フレックスタイム制における振替休日を翌月に繰り越した場合
いつもお世話になっております。
上記タイトルについて、ご質問をさせて頂きます。
現在弊社では、フレックスタイム制を導入しています。
清算期間は「1ヶ月間」とし、毎日1日を起算日とします。
清算期間中に労働すべき総労働時間は、清算期間における営業日数×8時間としております。( 標準となる1日の労働時間は8時間、営業日数はカレンダー通りになり、土日祝日休み)
仮に上記のケースで、
9月に社員が日曜日(弊社就業規則上の法定休日)に振替出勤をし、
翌月10月に振替休日を取得した場合、9月と10月の給与計算の際に、どの様な給与処理が必要になりますでしょうか。
※補足
9月、10月それぞれ残業(所定外労働)は「なし」で、9月の振替出勤(日曜日)のみ場合
上記内容について、ご回答頂けますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/09/09 17:20 ID:QA-0157984
- 普通の人事担当さん
- 東京都/ゲーム・アミューズメント・スポーツ施設(企業規模 11~30人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
本ケースにおいては、振替出勤によって労働した時間と、振替休日によって休んだ
時間が、それぞれの月の総労働時間に加算・減算されるだけで、割増賃金や残業代
の発生は生じません。
上記を鑑み、給与計算にソフトをご利用であれば、加算・減算がないことを
ご確認をいただければと思います。
なお、万が一、予定の振替休日が取得できなくなった場合は給与計算が複雑化
しますので、出来る限り、同一清算期間内で振替休日を取得するルール に見直し
ていただくことをおすすめします。
投稿日:2025/09/09 17:58 ID:QA-0157986
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 基本的な考え方
フレックスタイム制の枠組み
清算期間(今回:毎月1日~月末)ごとに、労働日数×8時間=総所定労働時間を満たせばよい制度です。
振替休日の原則
振替休日は「休日労働をあらかじめ他の日と入れ替える制度」であり、労基法第35条の休日労働にあたりません(=割増賃金不要)。
ただし、振替先が「翌月」にずれ込む場合は注意が必要です。
2. 9月・10月のケース整理
9月:日曜日(法定休日)に振替出勤 → 本来は代わりに9月中の平日を休日とするのが原則。
今回は代休日を10月に付与 → 9月の清算期間の所定労働時間と実労働時間にズレが生じる。
(1) 9月の処理
清算期間(9月1日~30日)の総労働時間は「営業日数×8時間」。
振替休日を翌月に回したため、9月中は本来の休日に出勤した分だけ労働時間が過剰となる。
→ 9月末時点では「法定休日労働」扱いになるため、原則 35%の割増賃金を支払う必要があります。
(2) 10月の処理
10月に振替休日を与えたとしても、それは「休暇を後付けで付与した」扱いであり、9月にさかのぼって休日労働を無効にできるわけではありません。
したがって、10月は「有給の特別休暇」的な扱いにすることは可能ですが、給与から控除は不要。
3. 実務上のリスクと対応策
リスク:休日労働を翌月に繰り越して振替すると、労基署から「適法な振替休日になっていない」と指摘される可能性が高い。
対応案:
原則として 同一清算期間(同月内)で振替を完結させる。
やむを得ず翌月に振り替える場合は、
9月分は「休日労働」として割増賃金を支給
10月の振休は「有給の特別休暇」として処理(給与控除なし)
とするのが無難。
4. まとめ
振替休日は同じ清算期間内に与えることが原則。
翌月にずれ込むと、9月の休日労働は割増賃金支払いが必要。
10月に与えた休日は「休暇」として取り扱う(給与控除不要)。
以上です。よろしくお願い申し上げます。
投稿日:2025/09/09 18:15 ID:QA-0157991
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、フレックスタイム制であっても、月の所定労働時間より多く勤務された事に変わりございませんので、賃金全額払いの原則に基づき振替出勤日の労働時間分について賃金支払が必要とされます。
そして、当該労働時間が月の法定労働時間枠を超える場合には、超えた時間分について時間外労働割増賃金(×0.25)の支払も必要とされます。
その上で、翌月振替休日取得された際には、当該時間分の基本賃金部分について賃金控除されるといった措置になります。
投稿日:2025/09/09 21:50 ID:QA-0158005
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
「振り替えられた日(振替の対象となる休日)」と、「振り替えるべき日(新たに休日となる日)」が清算期間をまたぐ場合は、振り替えられた日を含む清算期間については、労働義務のある日が1日増え、振り替えるべき日を含む清算期間については、労働義務のある日が1日少なくなることになります。
結果、労働義務のある日が増えて、その清算期間の法定労働時間の総枠を超えた場合は、割増賃金の支払いが必要になります。
留意しておかれたらよろしいでしょう。
投稿日:2025/09/10 09:10 ID:QA-0158013
プロフェッショナルからの回答
整理
以下、回答いたします。
(1)フレックスタイム制を導入した場合には、清算期間における総労働時間(所定労働時間)と実労働時間との過不足に応じて、賃金の清算(支払・控除等)を行う必要があります。
本件においては、それぞれの時間の増減については以下のように整理されるものと考えられます。
9月:総労働時間 変わらず。
実労働時間 他の勤務日の状況にもよる。(結果として、増える場合も、減る場合も有りうる。)
10月:総労働時間 変わらず。
実労働時間 他の勤務日の状況にもよる。(結果として、増える場合も、減る場合も有りうる。)
(2)フレックスタイム制を導入した場合には、清算期間における実際の労働時間のうち、清算期間における法定労働時間の総枠を超えた時間数が時間外労働となります。
本件においては、それぞれの時間の増減について以下のように整理されます。
9月:実労働時間 他の勤務日の状況にもよる。(結果として、増える場合も、減る場合も有りうる。)
法定労働時間の総枠 変わらず。
10月:実労働時間 他の勤務日の状況にもよる。(結果として、増える場合も、減る場合も有りうる。)
法定労働時間の総枠 変わらず。
(3)なお、上記(1)の総労働時間については、9月:+8時間(1日分)、10月:-8時間(1日分)とすることも考えられますが、「清算期間における総労働時間を定めるに当たっては、法定労働時間の総枠の範囲内としなければならない」との制度的要件を踏まえ、「変わらず」にて整理しています。
投稿日:2025/09/12 06:16 ID:QA-0158159
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