時間単価の算出方法
■残業手当などを計算する際の時間単価の算出で、以下は違法になりますでしょうか?
・時間単価は、年間の所定労働時間から算出されますが、その場合、年間の休日日数の変動によって所定労働時間も変動し、時間単価も変動します。
そこで就業規則で所定労働時間を(例えば1ヶ月160時間)と定めて、それをもって時間単価を計算し変動させないようにする。
宜しくお願いします。
投稿日:2026/01/22 19:45 ID:QA-0163516
- えむえふごさん
- 東京都/情報処理・ソフトウェア(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
結論から申し上げますと、就業規則で「所定労働時間を月160時間と定め、それを基礎に時間単価を固定する運用自体は、直ちに違法とはなりません。ただし、定め方と実態が乖離すると違法となるリスクが高いため、慎重な設計が必要です。
1.時間単価算出の原則
残業手当等の基礎となる時間単価は、労基法上
「通常の労働時間または労働日の賃金」
を基礎に算出するとされています。
月給制の場合、一般的には
月給 ÷ 月の所定労働時間
で算出しますが、
この「所定労働時間」は 就業規則・労働条件通知書で定められた時間 が基準となります。
2.ご質問の運用(所定労働時間を月160時間で固定)の適法性
(1)就業規則上の定めが明確であれば原則OK
就業規則において、
所定労働時間:1日8時間
所定労働日数:月20日(=月160時間)
などと明確に定められている場合、
その160時間を基礎に時間単価を算出すること自体は、直ちに違法ではありません。
実務上も、
月平均所定労働時間(例:160時間、173.8時間など)
を用いて時間単価を固定している企業は多数存在します。
(2)問題となるのは「実態との乖離」
注意すべき点は、形式上160時間と定めていても、実態の所定労働時間がそれを上回っている場合です。
例えば、
年間休日数の変動により、実際の年間所定労働時間が増加
結果として、実質的には「160時間超」が通常であるにもかかわらず、
低い160時間で割り続けている
この場合、
→ 実態よりも低い時間単価で残業代を計算している
→ 割増賃金の不足払い(労基法37条違反)
と評価されるリスクがあります。
3.安全な運用のポイント
違法リスクを抑えるため、次の点が重要です。
(1) 年間休日・所定労働時間との整合性
年間休日カレンダーと160時間×12か月=1,920時間が整合しているか
(2) 「月平均所定労働時間」としての位置づけを明確に
「実労働時間」ではなく、「割増賃金算定用の月平均所定労働時間」であることを就業規則に明記
(3) 所定労働時間を超える部分は必ず残業扱い
月160時間を超えた労働について、確実に残業手当を支給すること
4.まとめ
就業規則で所定労働時間を「月160時間」と定め、時間単価を固定すること自体は違法ではない。
ただし、実際の所定労働時間が恒常的に160時間を超えている場合は違法リスクが高い
重要なのは「形式」ではなく「実態との一致」
実務上は、
年間所定労働時間 ÷ 12か月で算出した月平均所定労働時間
を用いる方法が、最も安全かつ説明可能性が高い運用といえます。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2026/01/23 08:40 ID:QA-0163520
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
以下、可能です。多くの企業も以下の手法を採用しています。
|就業規則で所定労働時間を(例えば1ヶ月160時間)と定めて、
|それをもって時間単価を計算し変動させないようにする。
但し、設定した時間(160時間)を下回る年が出てきた場合は、時間単価を
変えて計算する必要があります。単価を変えませんと、社員不利益の為です。
その為、数年間分の年間所定労働日数を算出し、最も、所定労働日数が
少ない日数の時間を採用する企業が実務上、多い印象です。
投稿日:2026/01/23 08:45 ID:QA-0163521
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
ただちに違法とまではいえません。
割増の基礎となる1時間当たりの賃金の具体的な計算方法としましては、月給制であれば、基本給その他手当(法定の除外賃金を除く)の合計額を「月における所定労働時間数」で除して時間単価を算出しますが、ただし、月によって所定労働日数が異なる場合には1年間の総所定労働時間数を12か月で除して、1か月の平均所定労働時間数を算出し、これにより計算するというのが基本になります。
ですが、この1か月160時間というのが、上記における1か月の平均所定労働時間を下回っている限りは労働者にとっては有利であり問題はありません。
投稿日:2026/01/23 10:54 ID:QA-0163532
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、示されたように具体的な所定労働時間を就業規則に定めて運用されますと、規則を変更されない限り所定労働時間は変わりませんので、年による賃金の時間単価の変動を避ける事は可能になります。
但し、その場合ですと月の所定休日や1日の所定労働時間との整合性が取れなくなる可能性が高くなり、その結果月における所定労働時間の過不足が発生し、通常の勤務スケジュールの変更(または給与額による調整)を余儀なくされる事になってしまいます。
つまり、直ちに違法性は生じませんが、労働時間の過不足の調整といった新たな手間が発生しますので、余りお勧めは出来ないというのが私共の見解になります。
投稿日:2026/01/23 21:44 ID:QA-0163572
プロフェッショナルからの回答
最低基準を下回らないこと
以下、回答いたします。
(1)割増賃金の計算における、月給に関する「1時間当たりの賃金額」については、労働基準法施行規則第19条第1項第4号により、次のように定められています。
※ 月によって定められた賃金については、その金額を月における所定労働時間数(月によって所定労働時間数が異る場合には、一年間における一月平均所定労働時間数)で除した金額
(2)御提示の内容は上記(1)とは異なりますので、労働基準法の以下の条項に留意する必要があると考えられます。具体的には、上記(1)を下回るものではないことを就業規則等において担保しておく必要があると考えられます。
(この法律違反の契約)
第十三条 この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準による。
(労働条件の原則)
第一条
2 この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。
投稿日:2026/01/24 12:02 ID:QA-0163582
本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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