入社前にオリエンテーションを実施した際の給与に関して
1月1日付で採用した社員のオリエンテーション(3時間)を12月に実施します。
その際に発生する給与を1月支払いで進めております。当社は残業代を翌月に支給しております。また、参加者で往復8時間かかる方がおりますがこの方にも3時間の給与の支払いを考えております。この対応で問題がないか教えてください。宜しくお願いします。
投稿日:2025/12/24 09:57 ID:QA-0162440
- 人事向上委員会さん
- 東京都/販売・小売(企業規模 31~50人)
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具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
以下のとおり整理してご回答いたします。
1 オリエンテーションは賃金支払の対象か
入社日前に実施するオリエンテーションであっても、内容が
・業務遂行に必要な知識・ルールの説明
・参加が実質的に義務(不参加が不利益につながる)
である場合は、「使用者の指揮命令下にある時間」と評価され、労働時間に該当します。
したがって、3時間分の賃金を支払う必要があり、支払自体は適正です。
なお、「1月1日付採用」であっても、12月に労働時間が発生している以上、賃金不払とすることはできません。
2 賃金の支払時期(1月支払い)について
労基法24条では「賃金は全額、毎月1回以上、一定期日に支払うこと」が原則ですが、
貴社が「残業代は翌月支給」とする賃金規程・慣行を有している
オリエンテーション賃金を「時間外手当等と同様の扱い」で翌月支給している
という前提がある場合、1月支払いとする運用自体は直ちに違法とはなりません。
ただし注意点として、
・12月分賃金が翌月支給となることを本人に事前説明していること
・就業規則または賃金規程と整合していること
が重要です。特に「入社前の労働時間分がいつ支払われるか」は誤解が生じやすいため、書面等で明確にしておくことが望まれます。
3 往復8時間かかる参加者の取扱い(移動時間)
原則として、通勤・移動時間は労働時間には該当しません。
今回のように、
・特段の業務指示(移動中の業務、同行命令等)がない
・通常の通勤・移動に近い性質
であれば、オリエンテーションの実施時間である3時間分のみを賃金支給とする対応は妥当です。
もっとも、会社として配慮の観点から
・交通費の実費支給
・一律の日当や謝礼を支給(賃金とは別建て)
とすることは差し支えありません。
4 実務上の留意点(重要)
(1)「入社前オリエンテーションは労働時間として賃金支給する」旨を明確化
(2) 支払日(1月支給)について事前説明・記録を残す
(3) 今後も実施する場合は、就業規則・内規で取扱いを整理
5.結論
・3時間分の賃金支給:適法
・1月支払い:規程・説明があれば問題なし
・往復8時間者に3時間分のみ支給:原則問題なし
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/12/24 10:34 ID:QA-0162442
相談者より
お尋ねして直ぐに丁寧なご回答有難うございました。対象者へ1月支払いの旨を説明致します。
分かり易く整理した回答をいただき有難うございました。
投稿日:2025/12/24 11:00 ID:QA-0162443大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
|この対応で問題がないか教えてください。
上記、法令に抵触するものではありませんので、問題ありません。
本件の場合、移動時間は給与支払いの対象外として差支えありません。
なお、8時間もかかる遠方からの移動ですので、交通費の支払いについて、
当日の給与支払いの取扱いについては、事前にご案内をしていただくことが
トラブルを未然に防ぐ観点からは必要と言えるでしょう。
投稿日:2025/12/24 11:32 ID:QA-0162446
相談者より
早速のご回答有難うございました。
投稿日:2025/12/24 14:00 ID:QA-0162452参考になった
プロフェッショナルからの回答
日本の人事部Q&Aをご利用くださりありがとうございます。さて最初に質問への回答から申し上げると、貴社の一連のご対応に何ら問題はございません。その理由を質問者様が懸念されていると思われる3つの論点から解説させて頂きます。
(1).オリエンテーションの出席時間について
判例によると、一般的な採用内定は「始期付解約権留保労働契約」に該当します。平たくいえば内定をもらっただけで実際に入社する前の段階であっても、すでに貴社と内定者との間に労働契約が成立しているとみなされるということです。
もしオリエンテーションに出席しないと内定辞退したとみなされるような場合は、入社前オリエンテーションであっても使用者の指揮命令下にあるといえ、貴社に賃金の支払い義務が生じます。一方で出席するか否かを内定者が任意で決められるような場合(OBOGとの食事会等)は、賃金の支払い義務は生じません。
(2).賃金の支払時期について
12月のオリエンテーションに参加した時間の賃金を、既存社員の変動給(残業代)の支給タイミングにあわせて、1月に支払うことは問題ありません。労働基準法の賃金支払5原則の「一定期日払いの原則」あるいは「月1回以上払いの原則」は「当月払い」を意図したものではありませんので、特段の法令違反は生じません。
(3).参加者の移動時間について
往復で8時間を要する参加者について、オリエンテーションに参加している3時間分の賃金のみ支払うことは問題ありません。
この参加者が貴社から特別の依頼を受けてオリエンテーションの講師を引率するとか、オリエンテーションに使用する機材を運搬するといった義務を負っていない限り、この参加者は移動時間を自由に利用できますので、貴社の指揮命令下にあるとはいえず、この8時間について貴社に賃金支払い義務は生じないのです。
以上雑駁な回答となりましたが、質問者様の参考になれば幸いです。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
投稿日:2025/12/24 12:57 ID:QA-0162451
相談者より
早速ご丁寧な回答を頂きまして
有難うございました。
投稿日:2025/12/24 14:00 ID:QA-0162453大変参考になった
本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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