い致します。
投稿日:2006/02/08 12:53 ID:QA-0031466大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
解雇事由の記載例
(普通解雇)
第○○条
●従業員が次のいずれかに該当するときは、解雇することができる。
1 勤務成績又は業務能率が著しく不良で、向上の見込みがなく、他の職務にも転換できない等、就業に適さないと認められたとき
2 勤務状況が著しく不良で、改善の見込みがなく、従業員としての職責を果たし得ないと認められたとき
3 業務上の負傷又は疾病による療養の開始後3年を経過しても当該負傷又は疾病がなおらない場合であって、従業員が傷病補償年金を受けているとき又は受けることとなったとき(会社が打ち切り補償を支払ったときを含む。)
4 精神又は身体の障害については、適正な雇用管理を行い、雇用の継続に配慮してもなおその障害により業務に耐えられないと認められたとき
5 試用期間中又は試用期間満了時までに従業員として不適格であると認められたとき
6 第◎◎条に定める懲戒解雇事由に該当する事実があると認められたき
7 事業の運営上のやむを得ない事情又は天災事変その他これに準ずるやむを得ない事情により、事業の継続が困難となったとき
8 事業の運営上のやむを得ない事情又は天災事変その他これに準ずるやむを得ない事情により、事業の縮小・転換又は部門の閉鎖等を行う必要が生じ、他の職務に転換させることが困難なとき
9 その他前各号に準ずるやむを得ない事情があったとき
●前項の規定により従業員を解雇する場合は、少なくとも30日前に予告をするか又は予告に代えて平均賃金の30日分以上の解雇予告手当を支払う。ただし、労働基準監督署長の認定を受けて第51条に定める懲戒解雇をする場合及び次の各号のいずれかに該当する従業員を解雇する場合は、この限りでない。
1 日々雇い入れられる従業員(1か月を超えて引き続き雇用される者を除く)
2 2か月以内の期間を定めて使用する従業員(その期間を超えて引き続き雇用される者を除く)
3 試用期間中の従業員(14日を超えて引き続き雇用される者を除く)
投稿日:2006/02/08 11:59 ID:QA-0003603
相談者より
投稿日:2006/02/08 11:59 ID:QA-0031467大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
解雇に相当する懲戒事由の記載例
(懲戒の事由)
第◎◎条
●従業員が次のいずれかに該当するときは、情状に応じ、けん責、減給又は出勤停止とする。(次のいずれか 略)
●従業員が次のいずれかに該当するときは、<懲戒解雇>とする。この場合において、行政官庁の認定を受けたときは、労働基準法第20条に規定する予告手当は支給しない。ただし、平素の服務態度その他情状によっては、第○○条に定める普通解雇又は減給若しくは出勤停止とすることがある。
1 重要な経歴を詐称して雇用されたとき
2 正当な理由なく無断欠勤○日以上に及び、出勤の督促に応じなかったとき
3 正当な理由なく無断でしばしば遅刻、早退又は欠勤を繰り返し、○回にわたって注意を受けても改めなかったとき
4 正当な理由なく、しばしば業務上の指示・命令に従わなかったとき
5 故意又は重大な過失により会社に重大な損害を与えたとき
6 会社内において刑法その他刑罰法規の各規定に違反する行為を行い、その犯罪事実が明らかとなったとき(当該行為が軽微な違反である場合を除く。)
7 素行不良で著しく会社内の秩序又は風紀を乱したとき
8 数回にわたり懲戒を受けたにもかかわらず、なお、勤務態度等に関し、改善の見込みがないと認められたとき
9 相手方の望まない性的言動により、円滑な職務遂行を妨げたり、職場の環境を悪化させ、又はその性的言動に対する相手方の対応によって、一定の不利益を与えるような行為を行ったとき
10 許可なく職務以外の目的で会社の施設、物品等を使用したとき
11 職務上の地位を利用して私利を図り、又は取引先等より不当な金品を受け、若しくは求め、又は供応を受けたとき
12 私生活上の非違行為や会社に対する誹謗中傷等によって会社の名誉信用を傷つけ、業務に重大な悪影響を及ぼすような行為があったとき
13 会社の業務上重要な秘密を外部に漏洩して会社に損害を与え、又は業務の正常な運営を阻害したとき
14 その他前各号に準ずる程度の不適切な行為があったとき
●第2項の規定による従業員の懲戒解雇に際し、当該従業員から請求のあった場合は、懲戒解雇の理由を記載した証明書を交付する。
投稿日:2006/02/08 12:01 ID:QA-0003604
相談者より
大変参考になりました。早速弊社規定に追加していきたいと存じます。
投稿日:2006/02/08 13:00 ID:QA-0031468大変参考になった
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