身上調書の記載事項について
大変お世話になります。大学の人事労務担当職員です。
本学では、人事異動の参考資料として、また安全衛生管理の配慮の観点から年1回、事務職員から身上調書を提出させています。
内容としては、配置希望、資格・免許、家庭等での特殊状況、趣味特技、健康状態などを記載させております。
このほど、適切な人事配置、安全衛生管理の観点から、この身上調書に「身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳」の有無について照会したらいかがかと検討しておりますが、法的に問題はあるのでしょうか?
なお、身上調書は職員各自が記載し、管理監督者を通じて人事課長に提出することになっております。
よろしくご教示願います。
投稿日:2010/11/30 13:37 ID:QA-0024065
- *****さん
- 東京都/その他業種(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
精神障害の把握の有無
精神障害は時代の潮流もあり、増加の一途を辿っています。自殺予備軍でもあり、大学組織としてなるべく今後は把握していくべきでしょう。その意味でお考えの身上書による把握は1つの方向性として支持できます。
しかし、精神科受診は敷居が高く、多くの方が自費診療だったり、内科で同等の薬剤を処方してもらって治療を受けていたりして、勤務先に隠す傾向が依然として強く、自ら精神疾患をカミングアウトする教職員は少ないでしょう。
一般企業でも、予防には努めていますが、発病してしまった社員は要注意者として別枠にし、大半が休職を経て自動退職扱いになっています。復職が成功することはほとんどないと言って過言ではありません。
大学でもその点は同じで、教育と研究を主とし、校務を任されている教員、また職員について、ならし勤務や、精神疾患に配慮した労務管理ができるかというと、簡単ではないでしょう。また、大学の場合、教員は労働市場があり、再就職を目指す教員も多いですから、身上書で精神疾患を示す手帳の有無を問われても有るとはしないでしょう。
また、精神障害者でも手帳の取得はオプションになっており、必須ではないのです。年金受給者、自立支援法による精神科通院補助を受けていても手帳は取得していないケースは少なくありません。
こうした実情も踏まえながら、教職員の精神衛生の実態の把握に取り組んでいくことは必要です。
適切な産業医を置いて定期的に面談することも1つの施策になるでしょう。
投稿日:2010/11/30 16:01 ID:QA-0024066
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
事業運営者が職員の心身の状況・健康状態を把握する事は、ご認識の通り適切な人事配置、安全衛生管理の観点からも非常に重要な事柄といえます。
従いまして、身上調書等により「身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳」の有無について、本人承諾の上で照会すること自体に違法性はなく差し支えございません。
但し、入手した情報が当人の意思に反して他の従業員に知れ渡ったりしてはいけませんので、情報の入手方法や管理には十分な注意が求められます。
厚生労働省による「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」では、「採用決定後の確認手続は、情報を取り扱う者を必要最小限とするため、企業において障害者雇用状況の報告等を担当する人事担当者から直接本人に対して行うことが望まれる」とされています。それ故、文書による調査であっても管理職を間に挟むことは極力避けるべきといえるでしょう。
この他、同ガイドラインでは、採用後に把握・確認を行う場合、雇用する労働者全員に対して画一的な手段で申告を呼びかけることや、利用目的の明示及び当人の同意取得に加えて業務命令としての回答を要求をしているものではない旨を明らかにすることが望まれることが示されています。
上記はあくまで努力を求める指針にて法的拘束力まではございませんが、いずれにしましても、こうした機微項目を付加する場合には、職員全員に対する説明を行なうと共にきちんとした管理措置を採られた上で実施されることが重要です。
投稿日:2010/11/30 19:52 ID:QA-0024074
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
個人情報保護規程が整備された上で、検討すべき問題
.
■ 職員 ( 従業員 ) の個人情報に関しては、次の2つの面における留意が必要です。
1.収集する情報は、雇用関係上、必要なものに限ること。
2.収集した情報は、個人情報保護法に則り、設営された取扱規則等によって管理すること。
ご相談は、障害者手帳に関する、単発事項ですが、他の個人情報と同様、上記のいずれかに反するか否かで、違法にもなり得ます。
■ 個人情報は ( 詳細は割愛しますが ) 利用目的別に、大きく、4種類に分けられます。
①基本情報
②賃金関係情報
③人事情報
④健康情報
■ ご相談の情報は、④ 健康情報に属します。雇用関係上、必要な情報であれば、提出を求めること自体が違法という訳ではありません。然し、一般的な検診結果情報と異なり、《 タッチー 》 な問題を含む情報なので、提出を求めるからには、その取扱い、具体的な利用などを明確にし、職員の健康管理に資するものであること確認すべきだと思います。
■ 因みに、職員のさまざまな個人情報の保護方針についての規程の整備、職員への公開が行われていますか? ご相談の情報を要求するからには、その背景には、個人情報保護規程が整備されていることが必要で、その都度、断片的に提出を求めることは避けるべきだと思います。
投稿日:2010/12/01 10:05 ID:QA-0024080
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